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他作短歌

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御殿山みなみが誰かの短歌を語っています
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短歌誌「うたそら」第1号を読む②

前回の続きです。

どんどんいきましょう。

ものすごいスピードで追いかけてくる夕日に噛みつかれた踵が/橘高なつめ

この「踵」、誰のなんだろう。誰かのだとは思うけどそうすると「噛みつかれた」の把握が怖いし、自分の踵だったら自分に追われることになるし、どう読みに行ってもこわいなあというのと、夕日があたったのを「噛みつく」と書くのか、すごいな、というのと。

走ってる人が急いでいる顔をしていてこれが

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短歌誌「うたそら」第1号を読む①

上のURLから読みに行けます、千原こはぎさん編集・発行の短歌誌「うたそら」第1号を読んでいきます。8首連作を投稿できるシステム、インターネット上に新たな投稿プラットフォームができて嬉しいです。

読んでて面白かった歌になんか書いていきます。

何十も数えた羊を放り出しジッパー上げる寒空の下/相河東

普通に考えたら寒空の下で寝ようとはしないだろう。それ以外の目的で羊を数えていたのかもしれないけど、

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短歌連作サークル「あみもの 第三十八号」を読む

いつものようにやっていきたいと思います。ちなみに、次号で終わりだそうなので、なんとなく次号はやらないと思います。

目の前で転んだ人が振り返る俺は何にも悪くないのに/青山祐己

転んだ人が振り返るときって、後ろに原因があるからというよりは、照れからくる後ろの確認だと思うので、そりゃ主体は悪くないでしょ、なんだけど、その視線の先に居合わせることもばつが悪いことではあるな、と感じて、そこまで含めての下

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短歌連作サークル誌「あみもの」第三十七号を読む

よむぞー。

ぶつかっているから音は際立って ケトルは便利だから使って/がね

「ぶつかっている」のが何かはわかんない。「ケトル」はわかるけどそっちも「音」がしそう。それぞれ書いてあるものと書いてないものが対照的になっているから、合わせて想像するとなんだかおもしろくなってくるね。

いのちとは神様の線香花火なのだろうかと夏にも思った/あぼがど

その「夏」の話をしてほしいし、なんなら「今」の話もし

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短歌連作サークル誌「あみもの」第三十六号を読む

あけましておめでとうございます。いつものやっていきます。

そういえば誰の秘密も知らなくてさみしさにバレエを踊りだす/ひかる

「誰の秘密も知らない」ことを、「そういえば」で気づく感じ、わかるな・・・って思います。と同時に、他人の秘密、一つも知らない、は、少数派なのかもしれんです。下句やや安直かもですが、導入のラインがとてもいいところ。

白黒のフィルタ加工でこの街を知らない街のように扱う/書いて

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「たんたか短歌」第43回放送分 投稿歌を読みました

一句じゃなくて 一首だよっ!

でおなじみの、ラジオ石巻で放送中「たんたか短歌」第43回放送分にて、「現代歌人の小窓」シリーズに取り上げていただきました。いやーありがたい。うれしい。同番組では題詠投稿コーナーも行っていて、番組終了後に投稿歌が一覧でわかるようになっていて、かつては僕ももりもり投稿していたんでわかるけど、気合の入った歌がいっぱい集まってくるのである。

今回、題詠のお題「文」を提供し

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「たんたん拍子」vol.2内企画「黒猫歌会記」に勝手に参加してみた

「たんたん拍子」といえば、若枝あらう氏を代表とし、榎本ユミ/草薙/小俵鱚太/toron*/中嶋港人の各氏を含めた歌人6人からなる短歌サークルである。今年の東京文フリで売っていた同人誌「たんたん拍子」vol.2も買わせていただいて、面白く読んだ。

