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戦場のコックたち/深緑野分






初読みの作家 #深緑野分 さんの
『 #戦場のコックたち 』を拝読しました。
こちらは、読書好きが集まるオプチャでオススメしてもらった一冊です。




料理系のお話が好きな私にピッタリということなので読み始めましたが。。。
主に戦争のお話で、料理らしい料理は少ししか出てきません。


それでも、なぜか話に引き込まれあっという間に読了し、深緑野分さんの凄さを痛感しました。
なかなかの文字数である本書を2日で読了したのは、私にしては速い方。
さすが、色んな賞の候補に何度も上がる作家さんだなと思いました。



本書は、第二次世界大戦時にアメリカに実在した組織をモデルにし、ヒトラー率いるナチス軍と戦いながら兵士たちのお腹も満たすコック兵たちを中心に描かれたフィクションの小説です。
そして、戦場の中で時折起きる不可解な謎を解いていくミステリー要素も含まれています。


私は、元々すぐに感情移入してしまうので、フィクションの小説でも泣いてしまうことは多々あるのですが、本書はこれまでのフィクション小説より遥かに強く感情移入してしまい、フェイスタオル1枚必要なくらい号泣しながら拝読しました。


なぜなら、まるで戦場を体験してきた人が書いた手記のようでとてもリアルに感じたからです。
その要因は、著者の取材力だと思います。
こんなにも読者が鮮明にイメージ出来るほどリアルに描けたのは、多大な取材の賜物でしょう。
ここに著者の凄さを再び思い知らされました。




戦争が人間にもたらしたものは絶望や恐怖。
気の知れた仲間たちが次々に死んでゆき、何が善で何が悪なのかという疑問を抱きつつ戦わねばならない主人公たち。
終戦し、生き延びた者たちは一見幸福にも見えますが、人知れぬ闇を抱えて生きてきたことも伺えます。


主人公ティムに親友のエドが掛けた言葉も印象的でした。
『ティム「悪気はなかった」は誰にでも言える。ただその屈託と恐怖心をどうするかだ。克服するもしないも、お前自身が決めなければならない。
いつ死んでも後悔しないように。』



本書を読んで、自分の悩みがちっぽけなものに思えました。
そんな中でも、覚悟を決めることの重要さを本書から学び得たように感じます。
ありきたりでチンケな感想になりますが、やはり二度と戦争は起こしてはならないとも思いました。



全体的に悲しく苦しくトラウマになりそうなお話ではありますが、主人公が幼い頃から夜な夜な読んで暗記している祖母の書き残しているレシピはとても美味しそうでしたし、最後にはホッコリできるエピソードもあったので、読了後に救われました。


深緑野分さんの作品は、他のものも拝読してみたいです。











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