本の背骨が最後に残る 読書日記
本の背骨が最後に残る 斜線堂有紀 (著)
あらすじ
本を焼くのが最上の娯楽であるように、人を焼くことも至上の愉悦であった。
その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる。一冊につき、一つの物語。ところが稀に同じ本に異同が生じる。そこで開かれるのが市井の人々の娯楽、「版重ね」だった。どちらかの「誤植」を見つけるために各々の正当性をぶつけ合う本と本。互いに目を血走らせるほど必死なのはなぜか。誤植と断じられた者は「焚書」、すなわち業火に焼べられ骨しか残らないからである。(表題作)