火喰鳥を、喰う 読書日記
『火喰鳥(ひくいどり)を、喰う』 原浩著 角川ホラー文庫
あらすじ
全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。
全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。
信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。
感想
夏なのでホラーを読みたくなって読んだ。死者の残した日記によって引き起こされる数々の怪奇現象。それ自体はオカルトなのだが、怪奇は意図的に引き起こされており、犯人探しと呪いの止め方が並行して描かれている。
こわーとなる感じのホラーではなく、ミステリーがメインとなっていた。犯人は当てやすいが、この人犯人か?いや違うか?いや、やっぱり犯人か?みたいに確定しにくくなっているのことで、先が気になってサクサク読めた。
ただ、タイトルのヒクイドリ要素があんまりなくそこは少し残念。というかホラーのはずなのだが、ヒクイドリという生物的に面白いものがメインになると恐怖が薄れるということに気が付いた。例えば、オオサンショウウオの幽霊とかあんまり怖くなさそうだし。あと、夕里子さんが終始かわいかった。
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