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2020年10月の記事一覧
〜ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと〜入院中の攻める食のススメ
「念のために、病院食の代金が含まれてないか確認してもらえませんか? 私、12月20日から1食も病院食を食べていないのですが」
そう会計担当の方に告げると、ぎょっとした顔になってしまった。4か月入院して1食も病院食を食べていない患者なんて前代未聞だろうから仕方ないか、と思いながらも、私はきっぱりと確認をお願いした。
「分かりました。 今から看護師に確認しますが、どの病棟の患者さんですか?」
「
〜ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと〜 入院中に、最高のチームメイト見つけました その①
「何歳? 11歳? 今からお母さんの腰の骨から骨髄液を吸引するけど、ここからだと良く見えるよ」
主治医のH先生が快活に話しかけたが、当の娘はおびえていた。
「先生、怖いみたいなので、病室から出させていいですか?」
「怖い? そうですか…… 分かりました」
入院2日目の、やり取りだった。H先生は意外そうな顔をした後、処置の準備をし始めた。その後私は、骨盤から骨髄液を注射器で吸引する骨髄穿刺、
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 入院中に、最高のチームメイト見つけました その②
前回のあらすじ:
白血病の治療のため、長期入院をしていた私は主治医との関係構築をとまどったが、主治医も私も同じ目的を目指すチームメイトであると気が付いたのだった。
・・・
「医師は、患者が良くなるよう動いてくれるチームメイトだ」
今ではそう自信をもって言える私も、H先生に対して不満を持ったことがあった。
膿瘍の治療を優先するため、抗がん剤治療が二か月弱ストッ
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 髪が抜けたら、たわし頭のケアーを大切に その①
主治医は、普通の話をしているのと同じテンションで言った。
「先生、髪の毛が抜けない人って、いるんですか?」
「いません」
会話終了。藁にも縋る気持ちで質問したが、無駄だった。
「髪の毛、抜けちゃうんだ……。 ドラマの世界じゃん」
急性白血病と診断され、緊急入院していた私は、すぐにその事実を受け入れられなかった。恐ろしい副作用が待っている抗がん剤治療だけでなく、肩まである髪の毛が抜けて無く
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 髪が抜けたら、たわし頭のケアーを大切に その②
前回までのあらずじ:
白血病治療のための抗がん剤を投与して2週間後。主治医の説明通りに髪の毛が抜け始めた…はたして、ちゃんと髪の毛はまた生え始めるのか?
・・・
「本当に、またちゃんと伸びてくるのかなぁ」シャンプーしながら「たわし」頭に触れるたびに、私は暗い気分になった。
9か月に及ぶ白血病治療の合間には、抗がん剤を投与しない時期もあった。その間、髪の毛や、薄
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこと~ 寄り添って欲しいなら、物言う患者になりましょう
「大丈夫ですよ~。 順調なので、何も心配しないでくださいね」
看護師さんが、手術台に横たわる私に呼びかけた。
私は何も質問していないのに、何かがおかしい。
言われてみれば、いつもよりも時間がかかっている気がする……
大学病院の手術室で、白血病患者の私は、首にカテーテルを入れる処置を受けていた。
今回が4回目だ。
抗がん剤は、首の太い血管に入れ込まれたカテーテルを通じ投与される。そのため、白血
~ワーキングマザーが白血病治療中に考え・感じたこ~ 大きな声では言えませんが、無菌室推しの私です
「こちらが今日から入っていただく、無菌室です」
看護師さんが、ドアを開けながら言った。
その日の昼過ぎに、白血病の治療のため、検査を受けていた一般病棟から血液内科の病棟に降りてきた。特殊な部屋とは聞いていたが、実際に無菌室を見た時の衝撃は、忘れられない。
「これ、監獄? トイレがむき出しじゃない……」
私は呆然としながら、心の中で呟いた。
(これが私が実際に滞在した、無菌室です。初めて部