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「勝利」が当然の組織は何を得られるのか。急成長スタートアップの、エモい舞台裏。

🐳この記事は「ログラスサマーアドベントカレンダー2023」の36日目の記事です。
明日はセールスの松倉さんの予定です!

こんにちは。ログラスの刈谷です。ログラスのマーケティング担当として入社し、もう1年が経とうとしています。

「ログラスにいる人はクールなイメージがある」とよく耳にします。 経営管理システムという一見お堅いテーマを扱っている会社なことや急成長をしていることもあって、クールなビジネスマンばかりが所属していると思われやすいのかもしれません。
結論からいうと、全然そんなことはありません。むしろその逆です。
今回はそんな誤解を払拭すべく、ログラスで不定期に行われる「合宿」の具体的なエピソード紹介を通じて、ログラス社員のおもしろおかしい熱量や、どんなことも成長の機会に変えてしまう素敵ポイントを伝えていきたいと思います。
※そもそもログラスを知らないという方に。ログラスは、経営管理クラウドを提供するシリーズAスタートアップです。2023年9月現在、90名程度の社員が所属しています。

この記事は、こんな方におすすめです。

・ログラスの社風について興味がある
・社員同士が結束を深める企画・イベントに興味がある


ログラスで行われる「合宿」とは

ログラスでは、約1年に1度のペースで全社合宿を開催しています。
関東近郊の施設に貸切バスで移動、昼から夕方にかけてチームに分かれてレクリエーションで競い合い、夜はBBQなどで交流します。レクリエーションは風船を膨らませるスピードを競うもの、会社のバリューに関するクイズ、リアル脱出ゲームなど業務に関係のないものだけで構成されており、チーム対抗で優勝を目指して競い合います。
かつては業務的なプログラムもあったそうですが、組織が拡大している直近では、社員同士の結束力を高めることに目的を振り切りひたすらみんなで楽しむことを重視しています。職種間の交流が明確に意図されており、私が所属したチーム(以下Cチーム)は、セールス、経営戦略室、PdM、マーケティング、インターン生が混在する、まさにThe Model(※)の垣根を超えたチーム編成でした。
もちろん費用は会社負担。平日に行われます。

※Salesforce社にて取り入れられてきた、4つの役割に分けて活動する営業スタイル。役割ごとの最適化が進む一方、組織の分断やサイロ化が副作用として語られることも多い。

合宿当日は自社デザイナー作のチーム別Tシャツを着用


チーム分けやレクリエーションの内容は事前に発表されているため、各チームは合宿前から戦略を練り、本番に向けた準備ができます。
合宿にかける情熱はみな高く(個人差はあります。多様性!)、リレー競技でアンカーを務めたセールスの笹瀬は、合宿に向け毎朝トレーニングに励むなど、素晴らしいコミットを見せていました。

ログラスの合宿のヤバい企画

そんな全体的に熱量高めのログラスの合宿の中でも、企画力・結束力・覚悟が特に求められるヤバイコンテンツがあります。

それは「動画コンテスト」です。

動画コンテストとは?

・チームごとに分かれ、3分以内の動画を作成
・動画はまったくのゼロから、企画・構成・編集すべてを実施
・動画の形式は、完全自由
・予算はチームあたり3万円
・合宿当日に参加者全員の前で上映し、採点基準をもとに順位を競う
・合宿の全レクリエーションの中で最も配点基準が高い

実は私はログラス入社前にも内定者として第1回動画コンテストに参加したことがあります。今回はその第1回の歴史から触れていきます。
(この時の採点基準は、「5年後に見返してエモいか」「独自性があるか」「ログラスっぽいか」の3つでした)

とても雑な第1回動画コンテストのルール解説画像

コンテストは、すべてのレクリエーションが終了した後に始まります。
上映会場に合宿参加者全員が集合。皆、缶ビールを片手に鑑賞します。動画はどのチームもユニーク、上映中は常に笑いや愛のあるヤジに溢れており、異様な盛り上がりで会が進行していきます。

栄えある動画コンテスト第1回の優勝作品は圧倒的なものでした。

その内容は「5年後のログラスが超大型案件をかけて某大手外資企業と戦う」という、映画予告編調の作品。
動画撮影当時のログラスは、シリーズAを迎えたばかり、全社で50人もいない、だけど将来への根拠のない期待に溢れている状況でした(今もそんな感じですが)。5年後にさまざまな苦難を乗り越えて世界を代表する企業を相手に立ち向かう様子を描いたストーリーは、まさに全員にとって圧倒的に「5年後に見返してエモい」内容だったと思います。
シナリオだけでなく、シーン変更のタイミングや演技など動画のクオリティも非常に高いものでした。
「遊び」の動画コンテンツに全力を注ぐ熱量と、それを見て全力で盛り上がる異様な様子を目にし、まだ社員でなかった私は「ものすごい会社にきた」と感じたものです。

