ビタミンAが高い男性は死亡率が低くなる 今週の新着論文(2021.11.15~11.19)
京都は紅葉だけじゃなくイチョウも見ごろを迎えています。
黄色と深紅と青空のコントラストがきれいな季節になりましたね。
週末はきっと観光客でいっぱいになるでしょう。
本日は今週アップした論文のなかから、ビタミンAの血中濃度が高いほど、特に男性は死亡率が低くなるという情報をお送りいたします。
◆2021年 11月 16日 【メタボリックシンドローム】
【コホート研究】ビタミンAの状態が高いほど、男性の全体的および原因別の死亡率が低くなる
Nat Commun 12, 6418 (2021).
◆概要
30年間のコホート追跡調査で、男性29,104人のうち23,797人が死亡した。
血清レチノール濃度が高かった被験者は、レチノール濃度が低かった被験者と比較して、総死亡、CVD、心疾患、呼吸器疾患の死亡率が有意に低く、死亡リスクが17~32%低下していた(Ptrend < 0.0001)。
血清レチノール濃度が高いほど、心血管疾患、心臓疾患、呼吸器疾患による死亡を含む総死亡率が低いことが示された。
◆Pickup Point◆
今回ご紹介する論文はNature Communicationsから発表されたもので、なんと30年近い前向きコホート研究の結果で、約29,000人を追跡した調査結果です。
レチノール濃度と全死亡率との関連は、喫煙強度、飲酒量、肥満度、サプリメントの摂取状況、血清α-トコフェロールおよびβ-カロテン濃度、追跡調査期間などのサブグループ間で類似しており、特に喫煙期間と糖尿病の死亡率への影響のうち<3%がレチノール濃度を介していた、とのことであり、男性はよりビタミンAを意識して摂取するのがよさそうです。
ビタミンAは、よく知られたβ-カロテンやこの時期では温州みかんや柿にたくさん含まれているβ-クリプトキサンチンなどのカロテノイドが体内でビタミンAに代謝されます。
サプリメントでビタミンAを手軽に摂取することもできますが、この時期はトマト、カボチャ、ニンジンといった緑黄色野菜や温州みかん、柿などの果物からたっぷり摂るのがお勧めです。
冬に食べた温州みかん由来のβ-クリプトキサンチンは春ごろまで体内に保存されているそうです。
そのほか今週アップした論文は以下の通りです。
参考にしていただけると嬉しいです。
◆2021年 11月19日 【新型コロナウイルス】
【RCTメタ解析&コホート】ビタミンDの欠乏または不足がCOVID-19感染や死亡とは有意に関連していない
◆2021年 11月18日 【歯科】
【疫学研究】小児集団において特定の栄養素の欠乏または過多が口腔病変と関連している
◆2021年 11月 17日 【脳機能】
コリン摂取量は米国の高齢者の認知能力と相関している
◆2021年 11月 16日 【メタボリックシンドローム】
【コホート研究】ビタミンAの状態が高いほど、男性の全体的および原因別の死亡率が低くなる
◆2021年 11月15日 【スキンケア】
【in vitro】糖化とUVA照射の組み合わせは皮膚老化を促進する
新型コロナウイルスにはビタミンDが効果あるという報告がある一方で、金曜日にアップした調査結果のようにビタミンDを摂取しても死亡(OR:0.57、I2=64%)およびICU入室(OR:0.14、I2=90%)を有意に減少させなかった、という結果が発表されました。ビタミンDは日照時間が短くなる時期には、いつも以上に積極的に摂取したい栄養素ですが、ビタミンDだけ意識して摂取すれば大丈夫、ということでもありません。
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