【素読】 無門関 第三十則 即心即仏《そくしんそくぶつ》

自分のことは、自分が一番よく知っている。嘘がつけない。

どんなに着飾っても、自分には嘘がつけない。最後は結局、全てが自分に降りかかってくる。死ぬ間際になって、いまさら後悔しても、はじまらない。

無門関 (岩波文庫 青 312-1)

　　無門関　第三十則　即心即仏そくしんそくぶつ
　
　馬祖ばそ、因みに大梅だいばい問う、「如何いかなるか是これ仏」。祖云く、「即心是仏そくしんぜぶつ」。
　無門曰く、「若もし能よく直下じきげに領略りょうりゃくし得え去らば、仏衣を著つけ、仏飯ぶっぱんを喫し、仏話を説き、仏行ぶつぎょうを行ぎょうずる、即ち是れ仏なり。是かくの如くなりと然雖いえども、大梅、多少の人を引いて、錯あやまって定じょう盤ばん星じょうを認めしむ。争いかでか知道しらん箇この仏の字を説けば、三日みっか口を漱そそぐことを。若もし是れ箇この漢かんならば、即心是仏と説くを見て、耳を掩おおうて便すなわち走らん」
　頌に曰く、
　青天せいてん白日はくじつ、切せつに忌いむ尋覓じんみゃくすることを。
　更に如何いかんと問えば、贓ぞうを抱いて屈くつと叫ぶ。　

書き写し用のテキスト

無門関第三十則.pdf

43.4 KB

ファイルダウンロードについて

ダウンロード