大型二輪車を買ってみた ~一生で最初で最後の
私事ですが、就職先を決める時、今は他界した父に「お前はホンダに入ったら良いんじゃない。企業風土が性格に合ってる。」と言われました。色々ご縁の有る技術研究所さんです。
クリスチャンでもある温厚な父に一生に最初で最後、一発だけ叩かれたのもホンダさんが絡んでいるというお話。
(ネタバレ)
大学生時代、学校の裏が大規模公共工事で大駐車場と化していたため、自動車で通学していました。その工事も終わり、空き地はなくなりました。その時たまたまアルバイトしていた塾の塾長が、ホンダのCB750Fを乗っていて二輪車に遅咲きで興味が湧いていました。早速、大学の生協で免許講習の契約をしました。自動車の普通免許は持っていたので、4万円弱でした。バイト代1ヶ月分でお釣りが来る安さ。座学も実技も10時間程度で直ぐに免許取得。早速VF400Fという二輪車を分割払いで購入しました。これで通学かなっと。
既に成人していたのですが、自宅に乗って帰ると両親にこっぴどく叱責されました。私が小学校低学年の頃、家族で湘南の材木座海岸に海水浴に行っていた時に、目の前で二輪車での死亡事故を目撃し、子供は絶対二輪車に乗せないと思ったそうです。二輪車に乗せたくないから自動車の免許取らせたのにということでした。
一応その話は何度も聞いていたのました。しかしそこまでシリアスとは思って居らす、成人になって居たし最高学府の学生の自己責任で良かろうと判断したのです。
そうなんだ~。母親に怒られるのは慣れていたので、いつものことかと聞き流しました。もう大人だし。ちょっと何言ってるか解らないという程度。
しかし、直ぐに返品しろとのことで、渋々購入した店に電話をさせられました。お店も手慣れたもので、新古車として20万円落ちでなら引取りますとのこと。流石に勿体無いとのことで結局甘受されました。
VF400Fは、中型上限の400ccで最新技術満載のホンダの二輪車でした。しかしそもそも、同じ機種の旗艦VF750Fが欲しかった。理工学部の学生としては、世界一の二輪車に乗りたかった。ツーリングでCB750Fに軽く置いていかれ、コンプレックスに火が着いていました。元々上昇志向が強く、その上たまたまショックな出来事が有った
のをキッカケに、王道の限定解除してちゃんとした二輪車に乗ろうと一念発起。教習所に通うも、当時は限定解除の検定試験は免許試験場のみ。特に若年層には合格することが厳しかった。教習所での貸コース一回2000円程度での自己練習などを数回しました。成人であったこともあったのか、約100人中数人という厳しさの中、無事合格。
早速、憧れのVF750Fを買いに。今回は残念ながら新車には手が届かず新古車、買ってみた。とはいえほぼ新車なので大満足で自宅到着。下取りに出したVF400Fの場所にシートカバーをして駐車。まぁ中型も大型も素人である親には分かるまいと高を括っていました。ところが、何故か母親がスカートめくりして大型バイクになっていることに気付き発狂。まるで子供が先生に言いつけるノリで父親に連絡。夕食時に色々言われました。まぁ怒られるのは慣れてるので、いつも通り神妙な感じを出しながら聞き流していました。父親も居たので、大人だし、真っ当に話しようと考え正面突破にトライ。自己責任で乗ると言った途端、何故か何時も温厚な父親が、首の後ろにガツンと。人生最初で最後。
はぁ?。意味不明。 (今風な表現してみました。(笑))
ブルータスお前もか。
面倒なので正論で通し、流石にガツンとやってしまったことを後悔している点を逆手にじんわり突いて納得させました。
はっきり言って面倒くさ。
ということで、その曰く付きで買ってみたホンダVF750Fは、そろそろ40年目。今だに現役で乗っています。
こんなことが有ってか、就職時に「お前はホンダに入ったら良いんじゃない。企業風土が性格に合ってる。」と言ったのか? もはや知るすべもありませんが。
蛇足
吾妹も父親に結婚したらパートナーに相談して決めろと言われていたそうで、結婚して直ぐに二輪車免許を取得。子供も、全員自己責任前提で円満に大型二輪車を楽しんでいます。全員安全運転で、勿論無事故です。
息子は、私のVF750Fを学生時代に乗り気に入ったらしく、アルバイトでお金を貯めて中古車を入手。自分でメンテナンスしきった上で、50万円以上掛けてプロに新品同様に仕上げて貰い、今も持ち続けています。
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