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😴睡眠薬、睡眠導入剤と睡眠改善剤は何が違うの❓

 日本では、2009年調査によると3ケ月に一度睡眠薬の処方を受ける成人は約 5%、また60 歳以上の高齢者の約 3 割の方は、何らかの不眠に悩まされているとされています。
  高齢者と言えば、早寝早起きですが、これは体内時計が年齢と共に変化することによるもので睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌などの生体機能リズムが前倒しに、また睡眠が浅くなっており尿意やちょっとした物音で目が覚めてしまうようになってしまいます。
 さて、こうした睡眠障害の時にクリニックを受診、薬局で処方されるのが睡眠薬です。睡眠薬は病院・クリニックで不眠症の患者さんに処方される薬で、ドラッグストアなどでは購入できません。
 😴睡眠薬は、睡眠導入剤眠剤など呼ばれたりしますが、その働き方で
2つ(脳の活動を鎮める・自然な眠気を促す)に分類できます。
なお、💤睡眠導入剤は、作用する時間が短いタイプの総称として便宜的に
つけられたもの
で、具体的には下記の ゛超短時間作用型゛が睡眠導入剤
なります。少し専門的な用語が続きますが、
🟠脳の活動を鎮める睡眠薬
 睡眠薬として多く処方されている薬で、効き目成分の構造式が違うことで、①非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(マイスリ―錠・アモバン錠・ルネスタ錠)、②ベンゾジアゼピン系睡眠薬(デパス錠・ハルシオン錠・レンドルミン錠)に分けられます。
 こちらの薬は製品により、効果の持続する時間⏰が異なり、その時間に
よって分類されています。

①超短時間作用型 ➡ 作用時間が 2~4 時間、主に寝付けの悪い方向け
 マイスリー錠(ジェネリック名:ゾルピデム)、ハルシオン錠(トリア
 ゾラム)、アモバン錠(ゾピクロン)、ルネスタ錠(エスゾピクロン)
②短時間作用型 ➡ 作用時間が6~12時間、寝つきが悪い方向け
 レンドルミン錠(ブロチゾラム)
③中間作用型 ➡ 作用時間が20~30 時間、夜中に何度も目覚める方(中途覚醒)向け
 サイレース錠(フルニトラゼパム)

🟠自然な眠気を促す睡眠薬
 先に説明した脳の活動を鎮める薬とは異なり、睡眠に関わるホルモンに
働き、自然な睡眠を促す働きのある薬、効果は若干弱いですが、副作用が
少ないのが特長です。

①メラトニン受容体系睡眠薬 ➡ 主に中途覚醒の方向け
 体内時計のリズムを整えるメラトニンに働きかけて睡眠を促します。
そうした働きの薬のため、服用して直ぐの実感が得られにくい傾向はあり
ますが、徐々に入眠するまでの時間が短くなり、総睡眠時間が長くなる
効果があります。ロゼレム錠
②オレキシン受容体系睡眠薬 ➡ 主に中途覚醒の方向け
 私たちが起きている時は、脳内のオレキシンと言う物質が働いています。このオレキシンの働きを抑えて眠りを誘う薬です。効果時間は比較的長く、睡眠が安定しない方に多く処方されています。
 ベルソムラ錠、デエビゴ錠(寝つきの悪い方向けにも)
 
🟢睡眠薬を服用するにあたって
①服用してから効果が出るまでの時間
 薬の種類は色々とありますが、それ程大きな差はなく、多くは服用後
10分~20分後に眠気が出てきます。寝る直前
に服用するようにしましょう。
②高齢者が服用する時の注意
🔹転倒、ふらつき ➡ 睡眠薬は眠気を誘う以外に筋肉を弛緩(緩める)する働きがあり、服用後に歩行することは転倒・骨折リスクが増すので、注意が必要です。
🔹体内に蓄積しやすい ➡ 加齢と共に薬が分解されにくく、体内に蓄積して翌日まで眠気・ふらつきが残り、転倒や昼寝の原因になることであります。
🔹睡眠薬を自己判断で服用しないで、医師や薬剤師にきちんと服用タイミングを確認しましょう。
🔹薬の飲み合わせを確認してもらいましょう。
 複数の医療機関にかかっていると複数の薬を重ねて服用していることが
あります。診察や薬局では必ずお薬手帳を持参し、飲み合わせ・重複処方を確認してもらいましょう。

🔵睡眠改善薬とは
 処方される睡眠薬・睡眠導入剤は、脳の活動を鎮めたり、自然な睡眠を
促すような働きがあります。
 一方、睡眠改善薬はアレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の副作用である眠気を利用し、一時的な不眠に用いる薬です。市販されており、ドラッグストアなどで買う事ができます
 製品としてはドリエル錠ドリエルEXカプセルネオデイ錠リポスミン錠などがあり、何れも効き目成分はジフェンヒドラミンです。
 この成分は鼻炎症状を抑えたり、じんましん・皮膚のかゆみに効くことからレスタミンコーワ糖衣錠、新レスタミンコーワ軟膏などに配合されています。数回服用しても効果がない場合は使用を続けるのは避けて、医療機関の
受診するようにしましょう。

⭕🍺アルコールと睡眠薬は、どちらも脳の神経機能を抑える作用を持っています。また睡眠薬と睡眠導入剤を一緒に服用すると作用が過剰になります。こうした飲み方・服用は絶対避けて下さい
 

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