構造化することで、正解のない問題を解いてみる(1) 正しい分類方法とは?
今回はちょっと趣向を変えて、実際に、ある対象を「構造化」してみましょう。
運動やモノづくりに技術があるように、構造化にも「構造化の技術」があります。
これはとても重要なことです。「技術」が存在するのであれば、訓練によって身に付けられるからです。
つまり、正解のない問題を解くための技術が存在するということです。
今回学ぶのは、構造化の基本中の基本である「分類」です。
分類する対象は、自動販売機で売られている飲料です。まずは前提条件なしに飲料を分類してください。
Thinking time …
さて、皆さんはどのように分類したでしょうか。
分類するには、何らかの思考ロジックに基づく「着眼点」が必要となります。「そんなこと気にしなかった」とおっしゃる方も、実は、何らかのルールに基づいて分類している筈です。
例えば、Aさんの着眼点は温度です。
暖かい飲料 ホット缶コーヒー、ホットカフェオレ、ホット紅茶、ホットココア、
ホットのお茶、スープ
冷たい飲料 缶コーヒー、カフェオレ、紅茶、ココア、お茶、果物ジュース、炭酸飲料、
スポーツドリンク、栄養ドリンク
Bさんは容量に目を付けて分類しました。
大容量 500ml ペットボトル飲料
小容量 300ml ペットボトル印象、350ml 缶飲料、200ml缶飲料、栄養ドリンク
そして、Cさんは時間帯に着眼しています。
朝用 微糖コーヒー、カフェオレ、果物ジュース、栄養ドリンク
昼用 炭酸飲料、スポーツドリンク、お茶、スープ
夜用 ブラックコーヒー、紅茶、ココア
これらの分類をよく見ると、着眼点は2つに分類できることに気付きます。すなわち、「消費者目線」の着眼点と「売り手目線(=ビジネス目線)」の着眼点です。
「消費者目線」の着眼点(例)
容量
缶 / ペットボトル
アイス / ホット
販売価格
飲料メーカー
種類(コーヒー、紅茶、お茶、炭酸飲料…)
「売り手目線(=ビジネス目線)」の着眼点(例)
朝用 / 昼用 / 夜用
男性好み / 女性好み
大人好み / 子供好み
製造原価率
地域別の特性や販売量
担当部署
もし皆さんが飲料メーカーのマーケティング担当なら、どのような着眼点で分類するでしょうか。
飲料の販売金額を最大化するため、消費者目線と売り手目線の両方から、最適な飲料の組み合わせを考えるはずです。
例えば、「有名企業が集まるオフィス街の割にコンビニエンスストアが少ない地域なので、大型の自動販売機を設置し、1本当たりの利益率が高い本格ボトルコーヒーで勝負しよう」という発想は、自分が有名企業のビジネスマンになったつもりの「量や価格よりも質を、清涼飲料水よりはコーヒーを、缶よりはボトルをとるはず」という消費者目線の着眼点と、地域特性と製造原価率という売り手目線の着眼点から商品を分類しています。
このように、「分類」という作業は極めて基本的でありながら、極めて有用なツールなのです。
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