第1回優勝作品「ログラスT2D3へのキセキ」のカット


優勝作品に限らず、全ての動画に時間がかけられていました。
普通に考えても、3分間のシナリオを考え、役者として演技をし、何カットも撮影し、1本の動画に編集し、音楽・音声・テロップを挿れ、納得のいく水準まで引き上げる(しかもほとんどが初めての経験)という工程があります。
動画素人集団によるゼロからの創造作業を業務と平行してやるのはかなり重たいはずで、当時から「ヤバイ企画」だったと言えると思います。

そして、この第1回の優勝作品は「勝つ」ためのハードルを著しく上げていました。


第2回全社合宿動画コンテスト

合宿前から始まる熱い戦い

2度目の動画コンテストは、その9ヶ月後に開催されました。
この回から私も社員として参加したので、より具体的にエピソードを紹介しながら、この記事のタイトルでもある「勝利が当然の組織は何を得られるのか」に触れていきたいと思います。
時は、合宿チーム結成当初。2023年4月まで遡ります。

第2回動画コンテストの開催が決定し、早速多くのチームが動き出しました。
私の所属していたチーム(以下Cチーム)も、遡ると合宿2ヶ月前にキックオフを実施しています。
当時のCチームのSlackチャンネルを見ても、「この動画コンテスト戦争を終わらせにきた」「負けられない・・・」など各チームが優勝を前提にしたバチバチの会話が繰り広げてられています。

チーム分して間もなく舌戦が繰り広げられる様子
とあるチームはグランドルールが「優勝」。ルールが優勝ってなんだ。


入社1年経ってなんとなく思うのですが、本業でも圧倒的な成長を前提にしていることもあってか、ログラス社員は勝利に対するコミットメントがちょっと変です。勝ち慣れているというか、「勝利」が当然。それを前提に生きています。

やるからには当然勝つ。圧倒的に勝つ。

そんな雰囲気が、各チームから感じられました。
それに加えて第1回大会で設定された圧倒的に高いハードル。各チームが前回以上の水準に目標を合わせてきています。
ヤバイ企画の、ヤバイゴングが鳴っていました。


エグすぎる動画制作へのコミット

第2回動画コンテストの採点基準は「チャレンジの大きさ」「ログラス愛の大きさ」「エモさ」の3つでした。

早速、企画が始まります。
「1万円をT2D3(※72倍の成長)して72万円にする」「身長を5cm伸ばす」「ベンチプレス20kgスタートで最終的に180kgまで行く」「箱根駅伝やってみた」「全力でヲタ芸をやる」など自由なアイデアが出る中、最終的にひとつの案に絞り込まれました。

「怪獣をログラスのプロダクトを活用して倒す」

Cチームは怪獣映画を撮影することになりました。
怪獣映画では、怪獣の上陸先はいつも決まって日本。日本の経済が苦しいのは、怪獣が定期的に日本の街を破壊していくからではないかという仮説と、失われた30年を終わらせ「良い景気を作る」というログラスのミッションを達成するという観点から、「怪獣という日本最大のボトルネックを自社製品(戦闘予算管理Loglass)で取り除き、日本の景気を取り戻す」という壮大なストーリーを描くことに決めました。

大怪獣を倒すという「チャレンジの大きさ」を描き、劇中のセリフ回しやプロダクトの無限の可能性で「ログラス愛の大きさ」を伝え、ログラスのミッションである「良い景気を作ろう」に協力して立ち向かう姿勢から「エモさ」を伝える方向で、とびきりユニークなものを作るというワクワクを胸に、動画制作は走り出します。
※戦闘予算管理Loglassは普段予算管理の機能を提供していることから派生したフィクションです。

ログラスのミッション「良い景気を作ろう。」


企画の方向性が決まってからは、怒涛の日々が始まります。

シナリオ担当のチームは毎朝1時間のミーティングを実施し、撮影のために休日出勤をし、動画編集担当は膨大な時間を使って不慣れな動画編集をイチから学び形にしました。(文章にすると少し怖いですが、青春の範囲内な空気感です。かつ動画の制作は社員同士の結束力を高めるためなので業務扱い。残業代も発生しますし代休取得が義務付けられます)

