ちっちゃいでんきはけさずにいるね。
※今日の記事はかなり重たい上に、人によっては辛い思いをさせてしまうかもしれません。ご注意ください。
また、昨日のつぶやきにスキやコメントしてくださったフォロワーさん、ありがとうございました。私は元気です。気持ちを整理するためにもこの記事を書きます。
部活のためにそろそろ家を出ようと準備していた土曜日の午後のこと。
とても、とてもつらいニュースが飛び込んできました。
大好きなイラストレーターさんの訃報。
「あざらしさんスタンプ」という人気のLINEスタンプはご存知でしょうか。私がスマホを持った頃から愛用してきたスタンプなのですが、グレーさんはその作者の方です。
有名人アカウントによる文字が並んだ画像のみのツイートあるある。冠婚葬祭あるいは不祥事。ですがここ1ヶ月ほど音沙汰がなく、ツイートを通して闘病生活を見守ってきたフォロワーはすぐに察してしまえたことでしょう。
突然の報せ。でもどこかで予期していたこと。現実になってほしくなかったこと。無機質な文字をぼんやりと眺めながらもしばらく気持ちが整理できず、昨日一日は不安定な情緒のまま過ごしていました。
ただ、この思いは言語化しておきたいと考えたのも事実で。今書かずにいつ書くんだ、薄れてしまう前に形にしておかねば。そんな思いで今、これを書いています。
スタンプだけでなく、グレーさんはあざらしさんというキャラクターを通してあたたかなメッセージを込めたイラストを描かれる方で。私もそのイラストに癒され励まされてきた一人でした。
ご自身も長い闘病生活の中で、たくさん苦しい思いをされてきました。たまにTwitterで辛い気持ちを吐露されることもありました。何度も何度も「生きたい」「死にたくない」とツイートされていて。グレーさんの描くあざらしさんは、そんなグレーさん自身へのエールでもあったんじゃないかなと思います。
今回この記事を書くにあたって、グレーさんのツイートを少し遡りました。その中で目に留まったツイートがあったので、勝手に引用させてください。
今年の2月に主治医の先生に死ぬ可能性があることを知らされたグレーさん。グレーさんのイラストレーターとしての活動を応援する一人でもある先生から、遠回しに最後の絵を用意しておかなくていいのか、ということを言われます。
まさか死ぬかもしれないレベルで体が悪くなってると思ってなくて、動揺とか恐怖とか不安とかでグルグルしてた頭が、その言葉で急に一直線に集中して「私が終わらせるわけにはいかないんです」って口からでてた
「私が終わらせるわけにはいかないんです。はい、これで最期、お別れ、バイバイ、ってしたら、わたしが死なせてしまうんです。仮に私がもう描けなくなって、最後のイラストがどれになっても、誰かにとって励ましだったり癒やしだったり家族だったりしてくれれば、ずっと残るんです」
なんかそんなのが、ほとんど考えるとかもなく口からだーっと溢れて出てきたんだよね。言いながら、あぁそうだそういうことだったね 自分でも納得してた。
どうしようもない思いに駆られました。グレーさんが創作にかける思い、あざらしさんに託したメッセージ。そういう大きな思いが一気に押し寄せてきて、何も言葉にできない感情に襲われました。
亡くなる1ヶ月前のツイートにもその思いが溢れていて。今となってはこのツイートが遺言のように思えて泣きたくなるのですが、これこそがグレーさんのクリエイター魂だったんだと思います。
亡くなるちょうど1週間前のイラストが最後となりました。
けれど、これで終わり、さよならだなんてグレーさんは言いませんでした。北海の魔獣あざらしさんは、スタンプやグッズとして今もこの世界で生き続けている。だからあざらしさんは終わっていないし、グレーさんの命もそこに在り続けると思うのです。グレーさんは最後の最期まで、クリエイターとしての命を全うしたのだと思います。
今年の5月に31歳になったグレーさん。約10年間の闘病生活。つまり、今の私ぐらいの頃に病気が発覚して、今まで闘ってこられたということになります。そう考えると他人事とは思えないというか、人生何があるかわからないというか。うまく言えない、でも、うまく言えない気持ちも全部、今ここで形にしたかった。
何がなんでも生きようと思います。そして創作を、表現することをやめたくないと思います。私だってこの先何が起こるかわからない。それでも創作できる体がここにある限り、顔も知らない名前もわからない誰かのために何かを届けられる私でいたい。
グレーさんの分も、なんて図々しいかもしれないけれど、あなたに救われ奮い立たされた創作者もどきの端くれがここにいるんだよってことを、お空に向かって伝えたいです。
グレーさん、あざらしさんのお母さん、今までありがとう。お疲れ様でした。月並みな言葉でしかないけれど、今頃お空で楽になって素敵なイラストを描いていることを祈っています。
最後になりましたが、グレーさんが同じ境遇で苦しむ誰かのためにと残しておいてくれたnoteがあるので、ここで共有させていただきます。