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『一人の力で生きてみたいの』

【ルックバック】


■日本/2024年
■監督・脚本∶押山清高
■出演∶河合優実、吉田美月喜


1時間弱で短く、セリフもとても少ない作品でした。胸を打つような間合いとストーリーで、SNSでも話題のアニメ映画です!


小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を連載していました。クラスでも大人気の4コマ漫画で、藤野は自分の漫画に自信を持っていました。ある日、自分の4コマ漫画の横に、不登校の京本の絵が載ることになりました。その圧倒的な画力に藤野はショックを受けます。悔しくて藤野は絵の練習に全力で取り組みます。卒業式の日、先生の頼みで藤野は京本の家まで卒業証書を届けに行くことになりました。この時2人は初めて顔を合わせます。不登校で引きこもりの京本は、人とまともに話すことができません。しかし、勇気をだして自分が藤野の4コマ漫画のファンであることを伝えます。

これをきっかけに2人の仲は深まり一緒に漫画を描くようになります。2人が描いた作品は、漫画雑誌で賞を獲得します。2人は多くの時間を共に漫画の創作に費やしました。高校生になり、卒業後の進路を決めなくてはいけない時期になります。その頃、2人は漫画雑誌の連載が決まっており、藤野はこれからも2人で作品を描いていくものと思っていました。しかし、京本は藤野に「美術の大学に行きたい、だから連載手伝えない、もっと絵上手くなりたいもん」と告げるのです。藤野は、コンビニの店員ともちゃんと話せないのに大学生活は無理、美大に行っても就職はない、私についてくれば全部上手くいく、と京本に食い下がります。京本は「藤野ちゃんに頼らないで、一人の力で生きてみたいの」と言い放ち、引きこもりの生活から抜け出して自立しようとしていました。このやり取りを機に、2人の道は別れてしまいます。藤野はそのまま漫画家になり、自分の作品がアニメ化されるほどの人気作家になります。忙しいプロ生活のさなか、藤野が創作中にテレビのニュースからある一報が流れます。物語は急展開を迎えるのでした。

いやー、切ない。。。。。見終わったあとに、ポスターにある「描き続ける」のキャッチフレーズがめちゃくちゃ効きますね、、、

原作はチェンソーマンで有名な漫画家、藤本タツキ氏漫画です。藤野と京本は、藤本さんご本人がモデルなのかな?と思うような描写が所々にありました!


藤野は、これでもか!と努力してもなかなかと京本の画力に追い付けません。前半は圧倒的な才能を目の前にしたときの感情表現が多く描かれています。
誰もが経験したことがあるような感情で、共感しやすかったてす。
一方で京本は、学校に行かず引きこもって絵ばかり描いているので、画力は上がっても社会生活がままならない状態です。藤野と出会い共に漫画を描くことで少しずつ外にも出るようになります。2人は共同制作者であり、友達だったんですよね。


どんな人間関係でもお互いに、いろんな面で自立して尊重し合えるのがベストだとは思うのですが、大人でもいつなんどきもそんな風に振る舞えるわけじゃないですもんね。

物語の後半は、観るのがしんどいくらい切なかったですね。卒業証書を届けた日、自分が京本を外に連れ出したことを後悔している、といったような藤野のセリフがあります。
自分も藤野な立場なら同じように思うだろうな、と想像します。

2人とも、絵を描くことと漫画を描くことへの情熱はホンモノでしたか、2人で描いて創るのが楽しかったんだろうなぁとも思いました。

繰り返しになりますが、ホントに切ないです。感動したとかそういうんじゃなくて、心が揺さぶられた、という感じですかね。。。


切ないけど、おすすめです!!



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〈一言目メモ〉

60分弱だと短くて物足りない感じも有りますが、この長さだからこそ良さがありますね(^_^)



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