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靴屋のマーケティングってどんな仕事?

マーケティングの勉強を始めたのは
良いものを、それを求めている人に
届けられるようになりたかったから。

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よく「お仕事何されてるんですか?」とか
「それどういう仕事なの?」と聞かれるので
まとめてみました。

最後にどうして私が靴屋を、しかも大手とは言えない会社に就いたのか、仕事に対する私なりの考え方もまとめてみました。

就活生はもちろん、お仕事に悩んでいる方に参考になるかは置いておいて「あーこんな働き方、考え方もあるんだな」と思ってもらえたら嬉しいです☺︎笑

靴屋さんで働くということ

新卒で小さな靴屋さんで働き始めて3年。
2年間、店舗で『シューカウンセラー』という肩書きをもらってお仕事をしていました。

靴と足にお悩みがある方へ

『シューカウンセラーってなんぞや!?』って感じだと思いますが、簡単に説明すると「靴と足のお悩みの相談にのる人」です。直訳やないかい。

例えば
・お仕事パンプスがいつも靴擦れする
・足がすごく疲れやすい
・膝、腰を痛めてしまっている
・サイズがぴったり合うものに出会えない
・そもそも足に合う靴なんて出会ったことない

そんなお悩み、思ってませんか?

私は悩んでいますよ。
私は足サイズが小さく、21.5cmです。
足囲(ワイズ)といわれる幅はC〜Bワイズ。

一般的な靴サイズが23〜24.5cm
ワイズは3Eと言われています。

つまり私の足のサイズも市販で買えないサイズなのです。

「わぁ!この靴かわいい!」と思ってもサイズが無くて諦めたり、「まぁなんとかなるだろ」と大きめサイズを買って履いてみたら足血だらけ…みたいな、そんなお悩みありませんか?

そんなお悩みを抱えつつ
でも「キレイな靴が履きたい!」と思っている女性の皆様に、少しでも『快適に好きな靴を履いて欲しい』そんなお手伝いをするのが『シューカウンセラー』のお仕事です。

シューカウンセラーってなに?

自身の足ってまじまじとみたことないですよね?
しかも足の骨が何本あってどんな動きするとか考えたことないですよね?笑 私はシューカウンセラーになるまで、お恥ずかしながら足の骨の数なんて知りませんでした。

・足のフォルムはどう?
・関節の柔らかさは?
・脚のライン(O脚・X脚など)は?
・股関節の可動域は?
・歩き方のクセは?

足を飛び出して脚から腰あたりまで、お客様の足の特性を見極めて、そこから考えられる『起こり得る足トラブル、靴擦れなどの靴トラブル』を推測します。

もっとわかりやすく言うと
「あなたの靴擦れの原因はここです!」
って見つけます。

そんな簡単に見つけられるようになりたいのですが笑 足って複雑なので(骨の数は多いし、体重かかってるし、身体の中で1番負担かかってそうなパーツですよね)素早く原因特定はなかなか奥深くて難しいのです。早く透視能力を身につけたい。

もちろん言うだけではありません。
原因特定なんてお医者さんが本業ですから、
正直私たちはお医者さんには勝てません(免許持ってないし)

ただ、私たちは『シューカウンセラー』つまりは靴のプロなので、その足の特性を元に「無理なく履きたい靴を履けるようになるにはどうしたら良いのか」を考えるのです。ここからが本業、腕の見せ所です。

例えばパンプス。
ヒールが高い靴をコツコツ鳴らして姿勢良く歩いている姿。それに合わせたピチッとキレイなお洋服を着ている姿、誰もが自身で想像したことあると思います。

でもパンプスってめちゃくちゃ痛い。
だって足を押さえる面積もめちゃくちゃ少ないし、ずっと爪先立ちで歩いているようなものなので、痛いに決まってるんですよ。

でも痛いを理由に履くことを『諦めてしまう』のも悲しい話だなって思います。

「私には似合わないから…」
「私には合わないから…」

そうやって本当に自分の心に嘘をついて諦めてしまうのはやっぱり悲しいですけど、そもそも諦めせざるを得ない状況でもあるんですよね、だって靴が無いから。痛くない靴がこの世に存在しないから。私も含めて、みんな泣くなく諦めさせられているんです。

