自分に負けない為に必要だったこと

自分に負けないと決めたことで

すぐに弱気になってしまうし、すぐにくじけそうになってしまう自分が嫌でした。そのせいで、多くのことを諦めてしまっていたよ気がしてしてならなかったからでした。だから、僕の中で大切にしたい夢が出来たときに、何が何でも自分に負けたくないと思ったんです。

こんなことを聞くのは野暮なことかもしれませんが、誰かと言い争うときというのは、自分の中にどんな思いがあるから、相手を攻撃するものでしょうか？僕が思うに、どんな争いであってもお互いがお互いに、自分の中の正義や正しさを持っているものだと思うのです。

自分が正しくて、あなたが間違っている。そうお互いに思うから、争うようになってしまうものだと思います。

話が逸れてしまったのですが、要は僕自身も自分に負けないために、自分に対して正論をぶつけていた訳です。

「ここで弱気になるなんて間違っている。」
「諦めるのは勿体ない。これまでの努力が台無しになってしまう。」
「うじうじしても仕方がない。」
「落ち込んでいる暇なんかない。」

そうやって、自分を追い込んでしまうと、本当の自分の気持ちが分からなくなってしまうものなんです。それはひとえに、全てひっくり返されて否定されてしまうからです。自分の中で湧いてくる気持ちを否定されてしまえば、心は閉ざしてしまうのです。当時の僕は、自分が何をどう感じて何を考えているのか正直なところわからなくなっていたんだと思います。実際は、分からなくなっていたことなんて気付きもしませんでした。

そして、もうひとつ自分に負けないために僕がしていたことがあります。自分と勝負する姿勢が、そのまま他人にも表れてしまっていたのかもしれません。あるいは、人に負けてしまえば、自分にも負けることになると思い込んでいたのかもしれません。自分が弱いと感じていたから手段はなかったに違いありません。人を攻撃するしかなかったんです。負けたくないという思いが、人に対して攻撃的に高圧的になってしまっていたのでした。

夢を叶えることを絶対の使命のように感じて、なりふり構わず突き進んでいました。ですが、たったひとつの挫折によって自分の夢が叶わないと、思い込んでしまったのでした。心がくじけてしまい諦めなければいけないと思ってしまったのでした。そこから、どんどんとこれまで築き上げてきたものが崩れ去ってしまいました。

その時に、あまりにも苦しかったから、自分の中で必然的に色々と問われたような気がしたんです。自分の価値とは？自分が何者なのかとか？人生とは？幸せとは？ですが、自分のことがさっぱりと分からなかったんです。ですので、どれだけ考えても答えが見つからなかったんです。

自分に負けないと思っていたことで、自分と勝負し続けた結果、自分が分からなくなってしまったのでした。

本当に必要だったこと

自分の気持ちが、少しずつ分かるようになったのは、夢を諦めたせいで、自分と戦わずに済んだからなのかもしれません。それに加えて、学びと出会えたおかげで、自分と戦う必要なんかなかったということに気が付けたことも大きかったんだと思います。

その時に、自分の在り方にも気が付いたのです。

これまでの自分がいかに、上べだけで振舞っていたということをです。

人が嬉しいから、自分も嬉しいに違いない。人が悲しんでいるから、自分も悲しいに違いない。人が喜んでいるから、自分も喜んだ方がいいに違いない。人が悲しんでいるときに自分も悲しんでいないと、おかしいと思われてしまうかもしれない。そんな風に考えてきていたんです。でも、そうしていくうちに、どんどん自分がひとつ殻の中に閉じこもってしまっていたんだと思います。

自分の気持ちをひとつひとつ受け止めていくことで、その殻がひとつひとつ剥がれていくようでした。それは思いの外、様々なことを変えてくれたのでした。自分に優しくなるたびに、周りも優しくなれたのです。

それが、自分の世界を変えることになったのです。信じられないくらい優しい世界に変わっていったのです。これまでに味わったことのないくらい居心地の良い世界だったのです。

そのことで僕は大きくかわることが出来たような気がします。

自分に負けないことに必要なことは、正論を持って自分と接することではなく、自分と戦わないで、自分と手を取り合うことだったのでした。

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