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人材育成の国際会議としてよく知られているATDのアジア地域でのカンファレンス「ATD-APC(Asia Pacific Conference)」(開催期間:11/5-6)に参加してきました。ATDの本部があるアメリカで毎年開催される「ATD-ICE」には日本からも多くの方が参加されていますが、なぜかアジア版のATD-APCには例年、日本からの参加者はごく少数で、2014年から台北で開催されて今年で6年目ですが、すべてに参加した日本人は私と同僚の2名のみです。本場アメリカとは違ったアジアならではのダイナミックさや親近感もあり、毎年、非常に学びの多い大会です。

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今年のキーノートスピーチは、HRの業界では良く知られているDr.Britt Andreatta氏、世界的半導体メーカーのTSMCのFounderのMorris Chang氏、ADOBE、Twitter、WeWorkでHead of Talentを歴任したMelissa Daimler氏
また、openingセレモニーには、台湾のVPである陳建仁氏も挨拶する等、例年になく国としても力を入れている感が伝わってきた印象的な大会でした。

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ここ数年のATD-APCは、デジタルトランスフォーメーション(DX)のAIインパクトといったテーマがトレンドでしたが、今年はそうした環境認識の重要性に加えて、DXへの具体的な対応プロセスやAIを活用した具体的な事例が紹介される等、アジアの中でもDX対応が一歩進んだ印象でした。

個人的に最も印象的だったのが、ソウル大学のDr.Chan Lee氏のセッションで、Chan氏は、韓国の大手ダイエットコンサルティング企業であるJUVIS GroupがAIを活用してコアバリューを再定義した事例をわかりやすく紹介してくれました。またその中でのHRが果たしていく役割を
Job Analysis → Job Mapping → Job Redesign → Job creation  
という4つのプロセスにて具体的に説明し、AI活用というと、単に効率化とか人の仕事の置き換えのための活用イメージが強いですが、「AI導入後はこんな新しい仕事が生まれるぜ!」という内容も興味深いメッセージでした。

その他、印象に残ったセッション、キーワードを少しだけご紹介します。(中国語オンリーのセッションは台湾の友人からスライドをゲット)

◆Amy Cheng氏(Head of HR, Microsoft Taiwan)
 →ここ数年で完全に復活を遂げたマイクロソフトのHRでの取組みの話。 
 ・Digital transformation = People transformation = Culture transformation
 ・グロースマインドセットの重要性!
 ・徹底的なデータドリブンの文化を目指す!

Riikka Lahtinen氏
 (Director of Tampere LUMATE centre · University Lecturer at Tampere
 University)
 →フィンランドのSTEAM(※)教育の話
 ※Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics
 フィンランドは1960-70年代に政治的判断により教育改革がスタートし、
 ・大学まで授業料無料。食事も無料提供
 ・性別、住むところ、財力は関係なく、万人に教育の機会を与える
 といった方針の下、教育に力を入れてきた歴史があり、2013年には、  
 「LUMA Center」というSTEAM教育促進の支援組織を設立。単に教育プ
 ログラムを考えるということだけでなく、先生の生涯学習を支援すること
 も役割とのこと(→この発想が素晴らしい!)。

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◆Melissa Daimler氏
 (Principal, Daimler Partners · Former Head of Talent at Adobe, Twitter
 and WeWork)

 →Melissa氏がこれまでの組織において、「Connector」として、「戦略」
  と「学び」と「文化」をどうつなげてきたかの話。
  ちなみにAdobeはvisionで、Twitterは「Tea time」とか「Employee
  Experience」の共有がキーだったとのこと。

最後に「おっ?」と思ったことを一つだけ。Dr.Britt Andreatta氏のセッションのだったと思うのですが、QAタイムの際に、出席者から「心理的安全性」についての質問がありました。特にプレゼンの中で「心理的安全性」について触れたわけではないのですが、日本ではかなり一般的に知られるようになってきた「心理的安全性」が、こうしたカンファレンスでもフツーに出てくるというのは、グローバルなキーワードとしてもかなり浸透してきているということを再認識した瞬間でした。

ATD-ICEには行きたいけど、時間やお金が・・・という方は、まずはATD-APCに参加してみるのはいかがでしょうか? 世界を身近に感じられる第一歩としてはとても踏み出しやすい大会です。(もちろん食べ物もおいしい!)

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