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舞台・展覧会鑑賞記

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完全に自分の好みに偏った鑑賞記。舞台はダンス、展覧会は日本のもの、古いもの多めです。
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家族のセレモニー&イベントのプロデューサー+ダンス好きが東京オリンピック開会式・閉会式を見てみたら

家族のセレモニー&イベントのプロデューサー+ダンス好きが東京オリンピック開会式・閉会式を見てみたら

東京オリンピックの開会式・閉会式がすったもんだの末に行われました。
小さいながらもセレモニー&イベントを取り仕切る仕事をしているのと、ダンス好きとしてパフォーマンスがどんなものになったのかという興味とで、どちらもTVで視聴したので、それについて書いてみました。

演者の皆さんはとても素晴らしかったです!
前日まで(いや当日までか)きっと大変だったことでしょう。
まずはねぎらいを込めて、そして誤解の

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待ってましたの『国宝鳥獣戯画のすべて』展@東京国立博物館

待ってましたの『国宝鳥獣戯画のすべて』展@東京国立博物館

再開された『国宝鳥獣戯画のすべて』展に行くことができました!
緊急事態宣言で、また休館のまま閉幕してしまうのか……と半分諦めていましたが、会期延長と毎日夜間開館というありがたい措置が。
人気の上に残り少ない開館日数とあって、チケットを取るのは少々大変でしたが、無事に鑑賞できてよかった。

最も楽しみだったのは、絵巻を全編通して見られるという点。
絵巻の場合は大概が一部分の展示で、前後がどうなってい

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明治~昭和初期の花嫁衣裳

明治~昭和初期の花嫁衣裳

2019年に横浜「シルク博物館」で開催された「シルクのシンフォニー ー染と刺繍の輝きー」展から。
現代の作家の作品から、古い時代の資料的価値を持ったものまで、幅広く見ることができました。

古い時代の花嫁衣装は白・黒・赤の三色揃い袖。
こちらは鳳凰と桐をあしらった留袖です。

花嫁衣裳 三枚襲留袖(1926年)

上着:黒に菊、中着:赤に竹、下着:白に梅がそれぞれに描かれています。

驚いたのが次

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画家が見たこども展@三菱一号館美術館

画家が見たこども展@三菱一号館美術館

ナビ派の画家による、子どもが描写されている作品だけを集めた、ユニークな視点の展覧会。
三菱一号館美術館の開館10周年記念展覧会で、フランスのボナール美術館との共催でもあります。
何かと不安を感じる状況下で、子どもたちの表情が想像以上に癒しをくれます。

展覧会で配布されている「みどころガイド」によれば、西洋においては子どもは「不完全な大人」と見なされていたのが、哲学者ルソーの著作『エミール』(17

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特別展きもの@東京国立博物館

特別展きもの@東京国立博物館

絶対に見たいと思っていた展覧会、行ってきました。
中止になってしまうのでは、と案じていたので見られて本当に嬉しいです。

小袖=きものという括り現代では「着物」と言えば和装全般を指しますが、この展覧会では現代の着物の原型である「小袖=きもの」と考え、小袖から後の歴史を辿る構成でした。
日本の衣裳と考えれば着物の括りに入るはずの、いわゆる「十二単」は、袖口を縫い留めない「広袖」であり、袖口の狭い「小

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上村松園と美人画の世界@山種美術館

上村松園と美人画の世界@山種美術館

山種美術館で行われている、松園さんの全作品を中心に、美人画の収蔵品の展覧会です。
上村松園女史は私の大好きな日本画家。
美人画の美しさ、その細やかさに魅了されます。
着物や装飾品、髪型や化粧など、描き込みが本当に細かくて、男性でももちろん細かく描かれてはいるのですが、女性だからこその精細さのようなものを感じます。

上品さも松園作品に持つ強い印象。
さわやかな色気というか、男性が描くものの色気とは

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印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展@三菱一号館美術館

印象派からその先へ―世界に誇る吉野石膏コレクション展@三菱一号館美術館

2020年が始まりました。
2019年はこれまでに増して展覧会を見に行ったのに、なかなか書き残せておらず。
いつもギリギリ観覧だからでしょうか……。

こちら、まだ会期が残っている展覧会です。
詳しい方も詳しくない方も楽しめるはずです。

この展覧会はバルビゾン派、印象派からキュビズム、エコール・ド・パリまでの絵画の変遷に沿った展示内容で、何よりコレクションが実にゴージャス。
よくこれだけのライン

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マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展@三菱一号館美術館

マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展@三菱一号館美術館

美しいプリーツドレスが中央に置かれただけの、実にシンプルなポスターやチラシ。
それに惹かれて、始まったら見に行こうと思っていた「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」に行きました。

でも、マリアノ・フォルチュニって?
約100年前の、幅広い方面で才能を発揮した人だそう。

「デルフォス」という、繊細なプリーツとトンボ玉を使ったドレスのデザイナー。
それが最も有名な彼の肩書で、コルセットをし

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