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北野武監督作品「首」を観た!

昨夜、北野武監督作品「首」を観ました。

既に公開から1ヶ月が過ぎているためか(2023.11.23公開)、いつも利用している映画館では1日に1回、21時過ぎからのレイトショーでの上映のみとなっていました。

面白い映画でした。観て良かったです。
「R15+」というお蔭で合戦シーンなどが綺麗事ではないリアル且つ娯楽性の高いビジュアルに仕上がっており、私は好感が持てます。
カット割りも編集がなかなか凝っているものがあり唸らされました。

上映時間131分、冗長さは感じられません。
問題はストーリー展開で、これはシナリオの構成力不足でしょう。
一応、全編に渡って一本の筋は感じられるものの、描きたいもの(エピソード)を詰め込み過ぎで、展開が散漫な印象を受けます。
ただ、それぞれのエピソードは面白いものでした。そのため戦国時代を題材にしたオムニバス映画にしてしまうか、もっと尺を取って何作かに分けるのが改善策かもしれません。

「集団劇」とするとらえ方もありでしょうが、私は主人公を一人選びそれを強く描く作り方がどうも好みのようで、また、その方が作品のアピールの点でキャッチーかと思われます。
具体的に述べると羽柴秀吉(ビートたけし)、明智光秀(西島秀俊)、荒木村重(遠藤憲一)、曽呂利新左衛門(木村祐一)、難波茂助(中村獅童)のうち誰を描きたいのか分からず、じれったいものがありました。

とにかく、豪華なキャスティングにより個々のキャラクターは立っており誰もが印象的です。中でも羽柴秀長(大森南朋)と黒田官兵衛(浅野忠信)は良かったです。あと、安国寺恵瓊(六平直政)が「えっ、こういう解釈をするのか」と驚くと同時に楽しめました。
が、ビートたけしは…… 大根役者と言い切ってしまうほどではないものの、本人は頑張って取り組んでいるのでしょうが、いかんせんあの違和感は最後まで拭えませんでした。演技に切れが感じられません。これは技量の問題と言うより、老いが原因なのではないでしょうか。

実はこの作品、ネットの記事によると不入りとのこと、残念ですね。

※文中敬称略

シアターの出入口付近に設置された上映作品を知らせるモニター。
昨夜のチケット。

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