りう

オットと娘と暮らしながらとある町で図書館司書をしています。 本と本のある場所と日々のこ…

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オットと娘と暮らしながらとある町で図書館司書をしています。 本と本のある場所と日々のことを、歩くようにゆっくりと。

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最近の記事

苦手なことは苦手なままでいい。

 人に助けを求めるのが苦手なのかもしれない、と気づいたのは最近のこと。  助けが必要ないほどしっかり者というわけでは全く無く、どちらかというとスピードが遅くぼんやりして見えるらしいので助けを求める前に助けられて生きてきたと思う。特に学生時代は、いつも先を行く誰かに助けられてきたような気がする。  先へ先へ手を出される経験を積み重ねて、「私はぼんやりしていてのろいから気をつけよう」といつも気を張っているくらいにはとろくさい。考え事が止まらないタイプで常に頭は考え事でいっぱいなの

    • 笑顔しか浮かばないひと

       児童文学作家の中川李枝子さん、絵本作家のせなけいこさんと立て続けに訃報に触れ、寂しい気持ちになっている。あまりにも当たり前にそばにあった物語たちだから、どこか不思議な気持ちというか、著名人の訃報を聞いた、というのとはどこか違うような感じもあって、自分でもよくわからない感じだ。    物語に触れていると、作者の方まで永遠のような気になっていることがあるけれど、もちろんそんなことはなくて、その物語は人が書いているのだ。当たり前のことだけど、子どもの時に触れた物語は子どもにとって

      • ほんそば日記 20241027 気づくのに時間がかかる

         前髪を気にして梳かしながら歩いてる女子高生、可愛いなぁ。大人からすると「変わらないしそのままで可愛いよ!」って思ってしまうけれど、ほんの少しでものすごく失敗のように思えるんだよね。一生懸命が当たり前みたいな頃。 ◇◇◇  来年度に向けていろいろとやってみたいことなどを話す機会があったので、ノートにつらつらと書いてみていた。今の仕事はもう長く続けているけれど、向いていると思うこともあれば本当に向いていなくて辛いこともいろいろある。ただ頭で考えていると、「頑張らなきゃ」「こ

        • ほんそば日記 20241017 眠れなくても朝はくる

           どうにもこうにも眠れない。  どうやらある一定以上疲れると眠りにくくなるらしいと気づいたのは一昨日のこと。気づいたけれど特に改善はされず、ぼんやりとしている。朝になっちゃうとかではなくてしばらくすれば眠れるからまあいいか、と思うようにしているのだ。  いろいろと自分の身辺を整えようと奮闘し、前向きになった2週間を経て、今週は鉛のように重くなった身体を引きずるように過ごしている。  なんでか、は、何となく分かっている。  ひとつは、揺り戻しがきたこと。マッサージを受け過ぎる

        苦手なことは苦手なままでいい。

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        • ノート
          1本

        記事

          ほんそば日記 20241009 どうやら家が好き

           心にヒビがはいる音が聞こえた気がした。  大袈裟ではなく、なんだか力が入らない。やろうと思えばできる、でも、やろうと思えない。  体もイマイチ本調子でなく、心も本調子でない。  帰りたくないからどこかへ行こうと思ったもののどこへ行きたいかもわからなくて、懐かしい街にふらりと立ち寄った。  子どもの頃から何かと通っていた、本がたくさんある街。参考書を買うだけで頭が良くなったように思えた大きな本屋さん、入るだけで絵が上手くなったような気分になる画材屋さん、好きな場所をふらり

          ほんそば日記 20241009 どうやら家が好き

          恥ずかしさを越えてゆけ

           誰かに見られて恥ずかしい姿って誰にでもあると思う。家で部屋着で床に倒れて爆睡している姿とかもそうだけれどそうではなくて、外に向けて見せる姿でも、見られたくないもの。  私にとってのそれは、文章なんだと思う。  誰かに読まれたくて、読んでもらえる文章を書けることを目指してこうして書いてインターネットの海に放っているのだけど、「もっと上手く書けるようになってから…」みたいな気持ちが常にある。だから筆が重くなるし、つい格好つけた文章になりがち。  でもそう思うのは、私にとって文

          恥ずかしさを越えてゆけ

          文庫本の病

           時々無性に文庫本が読みたくなる。あれを読みたいこれを読みたいではなく、「文庫本が読みたい」。  そうなった時は、単行本ではダメだ。どんなに滑らかな表紙をしていようとも、好みの色味の紙であっても、待ちに待った写真たっぷりの手帳デコ本であっても、楽しみにしていた作家の新刊であっても、ダメ。  とにかくあれでなくてはいけない。手にちょうど気持ちよく収まるサイズ感で、主張の少ない統一されたフォルムで、手軽な雰囲気のあれでなくては。ああ文庫が読みたい、絶対文庫がいい…!と思って止まら

          文庫本の病

          読書は空白に入り込む

           ここ数年妊娠出産もあって生活の勝手が変わり本が全然読めなくなったのだけれど、それでも唯一、少し前から読書タイムになっている時間がある。  それは、子どもの寝かしつけの時間。  背中をトントンしたり頭を撫でたり、はたまた本日のお母さんはもう営業終了しましたとばかりに寝たふりしながら薄目で読んだり、読める読めないに関わらずとりあえず本を手元に置くことにしている。  さすがに赤ん坊の頃は寝るまで付きっきりだし、そのあとは多くの情報に振り回されつつ寝かしつけに向き合っていた。目を

