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さみしい夜にはペンを持て

素敵な表紙に惹かれて借りた本。

内容は全然知らなかった。

読んでみると対話形式の自己啓発本のようだった。

主人公中学3年生のタコのタコジローくん。

タコジローくんが辛くて消えたいと思った時、出会ったヤドカリのおじさんに『書く』ということの大切さを教えてもらう。

初めは書くことや自分の言葉をうまく伝えることができなかったタコジローくんだけど、『書く』という行為を通じて『書く』ことが好きになっていく。

簡単にいうとこういうお話。

この本を読んで、私が1人でやってきたことが書かれているなと思った。

調子乗っていると思われるかもだけど。

私も消えたくてたまらなかった時にたくさん書いた。

最初は書き殴り。

とにかく自分の考えていることを吐き出したかった。

そしてその後に文章にして書いていく。

そうすると自分は本当はこんなことを思っていたのか、私の怒っていた原因・悲しかった原因ってトラウマだったんだなと気づくことがたくさんあった。

そんな学生時代を経て、社会人になった今もほぼ毎日書いている。

理由はやっぱり書くことが好きだから。

書くことによって私の解像度が上がるから。

私は自分のことがまだまだ分からない。

それにずっと嫌いだった。

でも書いて書いて、それを後に読んで、私ってすごく考えてるんだなと思った。

同時にそんな悩んできた自分が愛しく思えた。

辛く苦しい中誰にも話さず、自分の中で解決しようとしてきたこと。

えらいと思う。

人に迷惑をかけないように、自分1人でちゃんと解決策を見つけようとしてきた自分も、書いてきたから出会えた。

ううん、寧ろ書こうとしていた時から私は自分1人で解決しようとしていたのだと思う。

そんな自分が誇らしいし、そのおかげで人よりは長い時間かかったかもしれないけど、自分の感情のコントロールができるようになってきた。

といっても、コントロールできない日もある。

そんな時は過去の自分が助けてくれる。

なんでも書いてるから😂

感情的な日も、それを解決した日も、嬉しかった日も。

どんな感情も書いてきた。

学んだことも書いてきた。

だから私は自分が自分を助けられることを知っているのだと思う。

そんな自分の過程を思い返すような本だった。

自分が学べることはないかな、改めて自分を振り返られて素敵な本だななんて、ちょっと離れた気持ちで楽しい読み物として読んでいた。

でもネガティブな感情の書き方と、嫌いな自分への書き方に学びがあった。

ネガティヴな感情の時は、いまの感情として書かないこと。

『「はらたつ!」と思った。』

こんな風に過去形にする。

確かに今思っていたとしても、こう書くことによって遠い感情を俯瞰している感覚になる。

これは私にとって大きい学びだった。

こないだ私は腹立って腹立って仕方なくて、ゆるく書いたけどすこし言葉が荒くなったと思う。

そして言葉にして自認することで余計に腹が立った。

すっきりはした。

だけど感情が増幅したのも事実。

これを過去形にして書けば、すっきりするし俯瞰で見ることができる。

いい学びを得た。


そしてもう一つ。

嫌いな自分を書く時、主語を一人称から三人称に変えること。

これは考えたこともなかった。

良くも悪くもいつも自分の中だけで完結していたから、主語を変えるという方法は思いつかなかった。

この間も自己嫌悪で辛くて辛くて、自分に対してだったらどんな汚い言葉も投げてしまう。

でも脳は第三者から言われたのと同じ気持ちになってしまうから、余計に頭に残るし辛くなり嫌いになる。

自分で自分を傷つけることはやめたいのに。

だけどその主役を、私の愛しの人に変えたらどうだろう。

酷い言葉は投げかけられないし、同じ行動をしてても全部受け入れられる。

なのに側が私に変わっただけでどうしてこんなに許せないんだろう。

それは私に対して可哀想すぎる。

生まれてから死ぬまでずっと片時も離れずにいるのは私だけだ。

当たり前だけど、不思議だし面白い。

そんなずっとそばにいる存在を傷つけて幸せになれるわけがないんだ。

自分を傷つけがちな私に新しい方法を学ばさせてくれた。


この本が、私が自分で見つけてきた過程を説明してくれているのも事実だけど、やっぱりまだまだ学ぶ立場。

そんなことを教えてくれるから本って面白い。

そして改めて私が書くことの素晴らしさ、私にとってのライフワークだなと気づいた。

最後に、この本は主人公が中学生というのもあって、子供から大人まで理解しやすく読みやすい本でした。

小学生の頃から書くことしかできなかったからだけど、たくさん書いてきた私は、胸を張って書くことは大切だと言いきれます。

自分を知ることができるし、自分を理解すると他人も理解できる。

理解できなかったとしても、理解しようとする。

全ての感情の解像度を上げると自分も安定するから、大切な人に嫌な思いをさせなくて済む。

『書くこと』とだけ言うと、単純だけど、『考えて書く』ということを意識するだけで得られることは無限大です。

考えることが好きな人も、書くことをセットでするといいと思います。

私も自分が人生でやってきて良かったと思うことは、『書くこと』と『考えること』。

この二つが合わさるともっと素敵です。

『書くこと』が分からない、苦手な人こそぜひこの本を読んでみてください。

noteにはすでに書くことをしている人が多いけど、改めておすすめできる本です。

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