『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』を読み、あらためようと思った2つのこと
今日は『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』という本を読み、親としてあらためようと思ったことを2つ書きます。
2024年No.1の1冊
この本は今年読んだ本(11/18時点で133冊 )の中で最もインパクトある本でした。
長女が生まれたことにより、しばらくの間はゆっくり読書する時間が取れない(はずな)ので、残り1ヵ月半ほどですが、おそらく24年で1番よかった本になると思っています!
たかだか4年ではありますが、これまでの子育ての感覚を大きく揺さぶられるような感覚でした。
夫にも読んでもらい(ジブン時間が枯渇していると嘆いている中で悪いとは思ったのですが、頼み込みました)互いの感想を話し合ったくらいです。
はじめは図書館で借りて読んだのですが、何度も読み返したいので本屋さんで注文しました。
本で触れられている″4つの力″
学校での学びは教科書に沿った「想定内」の学びが中心ですが、これからの社会を生きていく子どもたちには「想定外」を生き抜く力が必要で、それらはテストでは測ることができない(「見えない学力」である)ということが序章から述べられています。
「想定外」を生き抜くのに必要なのは
・人を大切にする力
・自分の考えを持つ力
・自分を表現する力
・チャレンジする力
の4つで、これらの「見えない学力」は1人では伸ばせず、学び合いで育つのだと言います。
″正解″を言おうとすること
さて、この本を読んであらためようと思ったことについて触れていきます。
1つめは「正解を言おうとすること」です。
著者によれば大人が先に考えを出してしまったら子どもは何も言わなくなる、子どもの「自分の考えを持つ力」を奪っているのは大人だと言います。
よかれと思って自分自身の経験から親は正解を言ってしまいたくなりますが、正解を教えてしまえば、答えなき問いを問い続ける力など生まれないと。
子どもに対しては変化の激しい、答えのない時代を生き抜いていく力をつけてほしいとはなんとなく思ってきましたが、ではそのために家庭では具体的に何をするか? どうするか? というところがさっぱり考えられていなかったことにハッとしました。
本に出てきた例として、たとえば家でニュースを見ている時に「これ、おかしくない?」などとついつい感想を言ってしまいがちですが、そんな親の一言が知らず知らずのうちに価値観を植え付けてしまったり、正解を押し付けることになったりしているかもしれず、大切なのは子どもに「どう思う?」と聞くこととありました。
我が家はテレビのニュースはほとんど見ないため、このケースはあまりあてはまりませんが、たとえば自宅近くの道路(まあまあの交通量がある)で横断歩道のないところを渡っている高齢者を見て「うわ、危ない! ダメだよねぇ!」と隣にいる長男に言ってしまうことがあるので、親が思う正解を言葉にする前に「どう思う?」と聞くようにしなければいけないな、と学んだのでした。
失敗した時の手伝い
あらためようと思ったことの2つめは、子が失敗した時に子の意向を確認する前に手伝ってしまうことです。
我が家では失敗を恐れずにどんどんチャレンジしてほしいという思いから、子どもが何か失敗してしまった時は極力叱らずに「失敗は誰にでもあるよね」という声かけをした上で着替えを用意するなどのサポートをしてきました。
ところが本には、子ども自身が自ら失敗をやり直せるようになることが大切なので親が支援するのは我慢すべきとの記述が。
たとえばお味噌汁をこぼしたら、親は平然と「大丈夫?」と声かけをするに留める。
声はかけつつも、大人は一切手伝わずに覚悟して我慢すべしということでした。
汁物をこぼす失敗は我が家でも何度もありますが、振り返ると「大丈夫?」と声かけをしつつ(子どもに頼まれてもいないにも関わらず)せっせと机や床を拭き、着替えを用意してしまっていました。
それは、早く片付けたいというわたしの思いを最優先した結果の行動であり、子どもが自身の力で失敗をリカバリー(この場合だとタオルを持ってきて拭くとか、新しい着替えをちょうだいと言うとか)する機会を奪っていることに他ならないのだと気付きました。
時間に追われる日々のなかで、このように子どもと関わるのは難しいとは思いますが、産育休中は仕事をしている時より間違いなく時間に余裕があるので、子の成長に意識的にありたいと思いました。
本当にすばらしい本だったので、何度も読み返したいと思います。
おしまい。