暇と退屈の倫理学 読書日記
暇と退屈の倫理学 國分功一郎(著)
あらすじ
暇とは何か。人間はいつから退屈しているのだろうか。
答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。 著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう。(amazon)
感想
なかなか難しい本だった。まあ、哲学書なのでそれは当たり前であるが。ハイデッガーの暇の概念を中心として、この本は進んでいく。退屈を複数の形式にわけ、なぜ退屈するのかが、体験談とともに示されておりますわかりやすい。文体も非常にフランクで読みやすさを考えて作られていると感じた。
個人的に面白いなと思ったのは、動物ごとに生きている時間の概念が違うという話。このことで、動物はそれぞれが自分の世界を持っている。しかし、人はこの生きている世界を変えるから、世界に集中できずに飽きてしまうという話があり、興味深かった。人間を上に見てしまうハイデッガーと比べて、作者が頑なに人も動物もあまり差がなくね?みたいなスタンスで面白かった。
最終的には世界を楽しむ勉強をしたほうが良いよ、みたいなオチでした(読み間違えている可能性大)。私は散歩を楽しめるかがどうかみたいな話を考えた。草花の知識がある人は道端の花を見て楽しそうに歩くし、建築の知識がある人は周りの家を見て楽しそうに歩く。私もそういった知識を持てば退屈から逃れられるのだろうか……。
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