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ほんそば日記 20241027 気づくのに時間がかかる

 前髪を気にして梳かしながら歩いてる女子高生、可愛いなぁ。大人からすると「変わらないしそのままで可愛いよ!」って思ってしまうけれど、ほんの少しでものすごく失敗のように思えるんだよね。一生懸命が当たり前みたいな頃。

◇◇◇

 来年度に向けていろいろとやってみたいことなどを話す機会があったので、ノートにつらつらと書いてみていた。今の仕事はもう長く続けているけれど、向いていると思うこともあれば本当に向いていなくて辛いこともいろいろある。ただ頭で考えていると、「頑張らなきゃ」「こうやった方がいいかな」という面ばかり思いついてしまうので、敢えて書く時間を取るようにした。特にこのところ私は私に対して嘘つきになりやすいと思っているので、なるべく丁寧に、見たくないことも書くように気をつけて。
 そうすると、思ったよりやりたいことがたくさんあることがわかった。今の仕事で実現できるかは怪しいけれど、こういうことがしたいんだなぁという方向性は見えた気がする。
 そして同じくらい、辛くてしんどいと思っていることがあることもわかった。一度ついた傷はなかなか消えないことも。
 

 10年くらい前、本気で仕事を辞めようと考えたことがある。その時の業務内容も向いてないと思っていたけれど、人間関係がとにかく辛かった。食欲が無くなって10キロ痩せて(翌年に10キロ太って戻ったけど)、起き上がれない日が多くて休みがちになって、カウンセリングにも行った。それでもまぁやり過ごすうちになんとかできてしまうもので、部署が変わったり何なりしているうちに有耶無耶になって辞めなかった。でも何よりも辞めなかった理由が「人間関係なんかで辞めるなんて」と自分が思っていたのだと思う。そんなことで凹む自分が悪い、と思っていたから、それで職を失うなんて情けない、頑張りなさい、と他でもない自分が思っていた。

 その後も人間関係では同じように定期的に悩みが襲ってくるけれどまぁ何とか乗りこなして、同じ職場で産休育休も経て復帰して、今の今まで働いているわけで。
 それでも、今の自分のことを考えるために書いたノートを見ていたら、あの時の自分がどんどん溢れてきた。
 今の私も、たぶん、あの時とはまた別のベクトルで弱っている。もしかしたらまたあの環境で働くかもしれないという可能性を考えたら、それだけで立てないほど胃が痛くなる自分がいて本当に驚いた。「たかが人間関係」と誰よりも自分が自分を鼓舞していたというのに、まだこんなにも痛かった。10年経っているのに。

 今の職場は、慣れているからある程度は見通しが立てやすい。休暇制度もしっかりしていると思うし、立場上お給料は安いけれど日数には見合っている。恵まれた職場だ。
 だけれど、それは自分の心を無視していい理由にはならない。

 私には今守らねばならない家族がいる。私が弱ると、ダイレクトに影響がいく人たち。
 自分がボロボロの時に、人は他人に優しくなれない。私がボロボロになったら私は、守りたい人たちのことを攻撃してしまう。

 今までは「私さえ我慢して頑張ればいい」といつも思っていた。でも今回自分の気持ちと向き合ってみて、「家族を守るために私を守る」と思った。「どんな理由でも辛かったら休職でも退職でも転職でも何でもしていいんだよ」と初めて心から思えたのだ。

「辛かったら辞めていい」

 その言葉と向き合ったとき、ボロボロと涙が溢れて驚いた。そうか、私はきっと、誰かに、自分に、そう言って欲しかったのだ。あなたの今の気持ちは間違っていないと、背中を支えて欲しかったのだ。今も、10年前もきっと。

 続けてもいいし辞めてもいい、自分の気持ちで決めていい。自分を守る、というのは私にはすごく難しい発想なのだけど、自分を守ることが家族を守ることにつながる、と思うと、それは素直に聞くことができた。

 この気づきをお守りに、今日も頑張ってみようと思った。

【今日のお供】

『今日、誰のために生きる?』(ひすいこたろう/SHOGEN)
 …おすすめされて買ってみた本。冒頭からあまりに刺さりすぎて、閉じてしまった。これは、じっくり読まなくては、と、開いて閉じてをしている。でも、なんとなく持ち歩いている。
 その冒頭を読んだあと、子どもと手をつないで歌を歌いながら帰ったとき、こういう時間が好きだなぁと素直に思えた。いつもはその後の行動に想いを馳せているのにね。

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