「ねーねーなんか楽しそうだねー」 ニコちゃんがいいました。 「楽しくなんかないやい! もうボクはかえるんだい!」 クリスはニコちゃんの頭の上でいいました。 リスたちの列はじわりじわりと前へすすんでいきます。 「なんでかえらないの?」 うしろのリスがいいました。 「そうだそうだ、もうかえろう!」 クリスがいいました。 しかし、ニコちゃんはもじもじしています。 すぐ先に、おうちが見えました。ニコちゃんが入れないくらい小さなおうちです。 2つ前のリスがよばれて、ドア
「どうしてさ、なんでさ、あんなに楽しいものがいやだなんて、なにがあったのさ!」 列にならんでいるリスはくちぐちに言います。 「だって、いすにのせられて、そこから動いちゃダメっていわれて、ウィーンって音がきこえるんだ!こわいよ!」 クリスがニコちゃんの頭の上で言いました。 「なんなのさウィーンって。そんなのないよ。楽しいよー。こーんなゴーグルつけてさぁ」 前にならんでいるリスが、ゴーグルをつけてせつめいしました。 「だってさだってさ…」 クリスが泣きそうな声で言う
ニコちゃんが列にならんでいると、どんどん前に進んでいきます。 道路から草むらに入って、背の高い草をかきわけて、くねくねくねくねちょっとずつ進んでいくと、小屋が見えました。リスたちはそのなかに入っていきます。 ニコちゃんは前のリスにたずねました。 「ここはなぁに?」 リスは答えます。 「歯医者だよ。しらないの?」 それを聞いたリスのクリスは、ニコちゃんの頭の上でとびおきました。 「いやだいいやだい! はいしゃなんかいやだい!」 それを聞いた、列にならんでいるリスたち
ニコちゃんは、どうぶつびょういんをぬけだして、トコトコ走りました。 トコトコトコトコ走っていると、草むらの中から、どうろの方まで行列ができていました。その行列にはたくさんのリスがならんでいます。 ニコちゃんはいちばん後ろのリスにききました。 「どうしたのー?」 リスはこたえます。 「どうしたもなにも、列にならんでるんだよ」 「なにー?」 「おまえもならんどいた方がいいぜ。すぐしめきりになっちゃうんだから。」 リスはどんぐりをかじりながら、前をゆびさしました。 「
「先生には、私が言っといたからね。ついてきてくれてありがとう」 そうじのおばさんが言いました。 「いやだいやだ。はいしゃなんかにいかないやい」 リスのクリスはガタガタふるえています。 「だいじょーぶだよー」 ニコちゃんが言いました。 ちょうどその時、ニコちゃんのお母さんが、前から歩いてきました。 「あら? どうしたの? こんなところで。ニコがいつもおせわになっております」 お母さんはペコリとおじぎをしました。 「こちらこそ、ニコちゃんにはいつもリスのおせわのお
「どーして? はいしゃさんはー?」 ニコちゃんは そうじのおばさんに聞きました。 「それがねぇ、はいしゃさんがいやなんだって。ゲージからでてくれないのよぉ」 そうじのおばさんはこまっています。 「歯なんていたくないやい! 怒ってなんかないやい!」 リスのクリスは怒って言いました。 「はいしゃさんこわくないよー? キレイキレイしてくれるよ」 「ニコちゃんえらいねぇ、はいしゃさんいってるの? 」 「いってるよぉー? リスさんもいこー? いっしょにいこー?」 ニコ
給食を食べ終わって、ニコちゃんは急いでリスに会いに行きました。 「りすさんりすさん、どうしたの? おなかいたいの?」 「もーなんなんだよ。りすさんりすさんうるさいなぁ。ほっといてくれよ!オレはリスさんじゃねぇ!クリスさんだ!」 リスのクリスは怒って言いました。 「なんで怒ってるのー?」 「怒ってなんかないやい!!」 クリスは怒って言いました。 「こまってるのよねー。虫歯になっちゃって。あんまり食べれなくって、おなかがすいてるんだと思うわ」 ほうきをもったそうじ
