ゆきと

ファンファーレというスタートアップ企業の代表をしています。 Twitter @Yukito_tweet

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マガジン

  • 侏儒の自省録

    「侏儒の自省録」とは、必かならずしもわたしの思想を伝えるものではない。わたしの思想の変化を時々うかがわせるのに過ぎない。宇宙全体からすれば人生は一瞬であり、死後の名声もすぐに忘却され、全ての物事はやがて消え去る。快楽や苦痛を統御し、揺るぎなき自己を全うするために、未熟な自分が未熟であることを、起業家としての生活と、日常生活を重ね合わせて、かえりみる行為である。

  • わたしの企業倫理

    ファンファーレを起業して事業開発を進めるなかで、「社会に貢献する」ということの意味を改めて考えるようになりました。そこでこのnoteでは、企業として企業倫理を考える前に、まずは「わたしの企業倫理」と題して、個人としてファンファーレの企業倫理をどう考えるのかを言語化することにしました。

最近の記事

  • 固定された記事

資金調達の裏側で、何を考えているのか?

皆さん、こんにちは。 産業廃棄物業界向けAI配車計画SaaS「配車頭」を提供しているファンファーレ株式会社CEOの近藤です。 9月21日に資金調達を発表しました。 突然ですが、 「オラ、産業廃棄物業界の課題解決のためにスタートアップやってる、近藤だ。仲間にならないか?」 と急に言われたら「ハァ?」と思いませんか。 これが例えば 「オラ、教育業界の課題解決のためにスタートアップやってる、近藤だ。仲間にならないか?」 に変えると、教師の過剰労働の問題かな?とか、教育

    • 令和五年 葉月 やくめ

      家族の役目と、企業の構成員としての役目お盆は、墓参り。 お盆で墓参りにきている。私の家族は律儀に墓参りに行く家である。京都の東山区にあるとあるお寺に、春彼岸、お盆、秋彼岸、その他京都に訪れた時は必ず墓参りに行く。このしきたりを破っては家族の一員であることが認められないような暗黙的なルールが存在している。 小さい頃は、ただついて行くだけだったが、思春期に入るにつれてめんどくさがるようになり、京都の大学生だった頃はむしろ行く回数が減っていた。「行きたくない」と言った時の祖母の悲

      • 令和四年 文月 かぶく

        大阪と東京で違う味噌汁の位置大阪出身の私が東京に来て感じた違いは色々あるが、大阪らしいなと愛着を感じた違いは、味噌汁の位置だ。大阪は左奥で、東京は右手前。伝統的には右手前だが、メインディッシュがどーんと手前にいたほうが見栄えが良く、食欲をそそる。だから大阪の商人気質と食い倒れと呼ばれる食文化がそうさせたそうだ。 そんな大阪への愛”国”心をもった私も(笑)、就活では、残念ながら大阪にIT企業の求人は少なく、やむおえず東京に来て10年が経った。 社会課題をスケーラブルなビジネス

        • 令和四年 弥生 つづく

          春彼岸で京都へ、そして倒れる春彼岸でお墓参りに京都に行ってきた。今回の京都での目玉は、「あんこの本」を読んでから、行ってみたかった中村製餡所である。 中村製餡所は、明治41年に京都で創業し、伝統の製法を守り続けている製餡所だ。江戸時代、小豆の煮汁からでる泡で、道具を洗うときれいに汚れが落ちるので洗剤として使われていたが、今でも同じ方法で続けている。 このお店に限らず老舗では、従来の業務プロセスを維持していることが多い。これは、代替わりをしながら様々な歴史が重なって、現在の味

        • 固定された記事

        資金調達の裏側で、何を考えているのか?