だから、私は靴屋で働いているんです。
少しでもみなさんの力になりたい。
みなさんが少しでも笑顔になって
靴選びがワクワクするものに変えられたら

そんな気持ちでお仕事に精を入れています。

靴屋で働いてよかったこと

私が2年間、現場で働いて嬉しかったエピソードを共有させてください。

数年ぶりにスカートにチャレンジできそうです

あるお客様は、ピアノの発表会用のパンプスをお探しに来店されました。

今お手持ちのパンプスでは、ペダルを踏むのはもちろん、ステージ間を歩くのすら足が痛くていたくて苦痛とのこと。
しかも身体を痛めていて、普段はコンフォートスニーカーを履かれています。

このコンフォートスニーカー、もちろん足のことをたくさんたくさん考えられた、いわゆる機能的に良い靴なんですけど、これがまた言葉選ばずにいうと「おばちゃんっぽい」デザインなんですよね。まぁ、ちょっとテンション下がりますよね。

その方は、最終的にうちでパンプスをオーダーいただいたんですが、後日わざわざお礼をいいに来店してくださったんです。

「私がまたパンプスが履けるようになると思いませんでした。今までコンフォートシューズに合わせてパンツスタイルにしたり…と足のトラブルをきっかけに好きな服装を諦めてしまっていたのですが、この冬は久々にスカートスタイルにチャレンジしてみたいと思っています!」

そんな言葉をいただけて、本当に嬉しかった。
本当に嬉しかったんです。
今でもこの言葉をいただけたときの表情を忘れられません。

誰かの喜びを作るため、そのために仕事があるんだなって再認識した瞬間でした。

ちなみにその時、ご自身で作られた手縫いのニットを見せていただけました。今も靴を通して、少しでも好きなお洋服が着れていますように、と祈るばかりです。

初めて靴選びにワクワクしました

この方は足が大きいサイズの方。そしてトランスジェンダーの方です。髪もお洋服も姿勢も、もうすごくお綺麗でお優しい方です。

ただ、いろんなお店でサイズはないことはもちろんですが「うちに合う靴はないです!」と言われまくり、なかなか靴に出会えていなかったとのこと。

どんなデザインが履きたいのかをお聞きし、足の特性に合わせてその靴を無理なく履けるように、インソール調整も施してみました。

そしたら凄く喜んでいただけて。
「こんなに靴選ぶのが楽しいって思ったのは初めてでした!」とお言葉をいただけました。

いや、そんな嬉しい言葉あります?
だって私が目指していた「ワクワクしてもらう」がついに形になった瞬間でもあり、本当にほんとうに嬉しかった。その後、わざわざ私を指名してくださって。初指名だったからそれも嬉しかった。

私自身、めちゃくちゃ『他人軸』で生きていたタイプなんですよね。相手に喜んでもらえたら私も嬉しいし、悲しんでたら私も悲しい。自己肯定感が地ほど低いから「自分がどうしたい」よりも「誰かのこうしたい」を優先してしまう。

良い言い方をすれば「優しい人」かもしれないけど、「他人に振り回されて損する馬鹿なやつ」ともいえるし「人の顔色ばかり伺う八方美人」ともいえる。性格なんて一長一短ですからね。

だからこそ、私の喜びって「誰かに喜んでもらうこと」だなって。それが回りまわって自分の喜びになるし、必要とされることによって自信にもつながる。今のところ天職だなぁとも思います。

新たなる課題、『認知力』

こうやってシューカウンセラー、靴屋で働いていて嬉しいこと、やりがい、いろいろあるんですけど、今大きな壁にぶち当たっているんです。

そう、『認知力』

すなわち集客力・PR力が足りないんですよねぇ、痛いところです。どんなに良い物・サービスがあったって、それを知ってもらえないと意味がありません。

うちのお店は池袋の一等地にありながら、認知度鬼低いんです。ビジネスとかお金の話とかやらしくてあまり言いたくないんですけど、売上がないとお店を継続することができないし、社員もお給料上がらないからモチベ下がって離れていっちゃうし、靴が売れないから、倒産してしまったり職人さんがいなくなってしまったり、もうこれはずっと負のループ。

