子供のためのルーブル美術館(83)アイン・ガザル/9000年昔からやってきたのはだれ？

メソポタミアやエジプトの王様おうさまたちより　もっともっと昔むかし
今いまから9000年前ねんまえに生うまれたアイン・ガザル像ぞう

ルーブル美術館びじゅつかんの作品さくひんの中なかで最もっとも古ふるいものです。

ルーブル美術館展示年表

美術館びじゅつかんの部屋へやには　
アインガザルがたったひとり……ちょっと怖こわいけど

後うしろから少すこしずつ近ちかづいてみましょう

背せの高たかさは1メートル　厚あつさはたったの10センチ

9000年ねんもの長ながい間あいだこんな大おおきな像ぞうが壊こわれないで
いま、ここに立たっています。

むかしむかし　ヨルダンのアイン・ガザルにある泉いずみから　美うつくしい水みずがみゃくみゃくとわき出でてザルカ川がわになりました。
ザルカ川がわはアラビア語ごで「青あおい川かわ」と言いいます。
青あおい川かわは、そこから北きたに西にしに、深ふかい緑みどりの谷たにを流ながれました。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jabbok.jpg

美うつくしい泉いずみのわくアイン・ガザル、
川かわにそった豊ゆたかな土地とちは、人類じんるいで最もっとも古ふるい居住地きょじゅうちのひとつになりました。
この川かわで取とれた草くさ、アシをたばねて形かたちを作つくり
そのまわりを石膏せっこうで焼きかためて、アイン・ガザルの像ぞうは生うまれたのです。

いったいこれは誰だれなのでしょう？
何なんのために作つくられたのでしょう？
まだよくわかっていません。

さあ、もっと近ちかくに行いってみて！

9000年前ねんまえの世界せかいを見みていた目めが　私わたしたちをじっと見みつめています。

Statue de forme humaine
Fouille de Aïn Ghazal, Jordanie
Période Néolithique pré-céramique, 7° millénaire
Plâtre de gypse, paupières et pupilles en bitume
人間の形をした像   ヨルダン
先土器時代、新石器時代、紀元前7000年
石膏、瀝青(天然コールタール)のまぶたと瞳孔
アイン・ガザル遺跡発掘1985年

1985年にヨルダン・アメリカの考古学発掘調査でアイン・ガザルで発見され、1985年から1996年までワシントンのスミソニアン協会保存分析研究所で修復されたこの像は、ルーヴル美術館に30年間貸し出されている。
9,000年前のもので、ルーヴル美術館に展示されている作品の中では最古のもの。
ヨルダンのアイン・ガザルは、紀元前8千年に建設され2000年にわたって栄えた。
紀元前7千年に肥沃な三日月地帯一帯に広がった新石器文化で生まれたこの像は原始的な火工技術、地元の石膏を焼成して作られた。
おそらく首長であろう特定の死者の頭蓋骨が別々に保管されていた。こうして石膏や粘土でモデル化されたことは、祖先崇拝の存在を示唆していると考えられる。
この像を含め、30体近くの石膏像が発見されそれらは全身像か、頭部が一つか二つの胸像である。おそらく想像上のもので、儀式的なものであろうが共同体の結束を確保するためのものであったと推測される。
アイン・ガザル像は、ヨルダン考古局との協定によってルーヴル美術館に展示されている。所有権を保持する中東の国の作品がルーヴルの常設コレクションと一緒に展示されるのは初めてのことで貸与期間は30年間。その代償として、フランス国立美術館とルーヴル美術館は、ヨルダンの石灰岩と漆喰の修復と展示に協力した。

musée du louvre 

Statues d'Ain Ghazal — Wikipédia

アイン・ガザルの像 - Wikipedia

ザルカ川 - Wikipedia

お読みいただきありがとうございました。
ルーブル美術館展示物の中でも最古参、アイン・ガザルの像は借用作品でもある為かあまり大きく取り上げていないので、たまたまこの像に出合って驚くという人が多いようです。鑑賞者も少ないです。
運良く出逢えれば♡広い一室にただ一体、堂々の風格。
謎の多いアイン・ガザルですが、その目はどこか遠くを見つめていて部屋全体が不思議な空気に包まれる感じがします。宇宙人？！

ヨルダン　アンマン地図