本気で勝ちを目指すがゆえに、各人のこだわりが衝突する瞬間や、疲れや焦りから苛立ちを感じる瞬間も当然ありました。当時はどの領域も多忙を極めていたこともあり、今振り返っても満身創痍に近い状態で取り組んでいたと思います。
それでも、動画がひとつに繋がったり、良い改善が生まれる度に「これは勝ったわ」「優勝決まった空気感だ」といった言葉が常に飛び交い、常に「勝ち」を当然に考え、結束し、邁進し続けていました。

合宿前日の最終調整のミーティングも、0時近くまで議論が白熱(もちろん個人差ありです)。
最終調整を終え、チーム全員が優勝への期待を胸に、動画は運営チームに納品されました。


Cチーム怪獣映画動画作品のカット

そして決着へ・・・

いよいよ合宿当日。動画の上映会はいわゆるメインディッシュ。すべてのレクリエーションが完了し、上映が始まります。全員にドリンクが提供され、1チームずつ放映していきます。
昨年以上の熱量で、上映会は進行します。前回の優勝作品が基準になっていることで、どのチームの動画も昨年のクオリティを遥かに凌駕しています。
とあるチームは、「チャレンジの大きさ」を示すためにバンジージャンプに挑戦している人もいました。
ほとんどのチームが、昨年の優勝作品並の熱量を突っ込んでくる、とんでもないハイレベルな戦いになっていました。
Cチームの動画についても上映中、爆笑を何度も生みます。

そして、上映会は終了。「チャレンジの大きさ」「ログラス愛の大きさ」「エモさ」それぞれ5点満点で採点がなされ、3位から結果が発表されていきます。

Cチームは呼ばれることなく、6位という結果に終わりました。

優勝作品は、ログラスの仲間が増えていく過程をゲーム調に描いた、ログラスのこれまでの軌跡を感じさせるエモい作品でした。高い編集力で本物のゲーム画面さながらに展開される映像は圧巻の一言でした。


本気の勝負から学んだこと

敗因と3つの学び

この合宿で、チームとして学んだことが大きく3つあります。

1.ルールの変化を理解し、時には積み上げたものを捨てるべき

今回、各チーム企画が固まり制作が動き始めたタイミング、つまり後から採点基準が発表されました。
簡単に言うと、前回は審査項目を考慮に入れつつ一番いいと思った作品に票を投じる投票方式でしたが、今回は審査項目ごとに5点満点をつける採点方式になったのです。これにより、前回は強く印象に残れば得票できるゲームだったものが、今回は「チャレンジの大きさ」「ログラス愛の大きさ」「エモさ」の3項目でバランスよく高得点を狙うというまったく別のゲームに変わっていたのです。
この採点基準が発表されたとき、「まずいな」と率直に思いました。怪獣映画は印象に残るおもしろ企画で、昨年同様のゲームの中で勢いに委ねて投票をもらう形を想定していたからです。
工数投下の状況やスケジュール、何よりみんなのこれまでかけてきた思いを考えると今のアイデアを捨てることができず、この時点で負けは決まっていました。「勝つ」ことが最優先なら、全てをゼロに戻すことも恐れない意思決定をすべきでした。

2.最大公約数的な折衷案でお茶を濁さない

実は、今回の私たちの作品は二部構成でした。
前半は、手元の1万円を様々な施策でT2D3レベルに成長させて72万円に増やすという内容。後半は、前述した通り、大怪獣を仮想の自社プロダクトを用いて倒すという怪獣映画です。
この両方を描いたことは、終わってみれば悪手だったと感じています。3分という極めて短い時間の中に2つの要素を詰め込んだことで世界観が分散し、結果として「怪獣映画」という本筋で描ける要素を削ることになり、尖りがない作品になってしまったかもしれません。
この折衷案に至った理由は、企画段階で最初に盛り上がった「T2D3を本当にやってみる」という要素を消す勇気が持てなかったからだと思います。議論に参加してきた各メンバーの気持ちを汲み取り、最大公約数的なバランスをとった結果、2つのことを描いているぼやけた作品になってしまったかもしれません。


3.何を作るかだけでなく、どう届けるか

何より悔しかったのが、勝ち負け以上に作中のセリフが100%伝わらなかったことです。それぞれのキャラクターを踏まえて「ログラス愛」がにじみ出るようなセリフにこだわって、納得いく演技になるまで何度も撮り直したシーンの魅力が半分くらいしか伝わっていませんでした。
会場で起こる笑い声に、結構な割合のセリフがかき消されてしまっていたんです。
これは今回の参加人数や、前回の参加者のリアクションを踏まえると想定できた事態です。想定できたはずなのに、「最高の演技をしたい」「最高のタイミングでシーンを切り替えたい」「音楽と映像をシンクロさせたい」と、作品の細部にこだわるあまり「字幕をつける」という極めてシンプルで効果的な方法を省いてしまいました。「時間がない」「見栄えが悪い」といった考えで後回しにし、結局つけないまま当日を迎えてしまったのです。
「プレゼンテーション」はプレゼント、つまり贈り物をすることだと言われることがあります。贈り物は、受け手のことを考えて最高のものになります。オーディエンスの状況を想像し「届ける」ための準備を怠らないことの大切さを再認識しました。

