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『ろうけつ』…心象散文
薄暗くかさばる狭い雲間から橙色が閃光のように突き抜けようと潜んでいるところに、その瞬間とてつもなく黒い闇が焦げ付くだろう縁に、じっと息を詰めて目を凝らしていた。
もし、生涯こうしてここに座り、意識の裏のほうで何かを考え続け、自分にとっての僥倖に巡りあうことに腐心するとしたら。
“楽しみ”“喜び”“幸せ”とされていること、ゆえにそれをすればそうであると判断されること、そして自分にくっつければそう
『青い花瓶』…心象散文
青い花瓶
瑠璃色の薄いガラス
隠遁者のようにひっそりと
ほっそりした背筋を無機質に正して
朝の光のなか
夜の帷のなか
昔たわむれに琥珀色のコニャックをそそいだら
ぐう
という音を出して
具合を悪くし
ひしゃげてしまった
それ以来なにも入れない
具合がよくなり元どおり
ただの青い花瓶
楽しみにしていることといえばシリウスを眺めること
全天で最も明るく輝く天狼星の白いたてがみ
美しい白い炎