【SS】助手席の異世界転生|#毎週ショートショートnote
「清敬さん、ケーキはどれにします?」
彼女はガトーショコラを選んだ。散々メニューを眺め、僕は王道のショートケーキにした。
「パティシエ目指すタエの目指すケーキは、このお店の物に近いのかな?」
「まだ食べていないからわからないわ。一級建築士の清敬さんこそ、このお店をご覧になってどう?」
「うまくリノベーションしていると思うよ。多分元の造りは…」
「井上さん?」
女性に声をかけられて… ここはどこだ?
「おい、井上どうした?せっかく山形出身同士の年末慰労会の席で、ラベンダー茶を飲んだ途端倒れるなんて…」
「気分が悪いんですか?もしかして私がいるから…」
「立方くん、それは考えすぎだよ」
立方さんに木下博士… ていうか、さっきの夢?に出てきた彼女の姿は、立方さんじゃないか!
博士の助手:井上は、そばで心配そうに見つめる立方さんを見て、思わずドキッとした。別の世界の幸せそうな自分たちの姿を見てきたようだ。
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久々(約5ヶ月ぶり)の『博士と助手シリーズ』です。植物学者なのですが、最近は通訳の立方さんとの恋の行方ばかり追っているようで😅
立方さんの片想いに気がつかない朴念仁な井上ですが、今回の事件?で少しは意識し始めるのでしょうか。
ラベンダー茶のラベンダーでタイムスリップというか、意識が飛んでしまった…という感じです。
木下博士、助手の井上、通訳の立方さんが登場するお話はこの辺に。 ↓