特にリーダーを務めた石井栞さんは、自身で言葉にしてこの動画コンテストの時間を振り返っていました。この企画を通じて大きく成長された1人だと感じています。

コンテスト終了後のリーダーの成長を感じさせる投稿

今回の3つの学びは、ビジネスの現場、特にスタートアップやアーリーフェーズの事業においても共通して言えることだと感じています。
例えば、「ルールの変化を理解し、積み上げたものを捨てる」。ビジネスにおけるルールの変化とは、つまり市場の変化です。どれだけ努力して積み上げたものが尊かろうと、環境要因の変化や代替手段の登場により全てが一瞬で陳腐化することもありえます。待ったのない残酷な世界の中で、思い切って捨てて作り直せるか、その胆力が問われます。
「折衷案でお茶を逃さない」についても、ビジネスの現場で往々にして起こることだと思います。過度なリスペクト(忖度といった方がいいかも)により、様々な部署・人の意見を取り入れているがために、施策がぼやけ効力を失うということは往々にして起こっていると感じます。
最後に、「何を作るかだけでなく、どう届けるか」。入念に準備した渾身のスライドも、杓子定規に読み上げるだけでは人によっては退屈してしまいます。相手の反応を見ながら、論点ではないと判断したら思い切って別の論点にフォーカスするなど、柔軟に届け方を工夫した方が良いプレゼンテーションになるはずです。肝心なのは状況や相手の理解度を想像し、最適な形で伝えきることです。

常に本気だから、どこでも成長できる

動画コンテストの後には、BBQがありました。
Cチームは、リーダーの石井さんが挨拶。この時に感極まって涙を流すメンバーがいました。半数以上、そんな感じだったと思います。普段から感情豊かなセールスも、戦略コンサル出身のキレ者も、感情をあらわにして泣いていました。
私もその一人です。少年野球の決勝戦で負けた時も、中学の野球部の引退の時も、悔しくて泣いたことはありませんでした。
やりきれたことに対する労い、入賞もできなかった悔しさ、先に挙げたことができていればみんなの頑張りを台無しにせずに済んだかもしれないという後悔。いろんな感情が襲ってきて、最前線で引っ張ってくれていたリーダーが悔しそうに挨拶しているのを見ると、もうダメでした。

個人差はもちろんありますが、今回の挑戦と敗北から、Cチームのメンバーは先に触れた内容をはじめ多くのことを学び、合宿のコンセプト通り「The Model」を超えた強い結束を手にしたと思います。
特にリーダーを務めた石井栞さんは大きな成長があったのではないかと思います。

本気で挑むから、どんな場所でも成長できる。
本気で挑むから、普通じゃない結束が生まれる。

私は、この1回の合宿から、そんな組織の自家発電力ともいえるものを感じました。

※ちなみに、コンテストの順位では箸にも棒にもかからなかった我らがCチームの作品ですが、見返すとセリフがおもしろいと評判で、酒のつまみとして何度か上映されるなど爪痕を残すことはできたようです。インターン生の子がエモいメイキングムービーを作ってくれて、とにかくトータルで良い時間でした。

BBQの集合写真。チームカラーはピンク、手はCマーク。


最後に

いかがでしたか。今回は、私が大好きなログラスの「熱くて、少しお茶目なところ」をお伝えしたくてここまで紹介してきました。堅実なプロダクトを扱っている会社ではありますが、みんな遊び心に溢れた、魅力的な人ばかりです。人によっては「こんな熱量は苦手」と思う方もいるかもしれませんが、もちろん落ち着いた人もたくさんいます。
また、組織を一枚岩にするためのユニークな仕掛けとして、このエピソードが少しでも参考になっていたら嬉しいです。

ログラスは「良い景気を作る」ために毎日邁進中、採用も絶賛募集中です。
少しでもログラスの風土に興味を持ってくださったら、ぜひ声をかけてくださると嬉しいです!


ログラスのカルチャーに興味を持っていただけた方には、以下の記事がおすすめです。どのようにしてこの記事でお伝えしたような熱量が組織に宿ったのか、その背景を感じていただけると思います。


さて、次回はログラスの6代目バチェラー🌹、セールスの松倉さんの記事になります。乞うご期待!


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