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時代小説集

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股旅もの「旅鴉餓鬼地獄」、シナリオ「宮本武蔵 鬼子母神の巻」、以後「畜生国訪問記」「吸血鬼光源氏」「水戸黄門古墳漫遊記」などを予定。 不定期更新。
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記事一覧

スピンオフ掌編小説「水戸黄門余話 世直しの壺」

 話にはまだ続きがあった。 「ところで、水戸黄門のやった世直しというのはどこまで本当なん…

連載小説「水戸黄門 千手殺人事件」(5)(終)

   5  藤井紋太夫の墓があるというので訪ねてみた。  場所は水戸藩邸跡の小石川後楽園…

連載小説「水戸黄門 千手殺人事件」(3)

   3 「あらましはわかった。次は背景だね」とわたしは言った。「藤井紋太夫ってどういう…

連載小説「水戸黄門 千手殺人事件」(2)

   2  さしあたって、わたしが図書館から借りてきたのは、次の二冊だった。  鈴木一夫…

連載小説「水戸黄門 千手殺人事件」(1)

   木本 博喜 (Hero)氏に捧ぐ    1 「何だって? 水戸黄門が起こした殺人事件を洗い…

『徳川六代 馬 将軍』連載第六回

第一話 イェド、仲間たちとフウイヌムの国を出、ヤフーの国に到着する(承前)    わたしを…

『徳川六代 馬 将軍』連載第五回

第一話 イェド、仲間たちとフウイヌムの国を出、ヤフーの国に到着する(承前) 軍馬にもなれない、種馬にもなれないわたしは、疵馬として、払い下げられることになりました。売られた先は農家でした。農家にもいろいろありますが、貧しい水呑み百姓の家。甚吉夫婦に娘ふたり、息子ふたり、それに甚吉の年老いた母の七人暮らしでした。さらに、コゾウと呼ばれるウマもおりました。  ちょうど田植えの時期で、わたしとコゾウは馬鍬と呼ばれる農具を引っ張って水田の土をかき混ぜる代掻きという作業をやらされました

『徳川六代 馬 将軍』連載第四回

第一話 イェド、仲間たちとフウイヌムの国を出、ヤフーの国に到着する(承前) 春になって、…

『徳川六代 馬 将軍』連載第三回

第一話 イェド、仲間たちとフウイヌムの国を出、ヤフーの国に到着する(承前) わたしたち―…

『徳川六代 馬 将軍』連載第二回

第一話 イェド、仲間たちとフウイヌムの国を出、ヤフーの国に到着する わたしの生まれたのは…

新連載『徳川六代 馬 将軍』連載第一回

序 イギリス人レミュエル・ガリヴァー、江戸城で将軍に謁見する 一七〇九年五月十二日、ラグ…

シン・ガリバー旅行記 日本訪問篇

                            まさきひろ  著者(レミュエル・…

小説『しつかなる時をもとめて』

 静けき林霧(りんむ)の底で、わたしは絵絹(えぎぬ)と向かい合っていた。手に握られた筆は…

源氏物語 第六帖『末摘花』(ポストモダン訳)

『源氏物語』の現代語訳は、解説込みのせいか、長さが原文の二、三倍にもなり、また文章も格調高い美文で、とっつきにくい印象を受けます。 しかし、読んでみると、意外にもセルバンテス『ドン・キホーテ』と似て、ポストモダン的で、その面白さを伝えられればと、試しに訳してみます。訳の精度は低いですが、雰囲気が伝わりましたら。 源氏物語 第六帖『末摘花』(ポストモダン訳)                 紫式部/ポストモダン訳 まさきひろ 光源氏十八歳春正月十六日頃から十九歳春正月八日頃