lioko 樹原涼子

作曲家、ピアニスト、時々歌う人、ピアノランド著者。ピアノ曲・歌などの楽譜、テキスト、書籍、CDなどはこちら。http://pianoland.co.jp/publications 今は、ピアノの先生のための講座、大人のピアノクラスなどを開講中。息をするように、毎日何か書いてます。

lioko 樹原涼子

作曲家、ピアニスト、時々歌う人、ピアノランド著者。ピアノ曲・歌などの楽譜、テキスト、書籍、CDなどはこちら。http://pianoland.co.jp/publications 今は、ピアノの先生のための講座、大人のピアノクラスなどを開講中。息をするように、毎日何か書いてます。

最近の記事

舘野泉先生をお迎えした「楽しい音楽会」

10月27日(日)、門下生による「楽しい音楽会」30回目を開催しました。 小さなマンションの一室でスタートした音楽教室を随分と続けてきたのだなぁと思うと同時に、今回はピアノ曲を出版して指導してきた私の人生の集大成ではないかと思うほどの記念の会となりました。 えっ、舘野先生が賛助出演してくださる!? というのも、本番の1ヶ月くらい前に舘野泉先生とメールのやり取りの際に、今年の2月からスタートした大人ピアノクラスの方たちも出演する「楽しい音楽会」を開催すると近況報告をしたところ

    • アウフタクトを科学する

      「アウフタクト」の曲は、なぜ、多くの日本人にとって難しいのか ピアノのレッスンをしていて、「アウフタクトが得意!」、という人は割と少ないと感じています。西洋音楽は「舞曲」をルーツにしたものが多いこともあり、そもそも、その流れの中での身体の動きや呼吸、時間の使い方という大前提が、多くの場合共有されていないことがその原因に挙げられるのでは、と思います。 「アウフタクト」とは小節の頭ではなく、小節の途中から最初の音がスタートすることを言います。例えば4拍子の1拍目からではなく、

      • シューマンの誕生日に、『子供の情景』を愛する人に伝えたいこと

        今日は、シューマンの誕生日です。 もしずっと生きていたとしたら彼は214歳にもなるのか……。私たちからすれば、7、8世代くらい前の時代のドイツで作曲された作品が、ヨーロッパのみならず東の果ての国でも出版され、愛され続けているってなんて凄いことなんでしょう。やはり、作品の中には永遠の命が宿っているんだなと。 特に、ずっと好きだったシューマンの『子供の情景』は、小品それぞれにさまざまな表情があって演奏しているといろんな気持ちになります。彼の音楽の繊細さや、「どうしてもこうした

        • 鍵盤の前の、どこに座ればいいの?

          2月から大人のピアノクラスを始めて、とても楽しい。 ある日、受講生の一人である夫から聞かれたことが私にとって衝撃的過ぎてnoteを書くことにした。 『ピアノランドたのしいテクニック上』や『ピアノランド こどものスケール・ブック』の中の課題を使って指導しているのですが、今まで 「手の形はこれで大丈夫ですか?」とか 「5の指がグラグラするんですが……」とか 「重心の移動の練習をしたら、力が抜けました」とか いろんな感想や質問をもらってきたけれど、 不意に、自宅で、夫が質問した言

          ピアノを弾く手は、柔らかい方がいい

          ピアノを弾く手について、あまり考えていない人が多い、かもしれない。 曲をステキに弾くために スケールだって練習曲だって弾いています!という人でも ピアノを弾くための道具である「手」について 無頓着というのか、あまり気にしていない人が多いように見える。 ハンドクリームをつけるとかネイルケアをするという意味ではなく、 (もちろん、皮膚表面の手入れは大事だけれど) いかなる音楽的欲求にも応えられるピアニストのような手を 育てていきたい、と思う人はあまりいないのだろうか。 私が気づ

          ピアノを弾く手は、柔らかい方がいい

          私たちは、音楽に関心のない人にとっては「どうでもいいこと」に精魂傾けて喜んでいる

          ピアノの先生の勉強会、最終回でした受講生からいただいた花束を丁寧に水切りして食卓に飾り、改めて眺める。 みんなよく頑張ったなぁと思う。 「ピアノの先生になった後も、そんなに勉強しなくちゃならないことがあるんですか?」と聞かれることがあるのだけれど、音大では音楽の学び方の基礎を学ぶようなものだから素晴らしい指導者になるにはまだまだ学ぶことは沢山あるし、4年間で習得できることには限りがある。 好きなことなら「勉強しなくてはならない」のではなく「勉強すると楽しい」ので勉強したい人が

          私たちは、音楽に関心のない人にとっては「どうでもいいこと」に精魂傾けて喜んでいる

          大人のピアノを応援する動画 その1 独学より習う! グループもいい 樹原涼子の大人のピアノクラスの方針

          大人になってせっかく始めるのだからレッスンは初めから楽しく!  取り返しのつかない失敗をしないで済むよう (取り返せる失敗は沢山あってもいいですが!)、 長年ピアノ曲を書き、教えてきたことを生かして話をしようと思います。 動画を撮ってみたのは、 文字だけで見るよりも安心してもらえそう、 という理由です。 コロナ禍には多くの子どもたちに動画で演奏を送ってもらって 私も動画でアドバイスをするというイベントをやったので、 ちょっと慣れてきた、ということもあります。 では、自己紹

          大人のピアノを応援する動画 その1 独学より習う! グループもいい 樹原涼子の大人のピアノクラスの方針

          「僕、音楽家にならなくてもいい?」

          どんな小さな夢でも、大きな夢でも、それを口にした瞬間に 誰かに応援してもらえたら嬉しい。 反対に、即座に否定されたら悲しい。 そんなこと当たり前ですよね。 でも、世の中には自分の尺度でしか物事を考えられない人が一定数いる。 まるで自分の考えだけが正しいと言わんばかりに、 「それは無理」とか「出来るわけないでしょ」「何言ってるの」等、 反射的に強い否定形で他の人の夢を打ち砕く人に遭遇することがある。 子どもが発する、何気ない夢や希望私は、作曲をしながら子どもやピアノの先生に

