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「詩の本」を読んで

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2021年2月からnoteに自作詩を投稿しています。詩を書きだしたのがその前年20年12月から…という詩も文学もまだまだ勉強途上。そんな私が読んだ古今の詩集、詩に関する本を読んだ…
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2023年1月の記事一覧

■命を賭して書く「覚悟」はあるか

■命を賭して書く「覚悟」はあるか

「詩の本」を読んで (26)◇リルケ、フランツ・カプス著「若き詩人への手紙」

 (未知谷 2022年6月刊)

副題に「-若き詩人F.X.カプスからの手紙11通を含む」とある。これまで何度もリルケ側の手紙を中心とした本は出ているのだが、「若き詩人」の手紙は割愛されたものが多かったよう。
手紙は、往復書簡の体をもって完成する。この本はその不完全を補う存在。20世紀初頭の手紙のやりとりだが、若き詩人

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■早まってはいけない

■早まってはいけない

「詩集」を読んで (25) 不定期刊※Xに投稿済※

都内でも屈指の進学校「武蔵中学高校」の中学生時代にいじめ体験があり、そこから脱しきれず、一種落伍した人生を送る中、短歌の世界で見いだされたのに、自死した若き歌人。
その処女歌集であり、遺作集となった本である。

◇萩原慎一郎 「滑走路 -歌集-」 KADOKAWA 2017年12月刊内容

ぼくの感想

Wikipediaの作者の項目にかなり詳

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■現代詩に夜露死苦

■現代詩に夜露死苦

「詩集」を読んで (24) 不定期刊公立図書館のほとんどが仕事納めの12月28日で終わる中、都内の某区立図書館だけが大みそかまでやっていた。
他に行くところがないためか、大みそかのそこは案外に混んでいた。ぼくもその一人で、地元の図書館に行けないので、電車に乗って都心をかすめ、その図書館に行った。新聞だけ読んで帰ろうと思ったとき、詩の棚を冷やかすように眺めていたときに手にした「詩集」2冊のレビューで

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