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次に観るアニメを探すマガジン

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次みるアニメに迷ったら、のぞいてほしい。 作品との偶発的な出会いの”場”を目指してます! 記事投稿ルール ✅作品単位の記事のみを対象とする 作品を探すことを目的にしているため、…
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2023年8月の記事一覧

【ネタバレ感想・批評】『BANANA FISH』

※注意事項※ 本記事は、筆者が当該アニメを視聴した際に抱いた感想を綴ったものです。批評としての体裁を保つべく、可能な限り客観的・論理的な記述を心掛けてはいますが、あくまで個人の主張に過ぎず、その他の意見を否定する意図はございません。内容に触れない批評は説得力がないため、全編ネタバレありです。未見の方はご注意ください。なお、筆者はアニメを鑑賞する上でストーリー・シナリオを最も重視しており、作画・音楽・声優等には余程のことがない限り言及しません。ご了承ください。 記事に対

ぼっち・ざ・ろっく!の嘘のエモさ

喜多郁代最かわ最エモキャラの喜多郁代の話をする他ない。 主人公の後藤ひとりを中心にぼっち・ざ・ろっく!は展開される。ひとりの身の回りで起こったこと以外は視聴者にも観測できない。ひとり視点と実際の姿の乖離最も大きいのが喜多郁代である。我々から直接見える喜多郁代は能天気に口を開けている姿だ。彼女が何を考えているか、一人でいるとき何を思い悩んでいるか直接知る術はない。 急にキラキラした陽キャとして描写をされてきた彼女がこんなことを言って意外に感じたかもしれない。しかし、登場回か

サマータイムレンダ -タイムリープものって主人公に感情移入しやすい気がする-

夏だ!海だ!サマータイムレンダだ! 『ひぐらしのなく頃に』+『STEINS;GATE』のイメージが強い作品。 特に、『STEINS;GATE』の要素を感じずにはいられない。 2期OP「夏夢ノイジー」の作詞・作曲は、『STEINS;GATE』でおなじみの志倉千代丸さんが担当。 シュタゲっ子は昂ったよな??! タイムリープ要素がある作品の特徴は、エンディングに向けた盛り上がりとエンディング後の達成感。 周回を重ねる主人公をみるうちに、視聴者が感情移入するからだろう。 『サ

『キルラキル』十襲年を祝いたいので、全話の感想を書く(後)

これまでのキルラキル第十三話 君に薔薇薔薇…という感じ 皐月は全国学園支配のクライマックスとして三都制圧襲学旅行を決行。流子は自身の血に飲まれての暴走を経験し、自信喪失し部屋に閉じこもってしまう。そんなどんよりした空気をぶち壊すのは、通学を封じられた元新聞部!?と落ちの回もハイテンションなのが『キルラキル』節。大城美友風に言えば『君に涙は似合わない』だろうか。  三都制圧襲学旅行に向けて準備を進める皐月&四天王ズ。最後に残された学園が関西に集中しているのも、実は皐月様と犬牟

『キルラキル』十襲年を祝いたいので、全話の感想を書く(前)

 お盆休みが始まった。長い休みが始まるとどうなる?知らんのか。『キルラキル』が始まる。  以前より、私のオールタイムベストTVアニメーションは『キルラキル』だという話をtwitterなりnoteなりで散々してきたが、十年が経っても本作は心の玉座を譲らなかったし、むしろその確認をするために一年に最低でも一回は通しで観てしまう。何度観ても同じ所で笑い、血を滾らせ、信じられないくらい落涙する。いつだってコンテンツに助けられながら生きてきたが、最もキくカンフル剤は『キルラキル』であ

呪術廻戦 揃うとエモい2人

 ジャンプは読んでいないから呪術廻戦のストーリーはちゃんと知らない。私はいつもアニメで、マンガのストーリーを追ってきた人間である。  世の中の騒ぎ的に、チェンソーマンが早く見たいとは思っているけれど、最近始まった呪術廻戦を観ていた。  いいな。この2人が揃うと、なんかエモイ。オープニングとエンディングの曲とそれに流れるアニメーションも、2人の男がいる青春のエモさをかきたてている。  なんだかよくわからないけど、男が2人いるだけでエモイという物語は古今東西あちこちにある気が

ミリオンライブ!のアニメを見てほしい

 タイトル通り。ミリオンライブ!のアニメ(ミリアニ)のネタバレを含まずにどうして見てほしいのか、初見でもミリしらでも楽しめるのか、という話をしたいと思います。ミリオンライブ!を全く知らない方にもわかるように書いたつもりです。目を通していただけたら嬉しいです。  後半はいろんな人にミリアニを見てほしいと思っているオタク向けに今私がやっている布教方法を伝えたいと思います。もっといい方法があれば教えてください。 アニメ版アイドルマスターミリオンライブ!とは アニメ版アイドルマスタ

ゼーガペイン(2006年)【アニメ感想の歴史は前世に遡るんだ!「なんだってー!」 最近、これを言ってくれる人間が本当に少なくなってしまったんだ「そりゃそうだろ」】

これはネタバレ不可避だぜ。 少年少女時代にゼーガを観た人たちが社会に出てきて久しいですが、今でもだいぶ記憶に残っていらっしゃるそうです。 我々世代にもそういう作品はありましたよね。 さてこれは巨大ロボットに乗って戦う系のアニメでして、 主人公たちは水泳部なので、男女ともにセクシームキムキ。 しかしながら、そういうのが気にならないくらい、 ストーリーが凝りに凝っていました。 さあ、ネタバレ発射! あ。 バカな、早すぎる! 私たちは滅亡した人類の記憶なの! 実は、物語開始

アニメ「蟲師」 

   派手さはないが、一定の人気を集めているアニメに「蟲師」という作品がある。確か、映画にもなっているはずだ。  ジャンル的には「伝奇」とでも言うのだろうか?  バトルもないし、ミステリーでもスリラーでもない。エロもエッチも皆無だし、笑いもなければ、特別泣かせるでもない。ガキが喜びそうな要素は皆無の、完全に「大人向け」のアニメである。  時代背景は……江戸から明治にかけての、架空の時空なのだろう。主人公以外、コスチュームは着物であり、風景も水墨画に水彩を流し込んだような