雨雲の螺旋の下で
ばちばちと弾ける大粒の雨霰
轟々と打ち当たってくる
風の重みに耐え切れず
傘の骨はばきばき
見るも無惨な有り様
蝙蝠傘の出来上がり
あぁ我が身の無力を
実感するには
これ程相応しい悪天候も
他にはあるまいに
雷鳴轟く悪天候の影響下では
僕の抵抗なんぞ
見向きもされず
むしろ一息で
吹き飛ばされてしまう始末
唯々受け入れるしかない
圧倒的な力の前に跪き
耐える事しかできないのだ
あぁ早く嵐よ過ぎておくれ
ラジオでは8時間後には
雨は上がるみたいだが
それまで果たして無事で
いられるだろうか、、
雨粒はますます膨らみ
凶暴な力で街を押しつぶしに
かかってきている
じっと誰もが息を潜めて
やり過ごそうとしている
雨と風と不安感募る音の中
上空で渦巻く雨雲の螺旋に
しがみつく様に恐れ慄く様に
おっかびっくり嵐の動向を伺う
小さな生き物