【SS】ブーメラン発言道②|#毎週ショートショートnote
「その後はどうなんだ?井上」
「なんのことでしょう、博士?」
植物学者の木下と助手の井上は、駅から研究所までの通勤路、途中に商店街もあるのだが、そこを通る時いつもこんな会話をしていた。
「通訳の彼女とは、進展がないのか?」
「別にないです。博士こそ彼女のことを、もしかして好きなんじゃないですか?僕など気にせず、ご自分がアタックされたらどうです?」
「私は若い女性よりも植物の方に興味があるからな」
「僕だって同じですよ。もう、この話は無しにしてください」
博士が話をふらな