背中に背負って前に進んでいく
君からある日プレゼントを貰った際
僕はすぐにありがとうが言えなかった
驚いて、え?なんで?どうして?
とテンパって先に自分の心の有り様を
尋ねてしまった
僕の性格はつくづく損をしてるよなあと思った
昔からそうなんだ
素直にありがとう嬉しいよと伝えられたら
どれだけかっこいい事だろうか
そんな心を持ち合わせてる人をすごいなぁと思う
自分の気持ちを歪める事なく本当に思ったまま
ダイレクトに感謝の気持ちを伝えられるって
プレゼントを贈る相手からしたら
物凄く嬉しいだろうに、、
僕はそんな人になりたいがいまだになれていない
頭の中ではそんな理想的な人のように
振る舞いたいが結局いざ自分が
そんな状況に置かれると
途端に頭がわあぁぁあってなって
みっともなくも身勝手に理由を尋ねてしまう
いかんよね、相手は優しさと好意を持って
それをプレゼントと言う形で
示してくれているのに
理由を問うのはどうも紳士的とは言い難い
36歳になった僕の中に未だに息づいている
自信のなさが顔を出す
怯えた僕は相手の事よりも自分を優先して
まずは疑問を解消する為に口を開く
いやいやまずはありがとうをだねと
冷静になってみれば思う事を
テンパった僕にはその考えは思いつかないんだね
まだまだ大人になりきれないこんな僕には
カッコ良さも立派さも無い筈なのに
一体どんな思いで君は僕にプレゼントを
贈ろうとしたのかが気になってしまうんだ
あまり人に優しくされてこなかったから
むしろ邪険にされてきたから
いつのまにか野良犬のように捻くれてやさぐれて
優しい気持ちを前にするとどんな反応をして
良いものか分からなくなってしまうんだ
自分を卑下してしまう悪い癖が
僕の口からありがとうを
遠ざけてるのかもしれない
だけども君は優しく微笑むだけで
「結婚2周年記念だからあげる」とだけ言って
僕にプレゼントを手渡してくれた
かっこいいグレーのカバン
ショッピングモールで売りに出されていた
カバンを僕が見ていた事を覚えていて
手に入れてきてくれたのだ
そんなシチュエーション、、
普通は男である僕が女の子である君に
しなきゃいけないシチュエーションな筈なのに
君の優しさに性別なんて関係ないのが
本当にすごいと思った
そんな優しい気持ちに対して疑心暗鬼な僕の頭は
いつだってへんてこりんな言葉で気持ちを濁す
いかんよね、、いかんよな、、
優しい気持ちに対してありがとうの言葉を
伝えられる心の柔らかさを僕は身につけたい
疑うのは簡単だ
信じる方が難しいのも分かる
でも信じようとする心で君には応えていきたい
僕がここにいる
ゆっくりとでも心を転がしていきながら
歪んだ形を整えて丸くて柔らかな球体状に
心に仕立て直していく
いつか君からの優しさに素直にありがとうが
言える僕になれていますように
僕の背中に君からのプレゼントを背負っていけば
何かが少しずつ変わっていけるそんな気がする