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嶋田青磁
2019年4月30日 23:59
2019年3月11日 19:56
昨夜贈られた一輪の薔薇この連なる花弁がその目には何色に映るか あなたも知っているはずだ必ずしも薔薇が望まれた色をもって咲かないことを 聖堂でひとりぼくは祈った 願わくばそれが白薔薇であるようにと #詩 #散文詩 #文学 #哲学
2019年3月6日 12:52
砂粒の混じる風が頬を強く打ち、熱の籠もる痛みが唇を震わせた。草木の萌える土はなく、乾いた地の裂け目は暗く深い。とうの昔に枯れ果てた灌木にとまる黒々とした鴉(からす)の群れの、虚しい笑い声だけが残響するさまは、しかし現である。果てない荒野を歩みながら、わたしは外套の内にかくす青い星の存在を常に想った。「この仄青くかよわい光を、守ってゆかねばならないのだ。」唯一残された使命の断片と、傍若無人な風だけ
2019年2月13日 19:06
真夏の日暮れ夕立の前に似た張り詰めた気配 或る少女がひとり空を見上げ鈍色の髪を濡れた空気に浸す 雨雲の狭間遠くで稲光が見えたようなそれとも幻か 振り返りざま少女の目がわたしを捉えて閃いた 其れは飴色の目であった 誰も彼もが少女の緊迫した挙動指し示す方角から目を逸らせない 飴色の目は胸の奥底に沈む革命への憧憬知的昂奮への欲望掻き立てられた
2018年12月25日 19:47
石灰岩と曇り空の曖昧な境界は水彩筆によって暈されて滲む 鈍色の水辺に揺れる葦のさきが冷たく柔い風を受け小刻みに震えた 静かに流れる水がただよう躰の白い肌を溶かすようにやさしく包みこむ 水面を透かし見る空は遠く 広くのばした腕を雫が伝い落ちた 薄曇りが映る川は櫃を海へと運ぶがゆるやかな流れは午睡のように物憂く 聖櫃に納められた乳白色の蕾は 今か今
2018年11月30日 23:16
雪原と紛う白妙の砂漠砂粒はすべて諦念の化石である氷河のように永い時をかけ生の淵へむけ悠然と流れ往く 空と地平線の狭間一羽の鳥が白い翼を瞬かせ光の線を引いた 逃げ水を追い虹の都を夢見少女たちは旅を続ける この世界が巨大な砂時計であると知りながら #詩 #散文詩 #自由詩 #文学 #哲学 #小説