その中で、サークルが定期的に行っている「黒猫歌会」の第六回が記録として残されていた。歌会記録は面白い。人が歌について感じたことを読めるのは嬉しい。んだけ

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短歌連作サークル誌「あみもの 第三十五号」を読む

例によって今号も読んでいきましょう。

別れ際あなたのキスで震えてたしまうまの管理はあなたに任せた/仲村やすまない

すごいものを任されてしまった。これはもう無理だ。こういうときに出る動物、わからんでもないんだけど、しまうまなのは全然ありがちじゃないラインというか、でも震えてた、と主体は言って、それを主体は任せる感じ。

呪い殺すぞっておもった 言いすぎた、言ってないけどおもってたから/小泉夜雨

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短歌連作サークル誌「あみもの 第三十四号」を読む

いつものように個人的に好きだった歌を引いていきます。

日焼けした類書のならぶブックオフああ読書家が亡くなったのだ/笛地静恵

普通の本じゃなくて「類書」で、かつ古本屋じゃなくて「ブックオフ」だからわかるんだろうな、の感じ。二つ揃ったおかげみたいな。そのことと、景で示される事実としての、遺族、あんま理解せずに売ったんだな、がどうにも淋しく感じられるので、「ああ」というのもうなずける。

アスファル

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短歌連作サークル誌「あみもの 第三十三号」を読む

なんか、三十九号で終わっちゃうらしいですね、あみもの。

さびしいですね。

個人的に好きだった一首をひいていきます。

刻々と夜を失う公園であのハトなんかデカくないすか/夜夜中さりとて

あー、夜を失うのか、夜明けに向かうのか、失う、は、逆転の物言いだなーと思ったら、逆転じゃない、夜明けのほうの文脈でハトが登場してきた。ハトはすごく夜側じゃない。っていうのを、孤独感の薄い問いかけでやる。

爪を

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短歌連作サークル誌「あみもの 第三十二号」を読む

例によって、毎月参加している「あみもの」から、個人的に気になった歌を引いていこうと思う。

ねえ僕は他人と他人が仲悪くなっていくのがとっても怖い/窪田悠希

単純にこのことに心から共感したというのもあるんだけど、「ねえ」の呼びかけは「他人」にしかできないかな、と思うと、特定はできない誰かに呼びかける、すごく弱い釘刺しのような印象があって、これはこれで一つのアクションなのかもしれないな、って思った。

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短歌連作サークル誌「あみもの 第三十一号」を読む

僕が(ほぼ)毎月参加している短歌連作サークル誌「あみもの」の、第三十一号から、個人的に好きだった歌についてゆるゆる書いていきたい。好みの偏りは上等である。

倍速で伸びする苗を映写して巻き戻してはまた砂嵐/八重柏誉一

「また」砂嵐、だから、映像は砂嵐からはじまるのか、の、「ハッ」があって、適当なところで巻き戻し、止めないんだな、、、という気分になる。現実にあり得る景だけれど、そこに執念がないとこ

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たにゆめ杯を終えて

むちゃくちゃな賞レースだったと思う。

そもそもは、他人が見た夢の話さん(筆名怪しすぎない?)という方が、「たにゆめ商事株式会社」という短歌連作を作ったことにすべてが始まる。それは「たにゆめ商事」という架空の会社での仕事詠で、なんというか、「その舞台を借りて連作を編みたい」と思っちゃうようなものだった。そしてこの連作は、短歌連作サークル「あみもの」というところで公開されていたから、実際にそこで、二

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短歌連作サークル誌「あみもの 第三十号」を読む

僕が(ほぼ)毎月参加している、インターネット上で短歌連作を募集している短歌連作サークル「あみもの」に寄せられた歌から、気になった歌を引いていくというのをやってみようかなと思う。

「あみもの」は連作を募集する場なので、連作として語れる要素が多い作品が並ぶけれど、ここはひねくれて、一首で気になった歌、をフォーカスしていこう。一首だから、連作のタイトルは引かない。

粉砂糖スーツにこぼれ払ふよりなくて

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