          読書は空白に入り込む

          ほんそば日記 20240929 落ち込むことの影に隠れたもの

           誰かと比べて落ち込む、ということがよくある。    社交的で活発な人を見ては自分はダメだなぁと落ち込み、仕事で発言力があったり外に向かって発信できる人を見ては自分は社会に対して何もできてないなぁなんて思ったりする。  でも、じゃあ社交的な活動をしたいかと言われたら遠慮したいし、社会に対して大きなことをしたいというよりは自分の手の届く範囲から優しさが伝播していくような働き方がしたい。  誰かと比べてしまうことはいろいろあって、自分がこうなりたいと思うことをしている人と自分を

          ほんそば日記 20240929 落ち込むことの影に隠れたもの

          書くことで伸びる背筋

          『エッセイストのように生きる』(松浦弥太郎)を読み終えた。    久しぶりにじっくりと読むことができてまずそれが嬉しい。読み始めた途端に「これはきっと何度も読み返すぞ」と思ったので付箋を貼りながら読んでいたのだけど、付箋を貼ることに慣れていないからすぐ夢中になって通り過ぎてしまった。どうしてもページを捲る方に夢中になってしまう。みんなどうやって付箋を貼っているんだろう。  書くことや読むことに関するちいさな秘密がたくさん詰まっていて、実践したい箇所に付箋を貼っていたらなかな

          書くことで伸びる背筋

          ほんそば日記 20240920 空を眺めて

           ぼけーっとしながら、空を眺めるのが好きだ。    元々がひどい猫背で、気持ちが沈むと自分の靴を見ながら歩いていることもしばしば。  だからこそ、敢えて空を見たくなるのかもしれない。  雲ひとつない真っ青な空も好きだけれど、雲がある方がもっと好き。光の反射や陰影が美しくて、いつまでも見ていたくなる。  新海誠監督のアニメを初めて見た時、「私の見ている雲だ!」と感動したのだけれど、宮崎駿監督作品の雲も子どもの頃から大好きだった。そうやって考えると、空を表現することが好きなのか

          ほんそば日記 20240920 空を眺めて

          ほんそば日記 20240916 子どもの私に見せたいものもの

           プリキュアが好きだ。  数年前、そろそろ子どももこういうアニメも見れるだろうと見始めて、子どもと一緒に…いや、子ども以上に私がハマってしまった。  可愛らしい衣装、多様なキャラクター性、可愛いマスコット的な生き物たち、そして意外と肉弾戦なところ。どこをとっても好みにドンピシャだったのだ。  恋愛要素が薄いところも好ましかった。子どもの頃も変身系アニメに夢中になっていたけれど、恋愛要素が出るたびに意味が分からなくて困惑したのだ。私が単にそういうことに興味の薄い女の子だっただ

          ほんそば日記 20240916 子どもの私に見せたいものもの

          ほんそば日記 20240914『図書館がどうやらかなり好きらしい』

           出勤した途端に『空を飛ぶミジンコのなぞ』(星 輝行)という本が目に入る。何それ気になりすぎる。今度借りよう。  図書館で働いている、と言うと、「ずっと本を読んでいられていいね」と言われることがある。びっくりする。  私は図書館で働く前から図書館の人がずっと本を読んでるとは思ってなかったのだけど…図書館に行かない人からしたらそんなイメージなのかもしれない。  実際は本の貸出返却案内などなど見えるところではほぼ接客業、見えないところでは電話対応はもちろん本の紹介文を書いたりホ

          ほんそば日記 20240914『図書館がどうやらかなり好きらしい』

          しんどい夏から得たもの

          『しんどい夏から得たもの』  ほんそば日記20240912  今年の夏は、きつかった。こんなに体調を崩しまくったのは初めてじゃないかと思うほどだった。    7月の終わりに39度の熱で数日寝込んでから1ヶ月間上咽頭炎が治らなかった。  毎週のように微熱を出した。  常にぼんやりと体調が悪くて、気持ちが落ち込んで泣き出しそうだった。  そんな状態でも世間は夏休み。仕事は忙しい時期だし、子どもは元気いっぱい夏休みを過ごしている。寝てばかりもいられずに走り回り、また倒れた。  治

          しんどい夏から得たもの

          大型書店で深呼吸

           本がぶわーっとある場所が好きです。    背の高い本棚に囲まれて、見渡す限り本、本、本の空間で心ゆくまで本を眺めて暮らしたい。  そんなふうに思っているから家には本が大量にありそのうえ図書館で働いているのですけど、家の本棚は本がきちんと収まりきらずに溢れ、仕事中は書架の前でニヤニヤしているわけにはいきません。無念。    なのでフラストレーションが溜まってきたら、いそいそと大型書店に出かけます。今日はそんなある日の私の書店タイムをつらつらと。    まずは欲しかった本を探

          大型書店で深呼吸

          ほんそば日記 20240905『まあいいか、を増やす』

          『まあいいか、を増やす。』  今年も残すところあと4ヶ月。後半戦に入ると毎年のように思うのが「今年何したっけなぁ…」ということ。  新年の始まりは目標を決めたり予定を立てたりワクワクしながら過ごしてあれこれやってみたりして、4月からは新年度で仕事も暮らしもバタバタ…ようやっと慣れてきてハッとするのが、9月なのかもしれません。あれ、今年も何もやってないぞ、と…。  そしていそいそと目標を立てて挫折する、そんなことを繰り返している。わかっている、わかっているのに。    それで

          ほんそば日記 20240905『まあいいか、を増やす』