はなのすきなうし/マンロー・リーフ、ロバート・ローソン(絵)、光吉夏弥(訳)
マンロー・リーフの絵本
「はなのすきなうし」
を拝読しました📖´-
(2024,10,23 読了)
前に本書のことを翻訳家・田内志文さんがXで投稿してあって、どんなものか興味があったので購入し拝読しました。
私はこれが初読だと思っていたのですが、母に聴いてみると子供の頃しっかり読んでいたそうです。私の記憶力……
気を取り直して、田内さんが最高だとおっしゃる絵本に期待して読み始めます。
ちょっとおとぼけな絵がかわいくてとっつきやすいです。
毎日毎日ひとりで自分の好きな場所で花のにおいをかぐ子牛が主人公。
他の子牛たちは憧れの闘牛になることを目指しているのに主人公は全くそれには興味を示さず、ひとりで好きなことをして静かに好きな時間を過ごしていました。
そんな主人公がひょんなことから闘牛として連れて行かれることに……
周りに流されることなく、マイペースに自分を貫く主人公。その姿が凄くいいなと思いました。
途中で友達の子牛たちの輪に入らない我が子をお母さん牛が心配するのですが、我が子の言い分を聴いてしっかり受け止め温かく見守ってくれるのも素敵です。
「こうでなければならない」と大人は言いがちですが、お母さん牛は全くそんなこといいません。
また、主人公が成長しつつもマイペースを貫くのだけれど他者に不快感を与えたりはしません。
徹底して好きなことをして過ごす主人公はとても頼もしく、私も今特に見習いたいところです。
しかし途中でプチ事件があり、主人公は闘牛として連れていかれることになるので、もうどうなってしまうんだろうとハラハラドキドキ。
闘牛になったらどうなるのかということも読者にはわかっているのですよ。知らないのは牛たちだけ。
なんだか、色んな教えが詰め込まれた作品だと思います。
カッコイイという表向きに見えている情報だけで闘牛になりたがる牛たちはまるで群集心理のようです。自分の考えというものを持たない恐ろしさを改めて実感します。
今なおこの作品は読んでいくに相応しい作品だと思いました。
少なくとも私は、今この作品に出逢えて(再会)できて幸せでした。
私は田内さんに影響を受けることで自分ならば出逢えなかったであろう作品にたくさん出逢えているのでした。
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