ニコちゃんの幼稚園に、リスがやって来ました。 「かわいいねぇー」 ゲージの外から、みんなでながめます。 「あれ? あの子なんだか元気がないみたい。どうしちゃったのかなぁ?」
パンダはおそるおそる、スープをのみました。 「なにこれ、うまぁい!」 「それはお母さんがつくってくれた、ニンジンの冷製スープよ。おいしいでしょ!」 「うん、おいしぃ!これのんだら、元気になるかもしれないね!」 パンダはごくごくごくっとのみました。 「はぁー。のんだけど元気でないや」 パンダはまた、ごろんと横になりました。 「そりゃあそうだよ。まほうの薬じゃないんだから! おなかが弱くなってるんだよ。 なにたべたの?」 パンダは、指おり数えながら言います。 「
コトちゃんは急いでおうちに帰りました。 そして、そーっとそーっとおうちをでます。 そーっとそーっと、手にはグラスをもって、そーっとそーっと歩きました。 「パンダさん、パンダさん。これどうぞ」 コトちゃんはグラスをわたします。 パンダは寝たまま、首をコトちゃんに向けました。 「なあに?それ」 パンダは寝たまま言います。 「おいしいよ」 コトちゃんはパンダの顔に近づけると、パンダはくんくんにおいをかぎました。
「パンダさん、どうしたの? なんでここにずっといるの?」 コトちゃんは、パンダに聞きました。 すると、パンダはだるそうに言います。 「えっとぉー、なんてゆーのかなぁ。 なんかこう…」 コトちゃんはパンダさんの返事をまちました。 しかし、返事がないまま、だんだんとパンダさんの目はとじようとします。 「パンダさん、パンダさん、どうしたの? 大丈夫?」 パンダはゆっくり目をあけて、言いました。 「あぁ、そうだった。なんてゆーのかなぁ、なんだか体がしんどいんだ」 「大
コトちゃんは、お友だちの家から帰るとちゅうもまた、公園のよこをとおりました。 すると、公園のこかげで、さっきのパンダがこんどは寝ていました。
「ニコちゃん! なんでこんなところでねてるの!」 朝になって、コトちゃんがニコちゃんを見つけました。 「かぜひくよ? 昨日だいてたぬいぐるみは?」 コトちゃんがキョロキョロ探していると、ニコちゃんはお外をゆびさしました。 「あっちー」 「あっちってどーゆーこと?」 「あっちにいったの」 「だからあっちじゃわからないって。 ぬいぐるみはどうしたの? みはやちゃんにもらったんでしょ? だいじにしないとだめじゃない!」 「う・・・」 コトちゃんがおこると、ニコちゃ
コトちゃんが、お友だちの家にあそびに行くとちゅう、公園のよこをとおりました。 すると、公園のこかげで、パンダがすわっていました。
「・・・コちゃん。ニコちゃん」 ニコちゃんが目をさますと、みはやちゃんのぬいぐるみがニコちゃんのかおをのぞいていました。 「ん"~・・・おはよ」 「みはやちゃんはー? みはやちゃんはどこー?」 みはやちゃんのぬいぐるみは、泣きそうになっています。 「みはやちゃんいないよー? おうちだよぉー」 「ぼくもかえる。 だってみはやちゃんがいないんだもん」 「いいよー」 ニコちゃんがそう言うと、みはやちゃんのぬいぐるみは、パァッと笑顔になりました。 「こっち。ここをあ
「みはやちゃーん! お母さんがもうそろそろ帰ってきなさいって言ってるよー」 コトちゃんが言いました。 「はーい」 みはやちゃんは、走って玄関へ行ってくつをはきました。 「ちょっとまって、忘れものだよ」 コトちゃんは、みはやちゃんのぬいぐるみをわたしました。 「それ、ニコちゃんにあげる。またね」 みはやちゃんは、手をふって出ていきました。 「え? あっ、ちょっといいの!?」 コトちゃんが言いおわらないうちに、ドアがしまりました。 「ニコちゃん、みはやちゃんが