雨粒が教えてくれる
今にも弾けそうな黒雲
見上げている間にも
空の端から街の上空へと
どんどん迫ってきた
湿った風がびゅうびゅうと
木々を揺すり騒めかせる
ぽつっぽつつっぽつつつっ!
ざあぁあああああ
悲鳴をあげても
もはや何も聞こえないほどの
今更逃げ出したところで
濡れ鼠の体裁で
圧倒的な雨粒を前にして
人間なんて小さな生き物
どんな抵抗も
虚しいだけならば
いっその事
煩わしいものも一緒に
洗い流してしまおう
踊って楽しんで
濡れて味わって
雨降りの喜びに
どっぷり浸かって
満たされよう
生きてる時にしか
感じられない充足感を
雨粒が教えてくれる