hanako

2021.10.4 今日の注目記事掲載 「今から電池の話をします」

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2021.10.4 今日の注目記事掲載 「今から電池の話をします」

マガジン

  • エレン先生のお話

    英語担当のエレン先生が子供たちに色々なお話をします。子供はもちろん、大人の方が読んでも楽しめる作品を目指しています。 07話の『石の話』がただいま非公開です。

  • 10分以内で読める短編シリーズ

    短いお話を載せていきます。ヒューマンドラマが多いです。

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【エレン先生の短編小説01】今から電池の話をします

「さあ、今日は電池の話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「そうだなあ。電池の話だけじゃつまらないから、まずはゲームの話でもしようか」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン先生は、ここで色々な話をする。  一週

    • 【短編小説】5分間のその中で。

       それは、見紛うことなく私そのものだった。ふわりと優しく微笑む、幸せそうな自分。私は私が描かれたその絵に目を奪われた。 『今日から私は』  その絵にはそんなタイトルが添えられていた。  東京の一等地にある、美術館内の一画。自身の肖像画を発見した私の足は止まった。 「え、これ私……」  いつの私だろうか、つい最近のものにも見えなくはないが、ならばどこで描かれたものだろうか。記憶は一切ない。  馬鹿げた話に聞こえるかもしれないが、私の記憶は五分ともたないのだ。五分前の

      • 【短編小説】初めての十二支会合 -あの日、実はこうだった-

         ピシャンッ!  襖の開く音と共に、一匹のねずみがチュウと畳の縁を跨ぐ。 「みんな、今日は集まってくれてありがチュウ。早速だけど、十二支の順番が決まったあの日のことを弁明させてくれっチュ」  ここは山のてっぺんにある、神社の社務所。遠い昔の元旦に、大勢の動物たちが競い合い、目指したあの場所。  十二支の順番が決まったのもまた、ここである。  今日は、初めての十二支会合の日。  三十畳ほどの和室に、十二匹の動物。  それぞれ座布団の上に腰を据え、円を作った。 「まず

        • 【エレン先生の短編小説08】今からジョーカーの話をします

          「さあ、今日はジョーカーの話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「ババ抜きではジョーカーって嫌われるけど、他のゲームだと最強だよね」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン先生は、ここで色々な話をする。  一週間

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        【エレン先生の短編小説01】今から電池の話をします

        • 【短編小説】5分間のその中で。

        • 【短編小説】初めての十二支会合 -あの日、実はこうだった-

        • 【エレン先生の短編小説08】今からジョーカーの話をします

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        • エレン先生のお話
          7本
        • 10分以内で読める短編シリーズ
          2本

        記事

          【エレン先生の短編小説06】今から卵の話をします

          「さあ、今日は卵の話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「小さい頃、母に頼まれて卵を買いに行ったんだけど、僕は帰り道に転んじゃったんだよね」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン先生は、ここで色々な話をする。

          【エレン先生の短編小説06】今から卵の話をします

          【エレン先生の短編小説05】今からハンバーガー屋の話をします

          「さあ、今日はハンバーガー屋の話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「できればハンバーガー屋さんごっこもしたいんだけど、そんな僕に付き合ってくれるかな?」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン先生は、ここで色々な

          【エレン先生の短編小説05】今からハンバーガー屋の話をします

          【エレン先生の短編小説04】今から鏡の話をします

          「さあ、今日は鏡の話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「昨晩家の鏡が豪快に割れちゃったんだ。だから僕は今日、ヘアセットをするのにいつもより多く時間がかかっちゃった」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン先生は、

          【エレン先生の短編小説04】今から鏡の話をします

          【エレン先生の短編小説03】今から子猫の話をします

          「さあ、今日は子猫の話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「あ、べつに子猫じゃなくてもいいんだ。子犬でも子象でも子フェレットだっていいんだけど……でもやっぱり、子猫にしよう」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン

          【エレン先生の短編小説03】今から子猫の話をします

          【エレン先生の短編小説02】今から牛乳配達員の話をします

          「さあ、今日は牛乳配達員の話をするよ」  エレン先生は、そう言って席についた。 「スーパーの増えた今日ではあまり主流じゃないけど、昔は日本でも僕の国でも、牛乳配達が盛んに行われていたんだよ」  皆はふふんと聞いていた。  小学校の図書室内の、特別室。  鍵は先生しか持っていない。それはエレン先生だけじゃなく、先生、と付く人ならば誰でも。  給食終わりの長い休み時間。その時間にここを開けるのは、エレン先生だけだ。  近辺の小学校を日替わりで訪れている英語担当のエレン

          【エレン先生の短編小説02】今から牛乳配達員の話をします