【勝手に現代語訳】三遊亭円朝作『怪談牡丹灯籠』第7話(全22話)
七 飯島家にては忠義の孝助が、お國と源次郎の悪だくみの一部始終を立ち聞きしてしまいました。孝助は自分の部屋へ戻れ、もうこれまでと思い詰めました。姦夫と姦婦を殺すよりほかに手段はないと忠心一途に思い込み、たとえ俺は死んでもこのお邸を出まい、殿様の命に別条のないようにしようと決め、具合が悪いと引きこもっておりました。
翌朝になりますと殿様はお帰りになり、残暑の強い時分でありますから、お國は殿様のそばで出来たてのお供えにするかのようにうちわを扇いでおります。
「お殿様、ご機嫌