          「僕、音楽家にならなくてもいい?」

          自分のためにピアノを習って 幸せになろう

          大人になって、自分のために何かするって素晴らしいことだと思う。 「子どもの頃、自分のことを自分で決められなかったから、大人になって自分に決定権があることが嬉しい」という人は多い。 3つの頃、家にあったオルガンを嬉しそうに弾いていた私に母が尋ねたらしい。 「習いたい?」「うん」 運命的なピアノとの出逢い 4つになって新しい家に引っ越したある日、縁側から真っ黒でピカピカのピアノが家に運び込まれた光景は今でも忘れられない。 私は嬉しくて泣いた。 嬉し涙というものを知らなかった

          自分のためにピアノを習って 幸せになろう

          バランスよくって難しいから、できたら凄い

          何事もバランスよく、というのは簡単なようで難しい。 食事内容、仕事とプライベート、運動メニュー、どんなことだってバランスが大事だなと思う。 最近では、子どものピアノレッスン内容のバランスがとても気になっている。 白状すれば、音大生時代に初めてピアノを教えた頃は、バイエルをはじめからずっと教えていけばピアノを弾けるようになると思っていたから、最初に教えた子ども達にバイエルを拒否された(間違えずに弾けても嬉しくない。ミでもファでもどうでもいい)ときには途方に暮れたものです。

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          くまモンといると、幸せになる理由

          熊本で、くまモンと共演してきました。 くまモンとのコラボ作品、新刊楽譜『ピアノランドプラス だいすき くまモン』の出版記念イベントとして、熊本県のくまモンチームが用意してくださったお披露目のミニコンサートです。 私はその作曲者で、熊本出身の樹原涼子です。 7月17日海の日、午後1時と3時半からの2ステージをくまモンと過ごし、これまでの共演とはまた違ったくまモンの魅力に触れ、私はすっかりくまモンの虜になってしまいました!  正真正銘の、「だいすき くまモン」に。 今日はこの感

          くまモンといると、幸せになる理由

          樹原涼子ピアノランドフェスティバル レポート

          音楽の喜びを感じてもらうのが音楽家の仕事なら、 今、それができた喜びでいっぱいだ。 コロナ禍でも諦めずに「ピアノランドフェスティバル」を開いてよかった。 一度諦めたら、翌年復活させるのはとても大変なこと。 諦めなかったから、10月に世に出る新たなシリーズ『ピアノランドプラス』から 新曲を初演することができた。 一歩でも前へ進めたのは、応援してくれる皆さんのおかげに他ならない。 ピアニスト小原孝さんと、作曲家で次男の樹原孝之介と共に 3人だけのピアノランドフェスティバルが感動

          樹原涼子ピアノランドフェスティバル レポート

          ピアノランドフェスティバルのリハーサルで感じたこと

          久しぶりに、noteを書いてみようと思った。 忙しくてそのままになっていたけど、このnoteの佇まいが好きだ。 今日は、音楽好きな人なら誰でも興味がある「リハーサル」について ピアノランドメイト会員への配信するLioko's letter に書いたものを リライトしたものを見ていただこうと思う。 『ピアノランド』は1991年から音楽之友社で発行し続けているピアノ教本で、 毎年親子のためのコンサート「ピアノランドフェスティバル」を開いてきた。 その23回目の公演を前に、ピアニ

          ピアノランドフェスティバルのリハーサルで感じたこと

          訳のわからない使命感に駆られて走り続けて、180万部になった

          簡単に言えば、 「これで教えたい!」という本がなかったから、 自分で作るしかなかった。 ピアノを教えていて、 子どもも私も素敵だ!とは思えない曲で学ばせるなんて 耐えられなかった。 特に、ハーモニーが耐えられなかった。 今、これを教えなくてはならない必然性が 感じられなかった。 最初は待っていた。 子どもたちが嬉々として取り組める 日本人作曲家の初歩のメソッドが出るのを。 でも、待っている時間はなかった。 ある女の子のために、書いた曲から始まったある日、 「ここでダメだ

          訳のわからない使命感に駆られて走り続けて、180万部になった

          ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた (pianoland mateより)

           「ウルトラマン」「ウルトラセブン」は多分欠かさず見ていたと思う。我が子たちが小さい頃も何度目かの再放送があり、長男はウルトラマンやセブン、次男は怪獣を愛で、おもちゃ箱に入りきれないそれらが際限なく増えていくのが悩みの種だったことを思い出す。  ところが、この本を読んで私は衝撃を受けた。「ウルトラセブン」を見て、こんな風にクラシック音楽に出逢ってしまって本まで書いてしまう人がいるなんて! 読み始めたら止まらない、それは久々に楽しい読書時間だったのだ。  そのことを、ピアノの先

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          『ピアノランド こどものスケール・ブック』発売&ピアノランド30周年 樹原涼子よりメッセージ

          ピアノの練習につきものなのはスケール練習。子どもの頃は指慣らしやウォーミングアップだと思って仕方なく弾いていたけれど、作曲家になって改めて考えて見たら、「スケールは音楽の物差し」だったと気づくわけです。大人も子どもも、もう一度スケールと美しく、楽しく出逢い直すためのテキストを書きました。http://pianoland.co.jp/publications/childscalebook.html

          『ピアノランド こどものスケール・ブック』発売&ピアノランド30周年 樹原涼子よりメッセージ

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