記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

だれかのいとしいひと/角田光代


角田光代さんの短編小説集
「だれかのいとしいひと」を拝読しました📖´-
(2024,10,8 読了)


夜宵読書倶楽部の読書会テーマが「角田光代」作品ということで、何を拝読しようかと迷った末に本書を選択しました。決めてはもちろん装画が酒井駒子さんだったから。
角田光代さんの作品をきちんと拝読するのは今回が初。
なんとなくこれまで避けていたというか、正直あまり興味がなかったのですが、良い機会なので購入してしっかり拝読することにしました。まぁ、駒子さんの装画だからいつかは購入していたのでしょうけれど。


生き方も恋愛にも少し不器用な男女を描いた物語が八話収録されている短編集です。
恋愛モノはあまり興味がないのですが、本書は不思議とスルスル拝読できました。
角田さんは私が先に拝読した「尾崎翠」作品にも大きな影響を受けているそうで、どことなくそれを感じれるような気もしました。
私、どうも不器用な人たちを好んでしまうのですよね。目が離せなくなる、自分事のように見てしまう。
そう……自分も不器用だからなんでしょうね。



本書では「花畑」という物語が特に好きでした。
家族にも恋人にも裏切られ、友人もいない状態で生きることを見失いそうになる主人公。でも希望のあるラスト。
自分と重ねたときに全然環境や状況は違うのだけれど、グイッと感情を持っていかれました。


角田光代さんといえば受賞暦も多く、ファンも多い長年愛される作家ですよね。その理由はやっぱり拝読して初めて分かりました。
上手くは表現できないけれど、登場人物一人一人の心情描写が素晴らしい。


こんなにもいやなことだらけだというのに、こんなにもまいっているというのに、あたしはまだ、何かを見て、きれい、などと感嘆の言葉をつぶやくことができるのだ。

「花畑」より


私もこんな風に確認することあるなぁって。
「花畑」の主人公ほどではないけれど、それなりにいやなことだらけになった時期もあります。生きているのがいやになってしまったこともあります。
でも、ふと綺麗なもの素敵なものに目を向けて素直に感じれる自分がまだ在ると感じれたら先を生きる勇気になりました。
そして、そんなことを少しずつ経験し乗り越えてきた今、生きることをだいぶ楽しめるようになりましたし、いやなこともかなり減ったように思います。
だから大丈夫、大丈夫なんだよと「花畑」の主人公と語らいながら本を閉じたのでした。



読書会に参加して他の「角田光代」作品のご紹介を聴き、もっと深掘りして行きたくなりました。
次は代表作を拝読してみようかしら。



ここで急に告知しますが、私もオンラインで作家(翻訳家)縛りの読書会を定期的に主催しています。
次回は「いしいしんじ」作品。
これまで拝読してこなかった作家を知る良い機会にもなりますし、元々好きだった方も存分に好きな気持ちを語れる楽しい会なので、よろしかったらぜひご参加ください。


読書会すみれ



プロフィールと他の記事はこちらからご覧になれます。


他愛ない雑談はこちらから🤗


#読書 #読書感想文 #読書エッセイ #読了  #本のある暮らし #角田光代 #だれかのいとしいひと #文春文庫 #短編小説 #夜宵読書倶楽部 #読書会すみれ #読書会 #ネタバレ

いいなと思ったら応援しよう!

菜穂☽︎‪︎.*·̩͙‬
よろしければサポートお願いします🙈 いただいたサポートはより良い読書エッセイを書いていくために積読家活動に活用させていただきます😳