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エッセイ

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日常の些事
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同棲解消・風俗・殴打

-2024/01/27
同じ家で過ごして、同じベッドで眠り、同じごはんを食べる。寝食を共にする。1ヶ月もすれば他人になる人間と。当たり前に配慮してくれてた部分がスコンと抜け落ちた、恋人だった人間と。
私と別れてから、あの人が誰かの為に使った真夜中は実に数回。朝日を背負って帰ってきたコートは、BURBERRYのHER EAU DE TOILETTEのにおい。それと、もう冬も終わるのに、ベットリとへば

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負けブスの遠吠え

非常に個性的な顔に産まれた私には、人並みはずれて美しい母と、頭ひとつ飛び抜けて美しい姉がいる。

母は、授業参観とかあるたびに注目を集めて、あれ誰のお母さん?ってクラスをざわつかせた。同級生が話題にあげる、"あの美人なお母さん"は、私の母のことだった。アレからコレが?みたいな目線が、本当に辛かった。
姉は、中高大すべてのミスなんちゃらに選ばれた。姉が美人だと自覚したエピソードとして1番身に覚えがあ

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えがたい男友達

えがたい男友達

何をどう足掻いたって女という生き物である私は、男という生き物と本当の意味で仲良くなる場合、大方は部屋のコンセントが、PCの配線がぐちゃぐちゃで、床には埃が溜まっていて、本棚には雑然としたよくわからない漫画が突っ込まれている必要があると思う。
マンションのフロントオートロックは少し親しくなった友人ならば大抵解錠番号を知っていて、もはや意味をなしていない。開けっぱなしの玄関ドアは信じられないくらい無防

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元恋人と、私を初めて組み敷いた人についての思い出

毎週顔を出していた二丁目も随分と疎遠になった。ワイワイと賑わう人が眩しかった鳥居も、ハロウィン時期限定のパフェが楽しみだったココロカフェも、店子さん仲間とお通しを買いに走った100円ローソンも、最後にいつ行ったのか思い出せないくらい、記憶が遠い。
レズビアンバーの空気は、薄いオレンジの甘ったるい靄が常にかかっているようだ。誰も彼もが上気していて、歩き方がふわふわしている。ここに来る人はきっと、甘い

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誰かを盲信するということ

私が盲目的に信仰している存在と出会ったのは8年と少し前。正確に言えば、2015年の7月30日、渋谷のライブハウス。下手側の最前列に体を捩じ込んで、こりゃあなんだかわからないけどすごいものに出会っちゃった気がする、と思いながら、必死に動画を撮った。モッシュでもみくちゃにされながら撮った動画は、誰が何だかわからないくらいブレブレだったけど。いまでも私の携帯のアルバムの中にある。

そのバンドはあっとい

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2023/09/19

18:30から夜間の学校で授業が始まる。
お昼ごろには余裕をぶっこいてコーヒーを飲んでたくせに、終わりごろになると見つかる締切がやばいタスクを取り敢えずTODOリストに突っ込んで。明日の仕事に後ろ髪をひかれながら、足早に学校に向かう。原宿と渋谷の間。

決めてるわけじゃないのに何となく、行く時は原宿駅からになりがちだ。決まった時間に間に合うよう目的地に向かうのが苦手(苦手なわけじゃなくて怠惰なだけ

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2023/09/26

1998年の8月生まれ25歳の私は、3回くらい上司に嫌味を言われながらフルリモートに移行した私は、考えすぎですっかりシワシワになった脳みそを隠すように、2回、髪の毛をブリーチした。色を抜いた前髪は長くてもあんまりうっとおしくない。文字通り、目の前をサラサラと横切る髪の毛が、私の世界だけ不透明度20%のきいろいレイヤーを重ねる。

私と同じく25歳の恋人の寝息を聞いた回数は、きっとリアルに800回く

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立ちかえる場所としての音楽

今朝、自分のどうにもならなさに不甲斐なくなって、何者かになれていない現状に絶望して、大泣きしてしまった。しくしくと泣くんじゃなくて、わんわんおんおんとしゃくりをあげて泣いた。
情けない話だけど、25歳にもなって(ついこの間誕生日を迎えて歳をとりました)、まるでガキみたいな泣き方だった。涙も嗚咽も止まらないし、寝っ転がって泣いてるからか鼻水が詰まって上手に呼吸できないし、最終的に這いつくばりながらテ

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自分のお酒のキャパが一生わからない

お酒を飲むことが結構好きだ。毎日欠かさず飲むわけじゃないけど、金曜日には必ず飲むし、休みの日に昼間っからビールとか飲めるときはテンション上がる。私の趣味の1つに筋トレがあって、健やかな体を目指すために日々の生活を気をつけてるわけだけど、筋肉に悪いとはわかりつつもお酒だけはやめられてない。その程度にはお酒が、ちゅき。

ここで1つ、バカでかい問題がある。それは私が、自分のお酒のキャパをぜーーーんぜん

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醜い自分しんどすぎる

コロナの変異株出現によって世間はてんやわんやしていて、オリンピックが開催できるのか、とか、インドは破綻しないのか、とか、世間は大変そうだ。そんなお祭り騒ぎを傍目に恐縮だが、私はなんと、リモートワークが始まりました。控えめに言って最高、超嬉しい、神は存在した。控えめに言って。
朝起きる時間は出社してたときより一時間も遅いし、それなのに仕事まで時間余裕だし、仕事中にメディキュット履いたままでもバレない

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