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        • 侏儒の自省録
          5本
        • わたしの企業倫理
          5本

        記事

          令和四年 如月 わかる

          コハダって英語でなんて言うんでしょうか …と鮨屋で聞いてみた。「外国の方が、コロナの前はよくいらしたので、私達も調べて英語で説明はするんですがね。見て食べていただいたほうが理解は早いですね。」と回答され、笑わせてもらった。気になって、後で調べてみてみると、Gizzard Shadという英訳があるそうだが、コハダは出世魚としてシンコ・コハダ・ナカズミ・コノシロと名前を変えて成長していくため、その品種全体を指す言葉として使われているようだった。 江戸前寿司を代表するネタのひとつ

          令和四年 如月 わかる

          令和四年 睦月 ふつう

          いつもと違う、いつもの御節「今年の御節はどれにする?」 年末になると家族が、候補を3つ以上は用意して必ず聞いてくる。私は毎年、これまで食べたことがないお店のものに票を投じていた。だから、年始には「ここの御節は、こういうしつらえなのね。」と面白がっていただくのが通例だった。 それが今年は違った。「今年の御節はどれにする?」に、「去年と同じで」と珍しい返事をした。そう答えたのには理由があった。30歳を迎えて、自分の中で普通(ふつう)を増やして特別を減らしたいと思い始めたからだ

          令和四年 睦月 ふつう

          五章 浪漫と算盤

          記事一覧 一章:企業と倫理 二章:私事と公共 三章:企業と公共 四章:道徳と良心 五章:浪漫と算盤 突然ですが、この記事タイトルの「浪漫と算盤」は、私が好きな曲のタイトルでもあります。この曲は、このような歌詞で始まります。 主義をもって利益を成した場合は、商いが食い扶持以上の意味を宿す。 この曲はおそらく、これもまた私の好きな本の一つである『論語と算盤/渋沢栄一』をエッセンスとして取り入れています。現代の楽曲でも歌われ、また近代資本主義の父と呼ばれる渋沢栄一も唱えている

          五章 浪漫と算盤

          四章 道徳と良心

          記事一覧 一章:企業と倫理 二章:私事と公共 三章:企業と公共 四章:道徳と良心 五章:浪漫と算盤 これまでこの記事を通して、公共に対する考え方や、企業が公共領域に取り組む必要性を考えてきました。前回までの前提があるからこそ、私はファンファーレが価値観を発信していくことが重要であり、それに伴う倫理的な行動が必要だと感じているわけです。今回は、ファンファーレの社会的価値を考えるうえで、その前提となるファンファーレの態度について書いていきたいと思います。回りくどく感じるかもしれ

          四章 道徳と良心

          三章 企業と公共

          記事一覧 一章:企業と倫理 二章:私事と公共 三章:企業と公共 四章:道徳と良心 五章:浪漫と算盤 前回は、公共について議論を整理しました。ポイントとしては、「公共」はいわゆる行政の公共サービスだけのことを指すのではなく、広く解放された、共通の利益やその議論の場も「公共」と定義される、ということでした。今回はさらにそこから、企業と「公共」の関係について、主に米国の変化を参考にしながら考えていきたいと思います。 企業倫理の民主化 企業と「公共」の関係について考えるために、一

          三章 企業と公共

          二章 私事と公共

          記事一覧 一章:企業と倫理 二章:私事と公共 三章:企業と公共 四章:道徳と良心 五章:浪漫と算盤 前回の記事で、企業倫理を考える理由として、企業が担うべき公共での役割が、歴史的に変化していることが1つの理由だと書きました。今回は、役割の変化の前に、そもそも「公共」とは何かを整理してみたいと思います。「公共」というと、「公共サービス」という言葉から国や地方などの行政を思い浮かべる人も多いかもしれません。それも「公共」という言葉の1つの意味であることは間違いないと思います。た

          二章 私事と公共

          一章 企業と倫理

          記事一覧 一章:企業と倫理 二章:私事と公共 三章:企業と公共 四章:道徳と良心 五章:浪漫と算盤 はじめに 私は、労働人口不足の廃棄物業界をITの力で省力化することをミッションに、事業開発を行っているファンファーレというスタートアップ企業の代表です。AIが効率的な廃棄物回収の配車計画を作成する「配車頭(ハイシャガシラ)」というサービスを提供しています。 年齢は29才、会社をつくって1年半ほどが経ちました。少しづつではありますが会社を成長させることができ、成長と社会貢献の両

          一章 企業と倫理