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暴漢 その2~当たり前過ぎて意識しなくなっていること

中学1年生の頃、暴漢に知恵と工夫で対抗した話。

 時代的には高度経済成長末期、ベビープーム世代の子供たちが私たちの上の学年に居ました。
 中学は最寄り駅前に有り、駅前に代々住んでいた方々の子供と、私達のような新興住宅地に住んでいる子供が通っていました。クラス数は小学校の入学時よりも多い一学年1クラス45人で8クラス有りました。しかも旧市街の子供は荒っぽい子供が多く、上級生のクラスでは一部いわゆる不良の学生によって学級崩壊が起きていました。
 
 季節は冬、私は生徒会で書記をしていました。とても学校が荒れていて、その解消に向けて生徒さん全体のリテラシーを上げる活動をかなり積極的にやっていました。不心得な方々は確信犯なので、古典的なアプローチである〇〇しないで下さいと声がけしたり、張り紙をしても無駄だと理解していました。

 そこで工夫を凝らした施策も積極的に進めていました。
その中で極めて効果的だった例を一つご紹介します。

 上履きを履かずに土足で校内を闊歩する不心得な方々への対策として、当時は3年生だった男の先輩が私の考えに賛同して以下のようなスマートな提案して下さいました。それは下駄箱付近一面に真っ白い模造紙を敷き詰め土足で上がり難くするというものでした。生徒会担当の先生に学校の許可を得てもらい早速生徒会の予算で模造紙を大量に用意しました。全校生徒が下校した後作業開始。数名の役員で小一時間掛けて作業は終わりました。翌朝は早く登校して下駄箱付近で、生徒会活動の一環と分かるように登校して来る生徒さんから良く見える位置に立ちました。生徒会担当の先生にもトラブル防止の目的で横に立ってもらいました。

 効果覿面(てきめん)

 先生に立ち会って頂いたことが最大の勝因では有りますが、当日は土足で校内に入る生徒さんはいませんでした。2週間程度続けて、模造紙も流石にボロボロになったのでキャンペーンは終了しました。以降、土足で校内に入るというお作法のヤンチャな生徒さんは激減しました。

 めでたしめでたし。

 しかし、当たり前ですがより先鋭化した方々が私達に恨みを持つようになっていきました。

 その3に続く
 


 




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