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Z世代とレトロ消費【ゼミでの研究③】

ゼミでの研究成果の第3弾になります。

これまで、「おひとりさま消費」「オンラインライブ」といったテーマについての研究を紹介しましたが、今回の研究は「Z世代のレトロ消費」に関するものになります。

レトロ消費

近年、若者の間で「レトロ」が注目を集めています。

今の若い世代は平成生まれが多いですが、「昭和」や「平成」に懐かしさや魅力を持っている人が少なくないようです。

最近話題になった事例として、「西武園ゆうえんち」が挙げられます。
西武園ゆうえんちは、2021年5月より、昭和をコンセプトにリニューアルオープンし、話題になりました。

メディアでもよく取り上げられており、例えば日経新聞においても、「若者なぜ昭和レトロ」と題して、4回に続く連載が掲載されていました。

昭和レトロだけでなく、「平成レトロ」も流行しています。
平成がすでにレトロと呼ばれることに驚きを隠せませんが、平成初期の文化であったルーズソックスやプロフィール帳などが流行しているようです。

レトロ消費の代表的な文献である「Renovation of value負からのマーケティング」によると、若い世代の人たちは、「古い」と思われがちなものに対して、(たとえ自分自身が過ごしていない時代であっても)なつかしさや新鮮さを抱くことが分かっています。

研究内容

こうした若者のレトロ消費に対して、今回の研究では、「個人の特徴によって、レトロな製品を好む傾向は違うのか?」「製品によって、レトロが好まれる度合いが異なるのか?」といったテーマで、分析をおこないました。

分析はアンケートを使っておこない、Z世代120人程度を対象に実施しました。具体的には、個人特性(性別や価値観など)を聞いたうえで、いくつかの製品・サービスについて、レトロなものとそうでないもののの画像を提示し、魅力度を測定するといったものになります。

結果として、個人特性ごとに好むレトロなものの違いを発見できました。

例えば、性別の観点では、男性の方がレトロな食器を好む一方、女性の方がレトロなカフェを好むことが分かりました。また、カフェを選ぶ際には、流行に敏感な人ほどレトロなカフェを選ぶことも分かりました。

他にもいくつかのカテゴリーについて分析をおこないましたが、ブログで全て紹介するのは難しいため、ご関心のある方はご連絡いただければ幸いです。

今後の課題

消費者の個人特性をもう少し工夫の余地があると思いました。
また、製品カテゴリーの特性をあまり考慮していなかったので、今後はそうした観点からバージョンアップした研究ができるのではないかと思っています。

以上、この1年程度で私のゼミにおいて取り組んできた研究の紹介でした。
もしよければ、①と②の研究も読んでいただけますと嬉しく思います。

また、共同研究や調査についてご関心がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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