【あがり症】あがり症のせいで人生がボロボロになってしまった
大阪で
「あがっていいお話練習会」を主催している、
ロン毛です。
今回は、あがり症をテーマにした、
少しだけ想像を交えた物語を書いてみました。
それでは、どうぞ!
「あがり症のせいで人生がボロボロになってしまった。」
あなたはそう思ったかもしれません。
あなたに災難が訪れたのは、もう何年も前のこと。
人前で話している最中に、
突然自分の声が震えだしたのです。
あなたは、緊張にのまれ頭は真っ白。
自分でも何を話しているのかわからなくなり、
身体のコントロールを失いました。
あなたは、
その瞬間を忘れたくても忘れられませんでした。
そして、その日から、
人前で話すことができなくなりました。
人前で話す予定がある時は、
何週間も前からそのことを考え、
不安に押しつぶされそうになりました。
そして、話し終わった後は、
一人反省会を開いては、自分を責めました。
ある日、あなたは心療内科を訪れます。
診断は「社交不安障害」。
処方された薬を飲むと、
緊張が一時的に和らぐ感じがしました。
しかし、薬でもどうしようもない時があります。
社会人として組織で働いていれば、
人前で話す機会は”突然”訪れます。
あなたは、薬を飲む間もないままその場に立たされ、
案の定、緊張に飲まれてしまうということを
何度も繰り返しました。
そして、またもや自分を責めました。
あなたは、この恐ろしい症状を何とかしたいと思い、
あがり症について調べました。
しかし、情報が多すぎて
どれが正しいのかよく分かりません。
中には、素人目でみても怪しい方法もあります。
あなたは、どれを信じればいいのかわからず、
絶望的な気分になりました。
「もう自分の人生は終わりだ」
そんな破滅的な考えまで抱くようになりました。
しかもです。
あなたは、そんな状態にもかかわらず
誰にも相談できなかった。
人に弱みを見せることが
何よりも怖かったあなたにとって、
あがり症であることをカミングアウトすることは、
ある意味「死」を意味します。
自分が「あがり症」だなんて、
とてもじゃないが口にできない。
あなたは、こんな「生き地獄」のような状態で
何年も生き抜きました。
本当によく耐えたと思います。
そんなある日、あなたはネットで
あがり症の人たちが集まる
お話練習会の存在を知ります。
あなたは現状を少しでも変えたいと思って、
参加してみることにしました。
そして迎えた当日。
会場の扉の前に立ったあなたは、
心臓がバクバクと音を立てているのを感じました。
凄まじい不安感に襲われ、
思わず引き返そうかと迷います。
しかし、ここで引き返したら
また同じことの繰り返しだと思い直し、
震える手で扉を開けました。
中に入ると、
意外なほど明るい雰囲気が広がっていました。
その光景に少し驚きながらも、
あなたは席につきます。
最初は、凄まじい緊張により、
口から心臓が飛び出しそうでした。
しかし、他の参加者さんが
緊張しながら話しているのを見ているうちに、
少しだけ緊急が和らぐのを感じました。
なぜなら、
「みんな緊張してるんや」と、
知ることができたからです。
やがて、あなたの話す順番が来ました。
緊張に飲まれそうになりながらも、
必死に自分の症状について話してみます。
すると、ファシリテーターや他の参加者さんから、
「そうそう!」
「分かる分かる」
「私も同じでした」
と言ってもらえました。
他の人たちからのそんな言葉が、
あなたの脳天を直撃しました。
あなたは、やっと気づくことができました。
「悩んでいるのは自分だけじゃなかったんや」と。
今まで誰にも話せず、
一人で抱え込んでいた気持ちが、
ようやく解き放たれた瞬間です。
世界から取り残されているような感覚が、
若干薄れたように感じました。
そして会の終盤に差し掛かった時に
ふと気づきました。
そこにいる人たちは、
決して暗い表情をしているわけではないことを。
冗談を言ったり、
笑顔を浮かべる人もたくさんいました。
その様子を見て、あなたは思ったのです。
「自分もいつか、
こんなふうになれる日が来るかもしれないなぁ」と。
少しホッとしたあなたは、
その日の晩、久々によく眠ることができました。
ということで、ショートストーリーでした!
あがり症は手強いです。
私の経験を振り返っても、
自分一人でどうにかなるものでは無いと思っています。
ということで、同じ悩みを持つ仲間と
つながってみてはどうでしょうか?
私の体験談が
皆さんのあがり症克服の
お役に立てれば幸いです。