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Libya Updates #13 JULY 2020 Week 1


こんにちは🕊
1週間のリビアをめぐる動きを整理しました。

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リビアのこれまで
40年以上続いたカダフィによる独裁体制が2011年に崩壊。新たな政府樹立を巡り、衝突が続いてきた。
現在は首都トリポリを拠点とし、国連の仲介で2016年に樹立した国民合意政府 (GNA)と、東部の都市トブルクを拠点とする政府 (HoR) が分裂している構図だ。
HoRが支持するハフタル将軍率いる勢力が2019年4月、トリポリへの侵攻を開始した。GNA側の民兵組織らが応戦し、武力衝突に発展。GNAにはトルコ、ハフタル勢力にはUAEやロシアなどがつき軍事支援などを行ってきた。
6月はじめにGNA勢力がトリポリを奪還し、ハフタル勢力は同地域より撤退。停戦へ向けた協議が進んでいる。

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1. 戦闘 

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首都トリポリから約400km離れたシルトが主戦場となっている。

GNA政府の防衛省は今週、ハフタル勢力を打倒する目標を強調。
ハフタル勢力を支援するエジプトのシシ大統領が20日、軍事作戦を展開する準備ができているという発言を受けたものだと思われる。


対するハフタル勢力は、シルトの発電所へ襲撃を行なったことが分かった。GNA側が発表した。



シルトはリビアの沿岸部の中央に位置し、主要な石油施設につながる町。
エジプトが軍事介入に踏み切る「レッド・ライン」と見なしているほか、GNA政府、ハフタル勢力をそれぞれ支援するトルコ、ロシアも注視している。


ロシアの傭兵が25日、シルト近くの油田に侵入したという。施設内の部品などを奪うことが狙いだったと見られる。


シルトの場所はこちら。


リビアの国際連合人道問題調整事務所によると、6月10日からの約1ヶ月でシルトとトリポリ南部のタルフーナで3,800人が新たに避難を余儀なくされた。
タルフーナもGNAとハフタル両勢力の主戦場となってきた町だ。


2. 国際社会の動向

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トルコとフランスの間で緊張関係が続いている。
マクロン仏大統領は29日、トルコがリビアで「犯罪的な役割を担っている」と名指しで批判。

とりわけ、シリア出身の傭兵を多数リビアへ派遣していることに言及した。

同国はリビア周辺の沿岸を監視するNATOの航海作戦をボイコットすることを1日、発表。欧州諸国に対してトルコを非難するよう圧力をかける目的だ。

トルコとフランスは6月下旬ごろから名指しでの批判合戦を展開。
フランスはリビアの現状について、「国連のもとでの対話でのみ解決される」との姿勢を維持。一方で、ハフタル勢力ともつながりを持っていると考えられている。ハフタル勢力が支配下に置く東部の石油資源のほか、リビア周辺地域の安全保障を懸念している格好だ。

トルコは28日、リビア国営石油会社との間で石油・天然ガスの掘削で協力を行うことを発表している。


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各国から傭兵が戦闘に参加している。
スーダンの西ダルフールではリビアへ渡ろうとした傭兵、少なくとも122名が同国当局によって逮捕された。中には8名の少年兵もいたという。

傭兵の中には、現地の民兵組織出身者も多く含まれていた。
国連によると、ダルフール出身の傭兵がハフタル勢力のもとで戦っていることが既に分かっている。

内戦の続くイエメンからも200名の傭兵がリビアに到着したことが判明した。トルコ側を介してGNAへ送られたと見られている。

既に複数のイエメン出身の傭兵がハフタル勢力に捕らえられているという。


リビアのタハー・エルソンニ国連代表は27日、ロシアとスーダンの傭兵に対して、米国とEUが制裁を発動するべきだとTwitterで訴えた。


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UAEも動きを見せている。
米国に対してトルコ・GNA勢力がこれ以上の進展をしないよう、介入を求めたという。

同国はハフタル勢力を支援してきた主要な国。
米国は国連主導のGNA政府をはじめとした政治プロセスを支援。一方、2019年4月にはトランプ大統領がハフタルと電話会談を行うなど、同勢力とも一定のつながりを持ち続けている。


3. 新型コロナ

新型コロナの感染拡大状況

リビアでは2日(現地時間)時点で、累計874名の新型コロナ感染者が確認されいている。前の週から新たに204名の感染が確認された格好。
死者は25名で、1週間で7名の増加。


4. 移民・難民

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移民・難民、52名が犠牲となった空爆から、7月2日で1年を迎える。
国連リビア支援ミッションは同日、声明を発表。

空爆はハフタル勢力が行なったと見られており、移民・難民の収容施設が被害に遭った。負傷は87名で、2019年にハフタルがトリポリへの軍事侵攻を開始してから最も多くの死者・負傷者が一度に出た事件となった。

リビアでは多くの移民・難民が劣悪な環境で収容されている。
カダフィ体制の崩壊後、混乱の中でサブサハラ諸国等からの移民が増加。当局や武装勢力、犯罪組織が移民に対する不当な拘束のほか、暴行や金銭の巻き上げなどを行ってきた。移民・難民の中に同国を経由して欧州を目指す人もいることから、EUはこれらの人びとをリビアに留め置くよう資金等を投じている。


26日には移民・難民93名がリビア沿岸警備隊により同国へ送り返されている。途中で6名が死亡したほか、船で女性が出産していることも判明した。


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今週は、トリポリの旧市街の様子で終わることにします。


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Also read:

リビアの4月からの新型コロナの感染拡大状況を整理しました。
6月20日は世界難民の日。リビアの難民・移民について、考えてみませんか。



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