青鬼の褌を洗う女 坂口安吾(著)
あらすじ
昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「週刊朝日」25周年記念号−「愛と美」[1947(昭和22)年]。小さい頃から母に、オメカケか家族か金持の長男にと告げと言われてきた主人公・サチ子。しかしそれに刃向かい、様々な男と付き合い我が道を行く。福田恆存に「坂口安吾の実験はどうやらひとつの頂点に達した」と語らしめた作品。(amazonより)
感想
かなりひねくれた感じがした。主人公のサチ子は男に依存して生きているが、そのことを悲観せず媚びたいとまで言ってのける。なかなかなかった感覚なので驚いた。引用のやり方を知ったので使ってみます。
途中に挟まる処女性の信仰に対するアンチテーゼ的な会話は面白かった。ちょっと言い過ぎなところもあるが…。
現在、パパ活女子などがネットを騒がせているが、もしかしたら彼女たちもサチ子と同じような感じで媚びたいと思っているのかもしれない。総じてあまり考えたことのない価値観で描かれた作品なので、感情移入はできなかったが面白かった。坂口安吾は堕落論くらいしか知らなかったので、いろいろ読んでみようと思う。