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2022年8月に読んだ小説TOP3

こんにちは。
2022年から小説を読むのにはまっています。
毎月恒例になってきた、先月読んだ本を紹介します。

8月の読了は10冊でした。
その中から厳選して、特におすすめの3冊を紹介します。

ちなみに私が8月に読んだ本はこちらです。↓

ブクログ

それでは、この中からTOP3を紹介していきます。

1. 村田沙耶香 「地球星人」

私の好きな作家さん、村田沙耶香さんの『地球星人』。
村田沙耶香さんは、以前『コンビニ人間』を読んで好きになり、2冊目としてこの本を読みかけたことがあるのですが、一度挫折してしまいました。
今回、二度目のチャレンジだったのですが、すごく刺さりました。

あらすじ

恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。
芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。

Amazonより引用

感想

万人向けではないかもしれませんが、私はめちゃくちゃ刺さり、図書館の本を借りて読んだのですが、読み終わった後、本屋さんに買いに行きました。

一度目に読んだ時は、序盤の、自分を魔法使いや宇宙人と思ってる子供達のところで、なんか暗い話だなと思って挫折してしまいました。

でもその後に、「生命式」や「殺人出産」を読み、村田沙耶香作品に耐性(?)が付いてから読んだら、夜更かししてほぼ一気読みでした。

特に、

ここは巣の羅列であり、人間を作る工場でもある。私はこの街で、二種類の意味で道具だ。
一つは、お勉強を頑張って、働く道具になること。
一つは、女の子を頑張って、この街の生殖器になること。
私は多分、どちらの意味でも落ちこぼれなのだと思う。

「地球星人」

という箇所あたりから、この地球の見え方が、なるほどそうだったんだ!と思わされて、まさに「宇宙人の目がインストール」されてしまった気がします。

さらに、主人公は、周りの地球星人達が、働いたり、子供を生産して育てることを喜んでやっているのを、ちゃんと洗脳されているからと思っていて、自分もちゃんと洗脳されていればもっと生きやすかったのに、早くちゃんと洗脳されたい。と思っているところも面白いです。

働くことが好きじゃなくて、子供もまだ産んでない30代の私には、「わかるー」の連続でした。

他の細かい部分でも、センスが炸裂していて、共感と、ぶっ飛んでて笑っちゃうの連続でした。

これは間違いなく、「名刺代わりの小説10選」に入るくらい好きな小説です。

こちらもおすすめ

村田沙耶香さんの作品を初めて読む方には、まず「コンビニ人間」がおすすめです!!似たようなテーマですが、あまりぶっ飛びすぎることもなく、読みやすいです。

コンビニ人間」の次は、短編集なら「生命式」、中編なら「殺人出産」をおすすめします。この2冊は、村田沙耶香作品の「正常って何だろう?」と常識を疑ってしまう世界観が味わえて面白い本です。この2冊が好みでしたら、「地球星人」も面白いと思います!


2. 呉勝浩 「爆弾」

2022年上半期、第167回直木賞候補作です。
他の直木賞候補作、受賞作も読みましたが、私は今のところ、この「爆弾」が一番好きです。

あらすじ

東京、炎上。正義は、守れるのか。

些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

Amazonより引用

感想

呉勝浩さんの本、直木賞候補作ということでこの本で初めて読んだのですが、続きが気になり過ぎて止まらない面白さでした!

このままだと、夜更かしして朝まで読んでしまうと思い、なくなく途中でやめて翌日に続きを読みました。

謎解き要素もあるので、ミステリ好きな方にはおすすめです!


3. 太田愛 「犯罪者」

上巻は6月に読了し、下巻をやっと8月に読むことができました。
上巻も6月のTOP5に入れたのですが、やっぱり下巻も面白くて8月のTOP3に入れたいと思います。

あらすじ

「相棒」の人気脚本家が放つノンストップクライムノベル!

白昼の駅前広場で4人が殺害される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は再び襲撃を受ける。修司は刑事の相馬と、その友人・鑓水と暗殺者に追われながら事件の真相を追う。

Amazonより引用

感想

かなりの長編ですが、こちらも続きが気になり過ぎて止まらなくなるし、ハラハラドキドキの小説です!

下巻の後半は、裏をかき合う心理戦が面白かったです。

少ししか出てこない人物や、細かな設定までしっかりと描かれていて、とても読み応えがあります。

シリーズものだということがわかったので、他の作品も是非読みたいと思いました。

こちらもおすすめ

シリーズ物の2作目「幻夏」と3作目「天上の葦」にも、「犯罪者」の主要キャラクター3人が出てくるそうです。
こちらの2作目、3作目も読むのが楽しみです!


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