[現象編]離水って、なにそれおいしいの?
お菓子作りでみんなぶつかる失敗についてのお話です。
今回のテーマは、離水。
見習いパティシエ、真白けいと共に学んでいきましょう。
お菓子作りの「離水」
みなさん、[離水][離水とは]ってググってみてください。
…飛行機の話が出てきます。
しかも、[離水とは お菓子]で検索しても全然言葉の定義が出てこない!
もしや、これってお菓子に関わる人たちだけが使う言葉なのかな。って思ったのでまず言葉の意味を定義しておきます!
もっと簡単に言えば、
という意味でパティシエは使っています!
ポイントは、元々含まれてた水が出てきて欲しくないのに出てきてしまう、ということです。
離水が起こってしまう状況は、大体いつも次の3つです!!
メレンゲの離水
もっとも多くあるとされるのが、
メレンゲの離水です!
メレンゲとは、さらっと言うと、卵白に砂糖を加えて泡立てたものです。
詳しくはこの記事を見てみてください!
とにかく、僕みたいにお菓子への造詣が浅いヤツは、普通にルセット(レシピ)見て泡立ててただけなのに、気づいたら何故かお水が滲み出てきてるんです!
これが起こる時は5パターンあります。
多すぎると思った方、安心してください。
根本を突き詰めていくと、原因はただ1つだけです!
難しい!
ただ、それが起こるのがさっきの5パターンだとわかったら、しっかり理解せずとも雰囲気で大丈夫です!
では防ぐ方法は、
さっきの5パターンの逆をやりましょう!!
つまり!!
ってことです。スパルタ過ぎますか?
でもお菓子作りの主役はお菓子ですから。
ここはがんばりどころです!!
なんで砂糖を増やすのかは以前一緒に勉強しました。忘れてしまった方は振り返ってみてください!
生クリームの離水(クレーム・フエッテ、クレーム・シャンティイ)
こちらはメレンゲより少しやさしいです。
起こるパターンは3種類、メレンゲの時の①〜③です。すなわち、
泡立つ原理もよく似ていて、メレンゲの時のタンパク質が乳脂肪に変わるだけです。つまり、
卵白の中のタンパク質より生クリームの中の乳脂肪の方がたくさんあり、タンパク質より硬くなる力も弱いため、メレンゲの時の④、⑤では起こりづらいようです。
乳脂肪などについてはこちらを見てみてください。
ではどうしたらいいか、それは…
です。砂糖の量がどのくらいが一般的なのかはこちらで勉強しました。
なお、生クリームについては「離水」ではなく、ただ単に「分離」ということもあります。
ゼリーの離水
ここでのゼリーとは、ゼラチンやペクチンなどの凝固剤で液体をゲル状に固めたもののことを言います。
ゼリーの場合はメレンゲや生クリームの時とは少しテイストが違います。ゼリーには泡立てる操作がないからです。
だって元々は泡立てで掻き乱すから起こっちまうってことでしたよね?そうじゃないんです。
まずは、そもそもなんでゼリーは固まるのっていうおはなしです。
いちいち難しい!
まあだから、一旦解散して、別々の場所からまた集合!ってことかな。
では、よく起こるパターンは?
う、うそだ…。凝固剤が、多いパターンも少ないパターンもあるだと…!!
これは実は、(a)(b) と (c)(d) でそれぞれ原因が違うからです。
網目状の組織がしっかりできすぎてても、できてなくてもダメなんですね。
なぜ砂糖が少ないことが離水の原因になるのかは砂糖の記事の[親水性]を見てください。
ここからは解決法!
例によって例の如く、逆をやってください!
とはいえ、凝固剤の量をどうするかという話があるんですが、ゼラチンの場合は液体量の約1〜2%を加えるのが目安です。ただ、色々な凝固剤あるので、加減は試してみてください。
ということで、
あ!ごめんなさい。(c)'ゲル化してから冷凍!って言いましたが、常温で固まるものもあったり、冷凍しちゃいけなかったりする凝固剤もあるので、お使いの凝固剤の説明をよく読んで従ってください。
というわけで今回は以上です!
※この記事は上記の参考文献をもとにわかりやすくイメージを交えて執筆したものです。現在の科学での見解や、主観に基づく部分は細かいニュアンスが異なっている場合があります。また、新たな事実を勉強し次第追記・編集する場合があります。ご了承ください。
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