そんな状況じゃダメなんです。困っている人はこんなにもたくさんいるのに、それを救おうと頑張っている人たちが諦めせざるを得ない状況なんて、それも悲しい。

そう、私は八方美人ですからお客様も救いたいし、販売員もメーカーもみんな救いたいんですよね、ワガママでおこがましいですね。

でもお客様の喜んでいる顔を見てしまったら、頑張っている販売員・職人さんたちの悲しい顔を見てしまったら、居ても立っても居られないんです。

そのためにはマーケティングが必要だと思いました。
もちろん、その道のプロにお任せすればいいんでしょうけど、現場にいた人間だからこそ伝えたいことがあるんです。まぁまだ24歳なので、得られる知識はたくさん得たいお年頃なので、社長に「マーケティングのお仕事、私にやらせてください!!」といい、今に至ります。

マーケターのお仕事①ブランディングの言語化

「マーケティングって何するの?」の疑問にちょっとだけ私のやっていることをお伝えします。マーケティングってだけ聞くとなんか胡散臭く聞こえるもんね(笑)

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マーケティングのセミナーに参加し勉強させてもらっている中で『言語化』能力の大切さに気付きました。

お客様はどんな人で何を求めているの?
うちの商品サービスを買うとどんな良いことがあるの?

これらを深堀に深堀を重ねて「私たちを求めている人たちはどこにいるのか」を見つけ、その方々に届けなければいけません。

この夏からずっとこのことだけを考えつづけています。

マーケターのお仕事②買わない理由を無くす

言語化して、うちの商品・サービスを求めている人がわかったら、その方たちが迷わないようにして上げなければなりません。せっかく期待して来店してくれるんだから、期待以上のことを提供してあげたいのが本心です。

そのために大切なのは問題点から『課題』を見つけること。

例えば「リピーターが少ない」という問題があれば
その問題から
・何が原因なのか
・改善できるのは何かないか
を考えなければいけません。

どうしてリピートしないのか、課題と改善点を『買い手目線』でとにかく考えつづけます。
例えば
・1足買えば良いと思っている
 →靴の大切さの本質を伝えきれていないのでは?
・再来店予約の仕方がわからない
 →販促物に予約ページのQRコードついてる?
  販売員がフォローアップのトークできてる?
  予約ページは分かりづらくない?
などなど、原因を深堀してそこからシステムとかトークスクリプト、マニュアルの改善を提案していきます。

大事なのは『お客様視点に立つこと』
ついつい売り手視点のセールスをしがちになっちゃうけど、一番は売上ではなくて、お客様に喜んでもらうことが大事ですから。本当に。


マーケターのお仕事③正しい情報を伝えづづけるコンテンツ

そもそも、潜在顧客…つまり靴選びの重要度に気づいていない人たちに気づいてもらう必要性があります。

お洒落は我慢、なんて言葉もありますけど、我慢した結果身体壊して、お洒落出来なくなったら本末転倒ですから。健康ってのは身体を壊してから考えるんではなく、予防することが大事なんです。

しかも今はSNSが普及して、誰でも気軽に発信できる時代になりました。ネットの世界は情報に溢れています。

なかにはお金のことだけ考えてだまそうと間違った情報を伝えてしまう人もいます。

例えば化粧品とかスキンケアとか、万人に合うスーパーパーフェクトコスメなんて存在しません。だって肌質も人それぞれなんだから、合う合わないが存在するはずです。

靴もそう。全人類が痛くなくてぴったり合う靴は存在しません。人それぞれ身長も体重も生活スタイルも違うんだから、足のサイズも違うし、足への負担量だってめちゃくちゃ歩く人とほぼ歩かない人ではまったく違った足になります。

だから、シューカウンセラーのようなお仕事が存在するし必要とされる。万人に合う100点は存在しないからこそ、スキンケアに脂性肌・乾燥肌用があるように、この靴は「誰に合うのか」こんな足の人は「どんな靴を選んだらいいのか」論理も含めた正しい情報を届けなければいけません。

マーケターのお仕事④販売員もワクワクする

これは私情の感情がモリモリ働いているんですが、お客様だけでなくて、売り手側も楽しんでもらえないと意味がないと思っています。

シューカウンセラーは正直、ただファッションだけで靴を売ることが出来ません。お洋服とも違い「痛み」が発生する可能性がある以上、簡単な思考だけで物を売るわけにはいかないんですよね。

