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呪術廻戦 「懐玉・玉折」における「玉」とは?考察

⚠️呪術廻戦単行本9巻までのネタバレを含みます

今夏アニメ筆頭として人気の高い呪術廻戦。

内容は五条悟・夏油傑らの高専時代の過去編だ。

タイトルは原作通りの「懐玉・玉折」だが、
どんな意味だかいまいちピンと来なかった。
(学がないだけだったらすみません…)

なので少し調べて、ついでに考察してみる。

○懐玉

「懐玉」

明徳・才能を持つ。

平凡社 『普及版 字通』

「被褐懐玉(ひかつかいぎょく)」

うわべは粗末だが、内にはすぐれた徳を備えているたとえ。

(うわべは粗末な服を着ていながら、ふところに玉(宝石)を隠しているという意から。)

三省堂 『新明解四字熟語辞典』
『老子』七〇章


検索結果の1番上にでてきた考察サイトによると、五条の隠れていた才能が開花していく様子を表現していると書かれていた。
なんとなくはわかるけれど、腑には落ちなかったので僕はそこからもう少し踏み込んで考察していこうと思う。

まず懐玉の本来の意味を知って、実のところ僕はすこし驚いた。

てっきり夏油傑との宝石("玉")のように輝いていた高専時代の思い出を"懐"かしんでいる、という意味で「懐玉」だと思っていたから。

なので懐かしいじゃなくてふところがあったか!と意表をつかれた気分だった。


ここからは僕の考察だが、

隠れていた才能が開花していく様子というよりは、見た目は普通の高校生(呪術高専だけどね)で普段はふざけている五条悟が六眼と無下限呪術を持ち合わせていることを表しているのではないか。

腑に落ちなかった理由には「うわべが粗末」の部分が考察に含まれていなかったこと、懐玉本来の意味に才能が開花していくという意味はないことがあった。

この考察であれば、本来の意味をちゃんと汲み取れるので僕はこっちの意味合いな気がする。

そしてさらに言えば過去編のキーマンの1人である伏黒甚爾(伏黒パパ)にも同じことが言える。

呪力を全く持たず、ボートレースや博打に明け暮れる放浪者のような見た目(なおイケメン)の伏黒パパが実は天与呪縛の最強フィジカルギフテッドなのだから。

さらにさらに言えば夏油傑も、天内理子も同じことが言える。

見た目は高校生・中学生にも関わらず、夏油は呪霊操術で当時五条とともに最強の一角、理子ちゃんは星漿体なのだ。

まとめると「懐玉」はこうした過去編におけるキーマンたち共通のタイトルなのではないだろうか。

最終的な判断は「玉折」も考察してからにしよう。


○玉折

「玉折」

玉が砕けること。
転じて、才子・佳人が若死にすることのたとえ

小学館 『デジタル大辞泉』

「蘭摧玉折(らんさいぎょくせつ)」

賢人や美人などが、その魅力を十分に発揮しないまま、この世を去っていくこと。

蘭の花が散り、玉が砕け割れること。

三省堂 『新明解四字熟語辞典』
『世説新語』言語


玉折に関しては概ね予想通りの意味合いだった。

さて先ほどの考察サイトでは、夏油が道を逸れて呪術師として潰れていく様子と考察されていた。

が、これだと少し物足りない気がする。

恐らく才能のある夏油が呪術師として死ぬ(呪詛師に転ずる)という意味は含まれていると思うが、それだけだったら別のタイトルにもできる。

それこそ「覚醒・堕落」とかね。

わざわざ普段使わないような難しい四字熟語由来の熟語、さらに言えば「玉」という同じ文字が使われている熟語を引っ張ってきているんだから、恐らく「玉」が表すのは同一人物だろう。

さらに考察サイトでは8巻(タイトル:懐玉)で五条が伏黒パパを倒して世界最強の強さを手に入れ、9巻(タイトル:玉折)で夏油が呪詛師に堕ちていくと書かれているが、

実際のところ、8巻巻末時点では五条が伏黒パパに胸を突き刺されたところまでしか描かれておらず、覚醒には至っていない。

以上のことから懐玉が五条覚醒、玉折が夏油堕落という考察がピンと来ないのだと思う。


長くなったけれど「玉折」の僕なりの考察をしよう。

「玉折」の由来となった「蘭摧玉折」という四字熟語には才能のある者の死だけではなく、必ず「美人・美女の死」も含まれている。

そう考えると物語のキーマンで唯一の女性、かつ美人(美少女)の天内理子は対象になるだろう。

その魅力を十分に発揮しないまま、というのも星漿体としての役割や普通の女の子として生きるという最後の最後で決断した生き方を全う出来ずに殺されてしまった境遇に重なるところがある。

六眼と無下限呪術の魅力を十分に発揮しないまま1度死の淵まで行った五条悟も同じく当てはまりそうだ。

伏黒パパが少し微妙なところで、魅力を発揮せずという部分は当てはまらない気がする。

が、「玉折」の才子が若死にすること、という意味的には推定年齢20代後半時点で死んでしまった伏黒パパはなんとか当てはまるだろう。

少しこじつけがましくなって申し訳ない。

最後に夏油だが、彼も覚醒した五条には劣るものの単独で国家転覆が可能と考えられる程の実力を持つ特級術師で、どう考えても才能ある若者だった。

その彼が理子ちゃんの死や五条の覚醒、さらにはダメ押しで慕われていた後輩灰原の死や任務先の村落でのミミナナへの非行を目の当たりにし、根底にあった術師・非術師への考え方を変えざるを得なくなり、呪詛師へと堕ちた。

先にも書いたが呪術師として死に、呪詛師になったため、彼もまた「玉」に当てはまるだろう。

以上から「玉折」もまた、「懐玉」と同じく物語のキーマンである4人に共通したタイトルだと考える。

アニメでは現在4話「懐玉ー肆ー」まで放映されており、5話のタイトルは「玉折」となっている。

4話と5話との間で変わったことは、

・天内理子の死
・五条悟の覚醒
・伏黒甚爾の死
・夏油傑の堕落

他にもあるかもしれないが、今回の話に関係する部分のみ抜粋させてもらった。

アニメのタイトルの区分けも彼ら4人が「玉」であるような区分けがされているような気がする。

思い込みと言われたらそれまでだけどね…


いつもとジャンルの違う記事になってしまったが、どうだっただろう?

この題材を書くか迷ったのだが、「夏油傑」というキャラクターの魅力と彼の内なる葛藤、それが丁寧に描写されている「懐玉・玉折編」が好きすぎたので、今回は書かせていただくことにしました。

あくまで個人的な考察であり、参考にさせていただいた考察サイトの方の考察が正しいかもしれません。

そして考察サイトの方の考察を否定するものでもありません。

ご理解の上、ご一読して頂けますと幸いです。

《参考》
https://meteorlibrary.com/2021/02/02/

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みんみ
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