でもこれがまた難しい。私も入社3日目にして『距骨下関節ってなにか説明してごらん』って言われた時は、信じられないくらいの冷汗をかきました。なんやねん距骨って、そもそも距骨ってどこやねん、みたいな。

私も医療系の勉強は全く通ってこなかったので、諦めたくなったり、逃げ出したくなる気持ちもわかるんです。けど問題はそこじゃなくて、難しいものを難しく伝えてしまっているからではないのかな、と分析しました。

私たちがひらがなを覚えたのも、足し算を覚えたのも、先生たち教育者が「どうやったらモチベを保ちながら覚えてもらえるかな」と悩みながら、ゲームを通したり、例となるものを作ってくれたり、教案を考えてくれたおかげです。

この話になるともはやマーケティングというよりはマネジメントの話になってきますが、頭がいい人たちが考えたものを翻訳・要約して伝える仕事も大切です。具体化と抽象化ってやつですね。めっちゃ難しい、永遠の課題すぎる。

でもここまでやって、やっと③のコンテンツづくりが骨太なものに仕上げることが出来るとも思っています。幸いにも大学は教育の勉強をちょこっとかじったので得意分野です。まったく違う分野のお仕事しているようで、まわりまわってくるんですね。無駄な学びなんてないんです。良いこといった。

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こんな感じが私のいまやるべきことです。今note書いているのも「靴屋の認知広めたいな」って思いで書き始めたんですが、改めて自身の仕事の整理にもなりました。

24歳が考える仕事と人生

仕事は目的ではなく『手段』

私は仕事は目的ではなく『手段』であるべきと考えています。

例えば『ユーチューバーになりたい』が目的となってしまうと、バズるためにはなんでもするようになってしまうんですよね、たぶん。

そうじゃなくて、YouTubeというコンテンツを通して「自分は何を伝えたいのか」を考えるべきだと思っています。

目的は、自分の人生の『叶えたいこと』『なりたいもの』に設定して「それを叶えられる仕事はなにかな?」と手段を考える、という順番なのかなって。

70歳の時の自分、何してるかなって

私は人生の目標値を70歳に設定しました。定年退職をし、老後を過ごす70歳の時の自分の理想の姿を思い浮かべてみました。

私は70歳になった時、白髪でレースのブラウスにアクセントになりそうなスカート、パンプスを履いて喫茶店でコーヒーを飲みながら本を読むおばあさんになりたいです笑

あと、何か目標とか夢があるけどどうやって叶えていいかわからない子、自信がない子たちの背中を押してあげたい。

そのためにはキャリアを積むことが大事だと思いました。ちょっと大変でも、自分で考えて自分で仕事を見つけられるような、そんな環境で働きたい、と。

目標から逆算し今やるべきことを探す

そうすると大手だと叶えられないかなって思い中小企業を探しました。どうしても私は女性で、結婚や出産などのライフイベントが起こり得る可能性が0ではない。そしてまだまだ男性有利の社会で、女性が幹部職に就くことは難しいのかもとも考えました。

だから小さくてもいいから、ビジョンが共感出来て、意見を尊重してくれる、やりがいのある会社を探していたところ、今の会社とご縁があり就職を決めました。

そんな感じで、目標から逆算して自分のやるべきことを見つける。そのやるべきことが叶えられる職場はどこにあるんだろうって考え方で就職しました。

どうしても仕事に就くを目標にしてしまうと、辛いことがあった時にメンタルにずっしりきてしまうので、お仕事はあくまで目標を叶えるステップアップくらいだって思っていると、少し気持ちが楽になるんじゃないかなって思ってます。

もっとワクワクする靴選びを

兎にも角にも、靴選びをもっとワクワクするものにするのが今の目標です。

後々はディレクターとしてデザインも可愛くて履き心地もいい靴を作りたいと考えてます。自分が靴に困っている側の人間なので、自分の履きたい靴は自分で作れるようになったらいいなって。友達の分とかも。

そのためには靴屋にもっとワクワクの魔法、つまりマーケティングを頑張らないとなぁって思ってます。毎日まいにち奮闘中。

もしここまで文章読んでくださった方がいたら、少しだけ足元を気にかけてください。

意識するとちょっと見方が変わってくると思いますが、それでもし悩みが出てきた時は、ぜひ私に相談してください☺︎笑

靴屋のお仕事


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